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同調(エンジンバキューム同調)調整 下調べ 2020/5

エンジンの吸入負圧調整、いわゆる同調調整を行うための下調べをしてみたら、
やっぱり簡単ではなかった、というお話です。
そして、同調調整の前に、まずはスロットルボディの洗浄をすることにします。
同調調整はその後にしましょう。


同調の点検と調整をしたい、と思い始めました。
理由は、アイドリングから低回転でエンジン回転がバラツキ気味に感じること。
アクセル開度にエンジン回転数が忠実についてこないように感じてきたなどです。

ZX-14Rの場合、真っ先に心配になるのは作業スペースの狭さです。
調整は、スロットルボディにバキュームゲージのホースを取り付け、
調整用のバイパススクリューを回さなければなりません。
しかしモノコックフレームのためにスペースは狭く、プラグ交換では手探りの作業を強いられています。
まずはサービスマニュアル記載の手順を確認してみると、

・一旦スロットルボディを車体から外す。
・バキュームゲージのホースを接続し、スロットルボディに固定されているブラケット(金具)を外す。
・車体に一旦復元して同調を調整。
・再びスロットルボディを外してゲージのホースを外す、ブラケットを取り付ける。
・車体に復元。
・最後にメインスロットルセンサの出力電圧を確認。

・・・スロットルボディを外したり付けたりと、とても面倒です。
いちいちスロットルボディを外さなければ出来ないの?、ということで海外サイトも含めてWeb上で調べてみました。
すると、スロットルボディを外さずに調整をしている作業例が見つかりました。
しかし、実際に出来るのかは実車を見ないと何とも判断できないので、下調べをしました。

結論を書くと、やはり簡単とは言えません。
バキュームゲージの接続は、1番と4番は問題なさそう。
しかし2番と3番は狭い空間での手探りでの作業になりそう。

バイパススクリューの調整は、1番と2番は問題無し。
しかし3番と4番のスクリューを回すためにはハーネスをずらす作業が必要になりそう。
ブラケットも少し曲げないとドライバーが干渉するかも。

以下は下調べの記録です。

カウル取り外し。
ZX-14Rの整備では恒例の作業です。
慣れれば所要時間は10分ほどでしょうか。
まずはバキュームゲージの接続部を確認してみます。

1番気筒のバキュームゲージ接続部。
最も左側の1番は、谷間のような場所にありますが、キャップを外してゲージの
ホースを接続することは出来そうです。

4番気筒の接続部。
今度は反対側、最も右側の4番気筒です。
最もアクセスしやすい位置にあります。

キャップを外した状態。
内部には汚れが溜まっていました。
これから想像すると、バイパス流路やバイパススクリューにも汚れが溜まっていそうです。
調整以前にまずはスロットルボディを取り外して、しっかり清掃する必要がありそうです。
調整だけをしても、本調子にはなりそうにありません。
測定メモ:ニップル先端部直径5mm、太い部分6mm。

負圧測定。
試しに4番気筒だけですが、バキュームゲージを接続して負圧を測定してみました。
結果は-33kPa位、標準値-36.66kPaに対し4kPaほど高く測定されました。
ただし、この時はエンジン始動直後です。
本来は暖気後に測定する必要があります。

それと気になったのは、測定場所の外気圧が影響するのかということです。
長野県松本市の私の住む場所は、海抜約580mです。
気圧は低めで、ポテトチップスの袋などは膨れ気味なのが普通なのです。
近くの松本空港は、空気が薄いので離陸に必要な距離が余計に必要だとか。
海抜が高く、外気圧が低いとエンジンの吸入負圧は、高くなる?、低くなる?、変わらない?
私の予想は、高くなる(常圧に近くなる)ですがどうでしょう?

アイドリング回転速度コントロールバルブアクチュエーター取り外し。
内側2番、3番の接続部を確認するために取り外してみます。
プラグ交換時と同じ作業です。

3番の接続部、がある付近。
中央に写っているのは吸気圧センサーです。
接続部のキャップはその陰にあるはずですが、なかなか見えません。
ホースを接続するとなると、手探りになりそうです。
2番も同じような状態です。
プラグ交換と同じで、手が痛くなったり目視確認が出来なかったりするので、ちょっと嫌になりそう・・・。

エアスイッチバルブホース。
写真はアイドリング回転速度コントロールバルブアクチュエーターのホースなので間違いです。
エアスイッチバルブのホースは車体反対側でした。
同調調整時はこのホースをフレーム(エアクリーナーボックス)から引き抜き、
塞いでおくことがサービスマニュアルで指示されています。
フレーム側の穴も塞ぎます。
写真はホースを引き抜いた状態です。

測定メモ:ホース内径14mm、外径20mm。


次は調整時に回すバイパススクリューを確認してみます。
バイパススクリューは、スロットルボディの下側にあります。

各気筒のバイパススクリュー。
左側から覗き込んだ状態です。

手持ちの調整用ドライバー、パイロットスクリュードライバー。
これが使えるか当てがってみます。
先端部は厚さ0.8mm、幅(直径)4.3mmです。

調整用ドライバーは大きく分けて、このようなワイヤーを使ったものと、ギアを使ったものがあります。
私はこのワイヤーを使った物しか持っていないのですが、使い勝手は今一つです。
ワイヤーの回転抵抗が大きいために空転トルクが重く、スクリュー自体の回転トルクが分かりにくいのです。
ただし、ギア式はサイズが少し大きくなるので、狭いと入らない場合があるかもしれません。

2番のバイパススクリューに当てがった状態。
1番、2番はスペースがあるため問題なくバイパスクリューを回せます。
ですが問題は、

3番と4番。
バイパススクリューの軸線上に太いハーネスがあります。

反対側、右側から見た状態。
ハーネスが邪魔でスクリューにアクセスできません。
ハーネスは近くのブラケット(金具)に、結束バンド2本でがっちり固定されています。

ハーネスと固定ブラケット。
3番と4番のスクリューを回すには、2本の結束バンド(赤矢印)を切り、
ブラケット(緑矢印)からハーネスを外してずらさなければなりません。
ハーネスは太く、取り回しに余裕もあまりなさそうなので、大きくずらせるかどうか分かりません。
作業後は再び結束バンドで固定しておかないと、振動で擦れてハーネステープや被覆が傷み、
トラブルを引き起こしそうです。
同調調整のことを考えないでハーネスの取り回しを決めたんじゃない?、カワサキさん。

ブラケットとスクリューの位置関係(
この写真はミラー越しに撮ったので左右が逆)。
さらに、ハーネスをずらしても固定ブラケット(緑矢印)が4番のスクリューのすぐ脇にあります。
そのため、ヘッド部が大きめなギア式の調整ドライバーだと、ブラケットに干渉しそうです。
ブラケットを少し手前外側に引いて曲げて逃がす、という作業も必要になるかもしれません。
これは、海外のZX-14/14Rフォーラムで紹介されていた内容です。
(ZX-14なので少し違う部分がありますが、ブラケットの部品番号はZX-14Rと共通です)

ブラケット固定ネジ。
結束バンドを切ったりブラケットを曲げるぐらいなら、ブラケットごと外してしまえば?、
と思う方もいるかもしれません。
しかし、その固定ネジはかなり奥にあります。
スロットルボディを車体から外さずに回すのは困難です。

スロットルポジションセンサーのコネクター。
上がサブ、下がメインで、同じコネクターの色違いです。
サービスマニュアルでは、同調調整と合わせて、メインの出力電圧を点検するように指示されています。
コネクタについて調べたところ、ヤザキ製のSSDコネクタという物のようです。
電圧点検は、ここに測定用ハーネスを割り込ませてテスターを接続します。
防水型のコネクターなので、コネクターの後ろからテスターピンを差し込んで測ることは基本的に無理です。


この通り、同調調整は簡単ではありません。
工場での生産時、同調がちゃんと調整されているのか怪しく感じてしまいます。
思い起こすと、新車で買った時から、少なからず同調が合っていない感じはあったような・・・。


各種数値メモ
バキューム標準値:-36.66±1.3kPa(275.0±10mmHg)
メインスロットルセンサ出力電圧:0.63~0.65V
いずれもアイドリング回転数1100±50rpmにて

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