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リアサスリンク整備 2020/5

取り外したロッカーアームとタイロッド。
分解して点検します。

アルミ製のロッカーアームに対し、強度が求められるタイロッド(リンクロッド)はスティール製です。
これを見てしまうと、車高調整を目的としたアルミ製の社外品使用は心配になります。

ロッカーアーム。
スリーブを抜き取る前に、まずはお掃除します。
オイルシール外側の溝の汚れは、歯ブラシで掻き出すようにすると簡単。

オイルシールの組み付け不良発見。
押し込みが不足しています。
本来はここに隙間があってはいけません。

スリーブ抜き取り。
指で押し出せば抜き取ることが出来ます。

スリーブの点検。
ローラーの痕跡はありますが、指で触っても凹凸は感じられないので、
継続使用に問題はないと判断しました。
端部には少し錆が出ていましたが、ワイヤブラシで除去しています。
端部はわずかに露出してしまうので、錆びるのは仕方がないところです。
グリスを十分に塗っておきます。

困惑したのは、スリーブの1本に溝が切られていたことです。
機能的に溝は不要なので、「不良品!?」と一瞬思ったのでした。
しかしWebで調べてみると、このスリーブには溝が切られているのが正常なことが分かりました。
あくまで推測ですが、溝は似たサイズの異なる部品と区別するためでは?、と考えました。
ZX-14Rの場合は他のスリーブと混同することはなさそうですが、他車種でも共通で使われている部品のようなので、
混同を防ぐために溝を切ったのではないかと。
あくまで推測ですけどね。

ベアリング・オイルシールの点検。
これはフレームとの接続部です。
ベアリングは潤滑剤で埋まっていて異常なし。
オイルシールのグリス量は少なめなので補充します。

タイロッド接続部。
潤滑剤が1/3ほど溶け出してしまっていました。
給油不要、と言ってもそれは潤滑剤が十分残っている場合の話です。
オイルシールのグリスも少ないので、グリスを充填しておきます。

リアサス接続部。
ベアリングの潤滑剤は十分。
しかしオイルシールのリップが一部ちぎれてしまっていました。

整備が完了したロッカーアーム。
ベアリング、オイルシールにはグリスをたっぷり充填しました。
防錆のため、スリーブの端部にもグリスを塗っておきます。
リップ部がちぎれたオイルシールは本来は交換すべきですが、一旦継続使用です。
新品部品入手後に交換することにします。

取り外したリアショックユニット。
お掃除してから組み付けます。
ダンピング調整ネジには固着防止のために潤滑剤を浸透させておきました。
35,000km使用なので、本当は新品交換かオーバーホールに出せば良いのでしょうけど。

組み立て中。
場所が場所だけに、締め付け忘れや不足は危険です。
確実に作業します。

マフラー接続部への新品ガスケットの挿入。
マフラー取り付けの準備をします。

焼き付き防止剤の比較実験。
接続部のバンドの締め付けボルト・ナットは熱や水の影響で錆びやすく、固着してしまいます。
それを防ぐために焼き付き防止剤を塗っておきますが、比較実験をしてみることにしました。
左右で異なる物を塗っておきます。

1つはロックタイトのアンチシーズです。
チューブ入りもありますが、今回使ったのはスティックタイプです。
半固形で、スティック糊のようになっています。
もう1つはワコーズのスレッドコンパウンドです。
チューブのままでは使いにくいので、刷毛付き容器に移して使っています。
両者は、ボルト・ナットだけでなく、ガスケットの内側にも塗ってみました。

バンドのセット。
マフラーに突起が出ているので、バンドの穴を合わせます。

マフラー接続部。
2種類のケミカルの効果はいかに?
ただし、錆び・焼きつきはすぐに起こるわけではないこと、マフラーを外す機会はあまりないことから、
結果が分かるのは数年後になりそうです。

作業完了。
段取り、センタースタンドの整備を含めると、丸1日かかりました。
整備後のフィーリングの変化はずばり・・・、ありません。
私が鈍感なだけかもしれませんが。

今回整備した以外の箇所にも共通するのですが、
工場での新車組立て時は、グリスが十分に塗られていないことが多いと言わざるをえません。
ラインでは嫌がられそうな作業ではありますが、ちゃんとグリスを塗ってほしいと思うのでした。
グリスは以下のような大事な役割を担っています。

潤滑・・・摩擦ロスや磨耗の低減。オイルシール組み付け時のリップの捩れを防ぐ効果もあり。
防錆・・・錆を防ぐ。
防水・・・水分の浸入を防ぐ。
防塵・・・異物の侵入を防ぐ。
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