CSE アイソレーションレギュレター RX-100twin修理(2台目) 2021/3

それから1年近く経過後、今度は別の方が所有の同型機を修理しました。

修理対象品。
電源投入後しばらくすると勝手に一旦電源が切れ、再起動動作をしてしまうとのこと。
以前修理した同型機の故障現象とは少し違います。
以前修理の物では出力が途絶えるのは一瞬で、再起動動作はしませんでした。
対してこちらは再起動動作をしてしまうそうです。
各部を点検していきます。

カバー取り外し後。
通電して現象を確認する前に、カバーを開けて目視で点検します。
以前修理の機体と型番は同じにも関わらず、内部構成が異なっていました。
生産中にマイナーチェンジしたようです。

正面パネルLED。
!?
レギュレーション動作中を示す緑色LEDが、おかしなことになっていました。
パネル裏側の見えない部分で、直列にLEDが追加されたような構成です。
動作中を示すLEDが収まるパネル穴は1つだけなので、2個のLEDは不要です。
あくまで推測ですが、回路設計に問題があってそれを修正するために組立て時に行ったのかも。
Webで検索すると、同じ構成の機体の写真が見つかりました。

そのLEDのリード線は絶縁処理されておらず、無造作に折り曲げられていました。
そのためパネルの板金と稀にショートしていたようです。
実際にショートさせてみると、再起動現象が再現します。
原因の1つはここにあったようです。

すっぽ抜けたリード線。
2つめの問題箇所です。
基板への半田付けが不良になっていて、接触不良になっていました。
通電中にリード線に触れてみると、過電流保護回路が動作して出力が遮断されます。
線は軽く引っ張っただけですっぽ抜けてしまいました。
半田付けの不良は電気製品でよくみられる故障原因です。

基板の取り外し。
他の半田付け箇所の点検も行うので、シャーシから取り外します。

リード線が抜けた箇所。
見事に穴だけが残っています。
原因はリード線が引っ張られ気味だったこと、近くに発熱の大きなトランジスタがあることでしょう。
半田の強度は弱いものです。
ずっと力が加わり続けていたり、加熱・冷却による伸縮が繰り返されるとヒビが入ったり剥がれてしまいます。

修復。
半田付けし直しました。
周辺の同種のリード線には今のところ異常はありませんでした。
しかし今後の事を考えて同様に半田付けし直しました。

見つかった他の半田不良箇所。
基板実装のリレーのリード線半田付け箇所にヒビが入っています。
導通不良には至っていませんでしたが、このままではいずれそうなるのは目に見えています。
一旦修正しましたが、最終的にはリレー交換時に半田付けし直しました。

新旧リレー。
長期使用ではリレー接点も導通があやしくなってくるので、この機会に交換します。
取り付けられていたOMRON製リレーは生産終了でした。
そのため交換には同社製の推奨後継品を使用しました。
後継品のコイル定格電流は大きくなっていましたが、その差はわずかなので問題なしと判断しました。

古いリレーのカバーは熱で劣化したようです。
取り外し時にパリパリと簡単に割れてしまいました。
茶色っぽく変色もしています。
合わせて電源部のリレー1個も同型の新品に交換しています。

ロータリースイッチの接点。
故障原因ではないようでしたが、スイッチに触ると出力電圧がわずかに不安定になります。
接点の状態を確認するために分解したところ、接点は変色していました。
交換がベストですが、同型品は販売終了です。
そこで接点をごく細かい研磨紙で磨いてお掃除しました。
右側は研磨後です。

ロータリースイッチの組立て。
スイッチはリベットをカシメて組み立てられています。
リベットのカシメ部を削って分解したので、そのままでは組み立てられません。
代わりにM2のネジとナットをリベットに置き換えて復元しました。
ナットには弛み止め剤を塗っています。

動作テスト中。
白熱電球を接続して負荷をかけます。
白熱電球はワット数で消費電力を調整でき、値段も安いので擬似負荷には便利でした。
しかし、点灯開始時の突入電流が大きいことは頭に入れておく必要があります。

出力電圧、周波数の調整。
調整用の半固定抵抗を回し、各周波数毎に電圧と周波数が設定値になるように調整します。
負荷の有無、昇温で出力電圧は若干ドリフトします。

修理完了。
その他の調整は手探りだったため手間取りました。
しかし試行錯誤を繰り返して最終的には安定稼動するように調整ができました。

数日間の稼動テスト後、オーナーに返却しました。
今は安定して稼動しているそうです。
お役に立てて良かったです。