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ステンメッシュブレーキホース製作取り付け

ブレーキホースは重要部品です。破損すればブレーキが効かなくなり、死亡事故に直結します。
ここでは製作・交換の作業を紹介していますが、参考にする場合は十分理解の上でくれぐれも自己責任で作業を行って下さい。
ブレーキホースの切断、フィッティングの取り付け、エア抜きなどは単純な部品交換と異なり簡単ではありません。
また、単品のホースやフィッテイング部品は安価ではないため、市販品と比べて必ずしも安上がりになるわけでもありません。
ホースを切断する工具も必要になります。
微妙な長さ調整をしたい、何でも自分で製作したいという方以外にはおすすめしません。


ハンドルアップスペーサーの取り付けやブレーキレバー角度の調整の影響で、
フロントブレーキホースが突っ張り気味です。
もっとレバータッチを良くしたい目的もあって、ステンメッシュブレーキホースを自作して交換します。

以前製作した手持ちのステンメッシュブレーキホース。
今回はこれを組み替えて製作します。フィッティング類はアールズ製です。
ちなみに私はステンレス製のフィッティングを使用しています。
アルミ製は強度的に不安なこと、腐食に弱そうなこと、青・赤の色が気に入らないためです。
特にあの青・赤のカラーリングは全く馴染めませんねぇ。

バンジョーアダプタとメッシュホースの接続の図解。
ナットを締め込んでいくと、テフロンホースとステンメッシュが固定されます。

組み替えのための準備品。
ホースは2,520円/m、オリーブは10個1,800円でした。
左の部品がオリーブで、ホース先端に組み込みます。
一度組むと潰れて変形するので再使用は出来ません。

以前製作したホースの分解。
ナットを緩めてバンジョーアダプタを外します。小型のもので良いのでバイスがあった方が作業が楽です。
バイスでの固定時はアルミアングルを介し、部品を痛めないように保護します。

ナットを緩めます。
ほとんどの場合、ナットが固着しているのでホースをクランプしておいて
ナットを回して固着を外します。「パキッ」と音がして緩みます。

オリーブの取り外し。
緩めたナットをずらして、オリーブを外します。
ペンチでつかんでこじれば外れるはずです。

分解完了。
前述しましたが、オリーブは新品に交換が必要です。

新しく使うホースの切断。
私の場合は切断砥石をつけたリューターで切断しています。
グラインダーで切断する方もいるようです。
ホースを潰さず、ステンメッシュをあまりばらけさせず、直角に切る必要があります。

使用しているリューター。
ステンメッシュの破片が飛散したり、砥石が割れる恐れがあるので使用時は保護メガネ必須です。

実は以前、切断時に飛散した細かいステンメッシュが目に入ってしまい、
数日後に眼科で取ってもらったのは内緒です。
作業数日後に眼がゴロゴロして痛いので診てもらったところ、
目の表面に刺さっていて、さらに錆び始めていました。目の中ではステンも錆びるのね・・・。
私は通常眼鏡使用なのですが、破片の飛散には無力でした。保護メガネしましょう!

切断したら被覆を剥いておきます。
被覆なしのホースを使う場合は不要な作業です。
私の場合は端部から15mmほど剥くようにしています。
電線の被覆と同じように作業すれば剥けます。

被覆を剥いたらナットを入れます。
その前に内側のテフロンホースに切断時のバリが出ているのでカッターなどで
除去しておきます。また、切粉はエアブローして除去しておきます。

次に新品のオリーブをホースをメッシュの間に入れます。
私はあらかじめメッシュを少し広げておいて、プラハンで叩いて挿入しています。
バイスでしっかり固定出来ない時(強くクランプしすぎると潰れるので)はホースを手で持って、
木片等に押し当てたり叩いたりしても良いです。
メッシュを広げる専用工具も市販されていますが細いマイナスドライバーなどで代用できるので不要です。
重要なポイントですが、ホースとオリーブに隙間が出来ないように
オリーブは完全に押し込む必要があります(次の図参照)。

オリーブの挿入状態。
図のようにオリーブ内部にはカエシがあるので入りづらいのですが、
ホースの端面との間に隙間が無いように挿入します。

バンジョーアダプタを差込み、ナットを締め付けます。
写真は解説用にホースをクランプしていますが、実際にナットを締めつける時は
バンジョーアダプタをクランプしておいてナットを締め付けます。
ネジ部にはわずかにグリスを塗っておいてかじりを防ぎます。

完成。
被覆を剥いた箇所が露出するのが嫌なので私は内径8mmの熱収縮チューブをかぶせています。
右は角度が振れるバンジョーアダプタを接続するためのものですが、作業方法は同じです。

車体への取り付け作業。
今回は手持ちのブレンボRCSラジアルマスターシリンダーも取り付けるため、
まずはノーマルのマスターシリンダーを外します。

ホースの長さ調整。
片方のフィッティングを取り付けて仮止めしておいてから長さを決めてホースを切断、
もう一方のフィッティングを取り付け、とすると楽です。
切断位置に白いマーカーでマーキングします。白いマーカーは何かと便利なので工具箱に入れています。

完成。
マーク位置でホースを切断、フィッティングを取り付けて完成です。
ノーマルのクランプをそのまま使いたいので、クランプ用のラバーも挿入しています。

ホース交換時必須の確認作業。
ボルトをねじ込んだ時に出来る隙間が、バンジョーより狭い必要があります。
当然ですがそうでないと固定・シールされません。
万が一ボルト先端が底付きしているのに気付かずに無理に締め付けると、
シール出来ないばかりかボルトをねじ切ってしまう恐れがあります。

バンジョーボルト比較。
ブレンボのRCSラジアルマスターシリンダーに適合する
バンジョーボルトのピッチは1.0mmです(右側)。

コニカルシールの挿入。
角度が振れるバンジョーアダプターのテーパー座面には、
柔らかいアルミ製のコニカルシールを入れてシールします。

取り付け完了。
当たり前ですがレバーストロークが、小さく剛性感のあるタッチになり、
コントロールしやすくなりました。

ZX-14RへのブレンボのRCSラジアルマスターシリンダーの取り付け詳細についてはこちら。


私の場合、ホースの切断にはリューターと切断砥石を使っています。
しかしWebで検索するとグラインダーで切断する方が多いようです。
そこで私も試してみました。

使用したグラインダー。
厚さ1mmの切断砥石を取付けています。
使用時はくれぐれも保護具を忘れずに。

切断断面。
左・・・被覆無しステンメッシュホースをそのまま切断、
中・・・被覆無しステンメッシュホースにハーネステープを巻いてから切断、
右・・・被覆付きステンメッシュホースをそのまま切断。

ホースを潰さずに切断できますが、どうしてもメッシュがばらけたり、曲がったりします。
ニッパーで整えてから組立てましょう。
また、被覆無しのステンメッシュホースのステンメッシュがばらけるのを防止するために、
ハーネステープを巻いてから切断してみましたが、結果はあまり変わりませんでした。

ワイヤーカッターとペンチ。
結果は予想できますが、試しにこれらでも切断してみました。
結果は、

潰れてしまった断面。
単純に切るだけなら切れないことはありませんが、潰れがひどく、
とてもフィッティングをとりつけて組立てることはできません。


ここからはおまけ。
「バンジョー」と「オリーブ」の名前の由来について推測してみました。

「バンジョー」。
こういう形の弦楽器を「バンジョー」と呼ぶそうです。
なので、形が似ている部品をバンジョーと呼ぶようになったと推測。

種を抜いた「オリーブ」。
こちらもバンジョーと同じく、形が似ているので、オリーブと呼ぶようになったのではないかと推測します。
あくまで私の推測なので、間違っていても知りませんが・・・。