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ステンメッシュブレーキホース製作取り付け

※最初にこの記事を書いたのは2013年でした。
2020年、ホース切断に適した工具を購入しました。
それに合わせ、説明がより分かりやすいように見直しをしました。

ブレーキホースは重要部品です。
破損すればブレーキが効かなくなり、死亡事故に直結します。
ここでは製作・交換の作業を紹介していますが、参考にする場合は十分理解の上で、
くれぐれも自己責任で作業を行って下さい。
ホース切断、フィッティング取り付け、車体取り付け後のエア抜きなどは単純な部品交換とは異なり簡単ではありません。

また、単品のホースやフィッテイング部品は安価ではないため、市販品と比べて必ずしも安上がりにもなりません。
ホースを切断する工具も必要になります。
微妙な長さ調整をしたい、何でも自分で製作したいという方以外にはおすすめしません。

ハンドルアップスペーサーの取り付けやブレーキレバー角度の調整の影響で、
フロントブレーキホースが突っ張り気味です。
もっとレバータッチを良くしたい目的もあって、ステンメッシュブレーキホースを自作して交換します。

以前製作した手持ちのステンメッシュブレーキホース。
今回はこれを分解して組み替えます。
フィッティング類はアールズ製です。

私はステンレス製のフィッティングを使用しています。
アルミ製は強度的に不安なこと、腐食に弱そうなこと、青・赤の色が気に入らないためです。
特にあの青・赤のカラーリングは全くなじめません。

バンジョーアダプタとメッシュホースの接続図。
ナットを締め込んでいくと、テフロンホースとステンメッシュが固定されます。

組み替えのための準備品。
ホースは1mで2,520円、オリーブは10個1,800円でした。
左の部品がオリーブで、ホース先端に組み込みます。
一度組むと潰れて変形するので再使用は出来ません。

以前製作したホースの分解。
ナットを緩めてバンジョーアダプタを外します。
小型のもので良いのでバイスがあった方が作業が楽です。
バイスでの固定時はアルミアングルを介して、バンジョーアダプタの座面を痛めないように保護します。

ナットを緩めます。
ほとんどの場合、ナットは固着しています。
ホースをクランプしておき、ナットを回して緩めます。

オリーブの取り外し。
緩めたナットをずらして、オリーブを外します。
ペンチでつかんでこじれば外れるはずです。

分解完了。
前述しましたが、オリーブは新品に交換が必要です。


ここからは組立てです。

ホースの切断。
使用しているのは、小型切断砥石使用のカッターです(2020年購入)。
おそらくこの方法がもっとも安全かつきれいに切断できると思います。

このカッター、キソパワーツール社のミニカッティングソウという物です。
直径50mmの切断砥石が回転して材料を切断、実売価格で13,000円でした。
メッシュホース切断に最適ですが、個人がその目的だけで購入するのはちょっともったいないです。
逆に、ホースを度々製作するショップなら購入はありでしょう。
私はメッシュホース以外にも色々切るので買ってしまいましたが。

白い板はプラ板は切粉の飛散防止用です。
切粉が周囲に舞うと掃除が面倒なので、製作して取り付けました。

切断後の断面。
被覆が溶けているので荒れて見えますが、メッシュホースはあまりばらけず切断出来ています。

テフロンホース内側のバリ取り。
バリをとりつつ、わずかに面取りします。
面取りは、後でバンジョーアダプタを挿入しやすくするためです。
写真のようなバリ取りがあると作業が楽ですが、カッターナイフでも作業できます。

被覆剥き。
カッターで切り込みを入れ、電線と同じように剥きます。
私の場合、被覆を剥く長さは12~15mm位にしています。
メッシュの断面は指に刺さりやすいので注意!

バリ取り・被覆剥きが済んだ切断面。
これでテフロンホースの組立て準備は完了です。
組立て前には内部をエアブローして、ゴミを除いておきます。

ナットの挿入。
ステンメッシュが引っ掛かりますが、回しながら押し込むとスムースに入ります。

オリーブの挿入。
新品のオリーブをテフロンホースに被せて押し込みます。
しかし、簡単には入らないはずなので、

滑りにくい手袋をしてホースをつかみ、木材にオリーブを打ちつけます。
この時、オリーブとテフロンホースの間に隙間が残らないようにします。(次の図参照)。

オリーブの挿入解説。
図のようにオリーブ内部にはカエシがあります。
そのため入りづらいのですが、テフロンホース端面との間に隙間が残らないようにします。

オリーブが完全に挿入された状態。
ホース端面内側はわずかに面取りしています。
そのため、オリーブとホース端面との間に隙間があるようにも見えますが、実際には隙間はありません。

バンジョーアダプタの接続。
差し込んでから、ナットを締めます。
カジリを防ぐために、ネジ山にはオイルかグリスを少し塗ります。

ナット締め付け作業の例。
10mmのボルト、ナット、ワッシャーを利用してバンジョーアダプタを固定します。
ボルトをレバーのように握っておいて、ナットを締め付けます。
バイスで挟んでおくのが簡単ですが、バイスを準備できる人は少ないと思うので代わりの方法です。

ナットの締め付け完了。
あくまで私の場合ですが、バンジョーアダプタのねじ山が隠れる位までナットを締め付けます。

完成。
私はメッシュホースの被覆を剥いた箇所が露出するのが嫌なので、内径8mmの熱収縮チューブをかぶせています。
右は角度が振れるバンジョーアダプタを接続するためのものですが、作業方法は同じです。


車体への取り付け作業。
今回は手持ちのブレンボRCSラジアルマスターシリンダーも取り付けるため、
まずはノーマルのマスターシリンダーを外します。

ホースの長さ調整。
片方のフィッティングを取り付けて仮止めしておいてから長さを決めてホースを切断、
もう一方のフィッティングを取り付け、とすると楽です。
切断位置に白いマーカーでマーキングします。白いマーカーは何かと便利なので工具箱に入れています。

完成。
マーク位置でホースを切断、フィッティングを取り付けて完成です。
ノーマルのクランプをそのまま使いたいので、クランプ用のラバーも挿入しています。

ホース交換時必須の確認作業。
ボルトをねじ込んだ時に出来る隙間が、バンジョーより狭い必要があります。
当然ですがそうでないと固定・シールされません。
万が一ボルト先端が底付きしているのに気付かずに無理に締め付けると、
シール出来ないばかりかボルトをねじ切ってしまう恐れがあります。

バンジョーボルト比較。
ブレンボのRCSラジアルマスターシリンダーに適合する
バンジョーボルトのピッチは1.0mmです(右側)。

コニカルシールの挿入。
角度が振れるバンジョーアダプターのテーパー座面には、
柔らかいアルミ製のコニカルシールを入れてシールします。

取り付け完了。
当たり前ですがレバーストロークが、小さく剛性感のあるタッチになり、
コントロールしやすくなりました。

ZX-14RへのブレンボのRCSラジアルマスターシリンダーの取り付け詳細についてはこちら。


製作過程で少々難しいのがステンメッシュホースの切断です。
ホースを潰さず、メッシュをばらけさせずに切断する必要があります。
ここからは色々な方法の紹介です。

リューターに切断砥石をつけたリューターでの切断。
以前はこの方法で切っていました。
比較的きれいに切れます。
しかし、薄い切断砥石は突然割れたりするので危険なのが問題です。
保護メガネ着用必須です。

ハンドグラインダーでの切断。
厚さ1mmの切断砥石を装着しています。
これで切ってみた結果は、

切断断面。
左・・・被覆無しステンメッシュホースをそのまま切断。
中・・・被覆無しステンメッシュホースにハーネステープを巻いてから切断。
右・・・被覆付きステンメッシュホースをそのまま切断。

いずれもホースを潰さずに切断できていますが、多少メッシュがばらけたり、曲がったりしています。
ステンレス線が切断可能なニッパーで整えてから組立てましょう。

被覆無しのステンメッシュホースのメッシュがばらけるのを防止するために、
ハーネステープを巻いてから切断してみましたが、結果はあまり変わりませんでした。

ワイヤーカッターとペンチ。
結果は予想できますが、試しにこれらでも切断してみました。
結果は、

潰れてしまった断面。
単純に切るだけなら切れます。
しかし潰れがひどく、とてもフィッティングを組み立てることはできません。


おまけ。
「バンジョー」と「オリーブ」の名前の由来について推測してみました。

「バンジョー」。
こういう形の弦楽器を「バンジョー」と呼ぶそうです。
なので、形が似ている部品をバンジョーと呼ぶようになったと推測。

種を抜いた「オリーブ」。
こちらもバンジョーと同じく形が似ているので、オリーブと呼ぶようになったのではないかと推測します。
あくまで私の推測なので、間違っていても知りませんが・・・。