R1-Z(その36・・・ステアリングステムメンテナンス)

ずっと先送りしていたステアリングステムのメンテナンスをします。
レースに打痕があって酷い状態なのは分かっていたのですが
エンジンやブレーキのメンテを優先していたのでそのままになっていました。

メンテナンスに先立ち注文していた部品が届きました。
中身は、、、

ステアリングステムのボール。
有名な「にえガレのブログ」のにえさんから購入しました。送料込みで2,300円です。
ヤマハ純正の場合の3,686円(ボール1個97円 × 38個)に対してお得です。
さらに予備として2個多めに入っているので無くしても(?)安心です。
ボールは規格品なのでヤマハ純正でなくても問題ないと思います。

ちなみに「にえガレのブログ」は非常に参考になるので毎日チェックさせて頂いています。
特にヤマハ2サイクルに乗る方は必見かと思います。
今回の交換作業を行うにあたっても、ブログの記事を参考にさせて頂きました。

作業開始。
フロント周りを分解していきます。ネイキッドはフルカウルより全然楽ですね。

フォーク取り外し完了。
本丸に到達です。


ステムの取り外し。
ステムを抜くと下側のボールがばらけるかもしれないのでトレーで受けながら外します。

ボールの回収。
グリスでヌルヌル滑って拾いにくいので、磁石で集めると簡単です。
数ヶ月前に一度分解チェックした時にグリスアップだけして誤魔化していたので
グリスは十分残っています。

ステム下側からのレースの取り外し。
先端を削った長いボルトを利用して少しずつ均等に叩いて抜き取ります。
このボルト、たしか部品取り車のZXR250から外したエンジンマウントボルトだったと思います。
長くて頑丈なのでメンテナンスで重宝しています。

フレームからのレースの取り外し。
こちらも叩いて上下とも取り外します。
外周を均等に叩きましょう。

取り外したレースとダストシール。

上側のインナーレースとアウターレース。
打跡がついて凹んでしまっています。ダメだこりゃ。

ステムのレース圧入座面のカエリチェック。
座面にカエリなどがあるとレースが密着せず斜めになってしまうので、
オイルストーンでカエリをチェックします。

ステムへ圧入するインナーレースの加熱。
焼きバメすると簡単なのでバーナーで適度に熱します。
熱しすぎると先に入れてあるダストシールを焼いてしまうのでほどほどに。

ステムへの圧入。
ところが加熱が不十分だったせいで途中で止まってしまいました。
仕方無いので貫通の大型マイナスドライバーで慎重に少しずつ叩いて入れましたが、
力が局部的にかかってしまうこと、軌道面を傷つける可能性があることから、
出来ればちょうど良いサイズのパイプなどを使いたいところです。

フレームへのアウターレースの圧入。
上側はまずアルミ板などを介して叩いて入れると簡単です。

フレームへのアウターレースの圧入その2
アルミ板で叩いただけではレースが座面へ届かないので、
治具で叩いて着地させます。
下側は奥まっているので最初から治具を使います。

ボールの組み付け。
グリスをたっぷり盛り付けたレースにボールを並べていきます。
ホールケーキのデコレーションみたいですな。

グリス追加。
ボールを並べたら、さらに追い(?)グリスをします。

フレーム側。
こちらも同様にボールを19個並べます。
ちなみにこの赤いグリスはシルコリンのPRO RG2というものです。

ナットのカエリチェック。
ナットにカエリがあると局部的にレースを押さえてしまうので
カエリをチェックします。
同様にトップブリッジの裏面もチェックしておきます。

ステムの調整開始。
ステムを組み付けたらまずは強めに締めこんでボールをなじませます。

調整開始。
ガタなく、かつ回転が重過ぎにならないようにナットの締め加減を調整します。
ステムシャフトとナットに目印をつけておくと調整しやすくなります。

トップブリッジのナットの締め付け。
R1-Zはトップブリッジ下のナットが1枚しかないため、
このトップブリッジのナットの締め付け力がベアリングの与圧に影響を大きく与えます。
トップブリッジのナットを締めると回転の重さが激変するので、
何回も調整しなおしてベストの位置を探します。

フォーク組み付け完了。
ステムの調整が完了したらフォークを本締めし、あとはもろもろ外した部品を戻していきます。
あれ、フォークの標準突き出し長さはいくつだったっけ???
サービスマニュアルによると、ハンドルのクランプ部とフォーク端面を面一にする、とあります。
ハンドルのクランプ部の厚さは33mmだったので、
トップブリッジ上面から33mm突き出しています。

フォークアウターチューブのフェンダー取り付け部。
余談になりますが、ご覧の通り欠けてしまっています。
この車両が私の元に来た時に既に欠けていました。
昔結構派手に事故ったのか?と思っていましたが、そうでもないようです。
というのはヤフオクなどで出品されているアウターチューブを見ると、
同様に欠けている物が多いのです。どうやら強度不足で欠けやすいようです。
薄すぎるし、隅のRが十分でないので欠けやすいんだろうな・・・。
フェンダーは座面の大きなトラスネジを利用することで固定できていますが、
そのうちなんとかしたいです。

さて、全部復元したので試走に早速出掛けました。
おお、ハンドリングが軽やか!意識した方向に軽やかに曲がっていきます。
これが「ハンドリングのヤマハ」かっ!?

・・・ただ、ちょっとステムの締め付けが緩かったかも。
ブレーキ時にステムから「コクッ」と音がすることがあるのでガタがあるようです。
ガタ無くかつ軽く回るように調整したつもりでしたが、ちょっと緩かったか???
もうちょっとナットを締めこんで煮詰めてみたいと思います。

ちなみにステムのネジ部のネジピッチを測ってみたところ、1.0mmでした。
サービスマニュアルでは、調整は1/8回転(45°)ずつ回して行え、とありますが、
ネジピッチが1.0mmなので1/8回転回すと0.1mm以上与圧が変化してしまいます。
この手のベアリング調整としては0.1mm単位では大きすぎです。
なので、絶妙な位置を狙うのであればもっと小さな回転での調整が必要だと思います。

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