バイクが機械である以上、旧車でも最新型でも、取り扱う上で注意しなければならない点はあります。 当然、定期的なメンテナンスも必要です。 しかし旧車の場合、現代のバイクと違って気を使わなければならない点がいくつかあるのであげてみます。 駐車時は燃料コックをオフにすべし ガソリンは燃料タンクから重力で落ちてキャブレターに供給されます。 キャブレターに十分な量のガソリンが供給されると、浮きが持ち上がって バルブを閉める仕組みです(トイレのタンクと同じ仕組みです)。 ところがバルブにトラブルがあって閉まらなくなると、ガソリンが止まらなくなり、 溢れてしまいます。 近年のバイクではエンジンが回っていない限りはコックからガソリンが供給されない 仕組みがありますが、旧車にはそれがありません。 長時間の駐車時にはコックをオフにしてガソリンの供給を完全に止めましょう。 サイドスタンドの収納し忘れに注意すべし サイドスタンドを出したままで走り出すと最悪、転倒します。 近年のバイクではサイドスタンドが収納されているかを検出するスイッチがあり、 サイドスタンドが出たままで走り出そうとしてもエンストさせてくれます。 または先端にゴムの突起が出ていて、接地時にスタンドを強制的に収納します。 しかし、旧車ではそれらの仕組みがありません。 サイドスタンドを出したままで走り出すと、左にバンクさせた瞬間にサイドスタンドに 車体が乗り上がる状態になって、転倒する恐れがあります。 バッテリーの液量をマメに点検して補給すべし バッテリー液が不足すると、バッテリーが上がってしまいます。また、電球類が 切れやすくなります。 電力はエンジンで発電していますが、回転数が上昇すると発電される電力も増えます。近年のバイクでは発電された電力の電圧を一定に保つ回路がありますが(レギュレーター)、 旧車にはない場合があります。では余分な電力はどうなるかというと、バッテリー液を 蒸発させます。そのため、頻繁に液量を点検して蒸留水を補給していないとバッテリーが上がってしまいます。バッテリーが上がると、電圧を抑制する機能もなくなってしまうので、電球類に必要以上の電圧がかかって切れる原因になります。 チェーンにマメに給油すべし 特に雨天走行が多いと顕著です。マメに清掃して給油しましょう。 出来ればシールチェーンに交換していしまうのが良いでしょう。ただし元々ノンシールの チェーン装着が前提なので、構造上幅の広いシールチェーンに変更する場合は、 十分なクリアランスがあるか注意が必要です。薄型シールのシールチェーンでないと 干渉してしまう恐れがあります。 雨天時のブレーキングに注意すべし 旧車に採用の多いドラムブレーキは内部に雨水が入るとカックンブレーキになります。 雨天走行時は慎重にブレーキをかけましょう。 バルブ交換時、レンズ固定ネジの締め付けトルクに注意すべし その車種のレンズの構造にもよるので一概には言えませんが、ネジの締め付け力がレンズ表面にかかる構造の場合、強すぎるトルクは禁物です。たかがバルブ交換、と思っていると痛い目に合います。緩みが怖い場合はマメに点検するか、弱強度のネジ緩み止め剤を使うと良いと思います。 ブレーキランプが点灯するかマメに点検すべし CL125の場合、フロントブレーキにはブレーキランプを点灯させるスイッチがありません。 スイッチがあるのはリアブレーキだけなので、故障すれば即ブレーキランプが点灯しなくなります。 ブレーキランプが点灯しないと後続車に追突される可能性があるので、マメに点検しましょう。 |