トップ‎ > ‎ZX-14R‎ > ‎

ヘッドカバーオイル漏れ修理 バルブクリアランス測定・エアサクションバルブ点検 2021/2

分解編からの続きです。

2021/6、カムの状態について追記

ラジエターをずらし、スロットルボディを外し、ようやくヘッドカバーが外せるようになりました。
せっかくヘッドカバーを外すついで、バルブクリアランスを測定します。
バルブクリアランスの測定・調整は42,000km毎と指示されています。
私の14Rの走行距離は37,000kmなので、そろそろ測ってみても良い頃です。

ヘッドカバーの取り外し。
前方2箇所のエンジンハンガーをかわす感じで取り外します。
持ち上げてみると、とても軽いです。
なぜかというと、

マグネシウム合金製だから。
これはカバー裏側の表示です。

ヘッド内。
ヘッドカバーを開けて気になるのはカムの状態や、エンジン内部の汚れです。
チェックしてみます。

カム。
これは4番の排気側。
表面にカジリ、虫食いはなくピッカピカ!
状態は良好です。

1番の吸気側。
こちらも全く問題ありません。
他の全てのカムの状態は良好でした。
エンジン内部に汚れもなく綺麗なものです。

私の場合、エンジンオイルは主にヤマハのヤマルーブプレミアムを使い、
走行距離5000~6000km毎に交換してきました。
ヘッド内は良い状態を保てているので、これをこのまま続けることにします。
MOTULの300Vとか、高価なオイルをたまには入れてみたい気持ちもありますが、今のままで十分でしょう。

2021/6追記
カムがピカピカに光っていないと異常な磨耗、ということではないのでご注意を。

カムの表面は、「研削」という方法で加工されます。
回転する砥石で表面を削っていく方法で、加工後の表面には砥石で削った独特の加工痕が残ります。
艶はなく、ピカピカの鏡面ではありません。

そこから使用していくと表面はわずかに磨耗して磨かれて、ピカピカの鏡面になっていきます。
なので鏡面になっていない部分があったとしても、それは異常な磨耗ではなく、
まだアタリがつかずほとんど磨耗していない状態かもしれません。

カムの磨耗について心配されている方のブログ記事を見つけたので追記してみました。
見てくれていると良いのですが。

プラグホールのガスケット取り外し。
合計4個、ヘッドカバー外周のガスケットと合わせて交換します。
このガスケットが劣化してオイルが漏れると、プラグホールが油で浸かってしまいます。
プラグホールが油で浸かると、ダイレクトイグニッションコイルが壊れるそうです(バイク店談)。

ヘッドカバー固定ボルト部のガスケット。
合計6個、これも交換です。
貼りついているので丁寧にこじって外します。

取り外したガスケット。
8年間お疲れ様でした。

プラグホール横のダウェルピン(ノックピン)。
気にしておくべき部品なので書いておきます。
このピン(実際はパイプ状)は、ヘッドとヘッドカバーの穴にはまっているだけです。
写真では分かりやすいように持ち上げています。

今回のヘッドカバー取り外しでは、4個全てがエンジン側に残っていました。
しかしヘッド側にくっついて残ることもあるでしょう。
それが何かの拍子に外れて落ちると厄介です。
ヘッド内に落としたことに気が付かずに組み立てて、エンジンをかければエンジン内部を壊します。
また、カムチェーンのトンネルに落とせば取り出しが困難です。
ヘッドカバーを外したら、まずはこのピンの所在を確認しておくことをおすすめします。


せっかくヘッドカバーを外したついで、バルブクリアランスの測定、点検をします。

クランクシャフトセンサーカバーの取り外し。
バルブクリアランスの測定時は、クランクシャフトを回して角度を合わせなければなりません。
そのために取り外します。

クランクシャフトの角度合わせ。
エンジン回転方向、時計回りに回して、センサーのマークをクランクケースの合わせ目に合わせて
バルブクリアランスを測定していきます。
カバーを開けるとエンジンオイルが多少出てきますが、量は少ないので下側に詰めたウエスで受けます。
エンジンオイルの油面は開口部よりもっと下なので、大量にオイルがこぼれることはありません。

バルブクリアランスの測定。
各気筒毎、ピストンが圧縮上死点にあって、カムがバルブを押していない状態でシクネスゲージで測定します。
サービスマニュアルでは、くの字に曲がったシクネスゲージの絵が書かれていますが、
一般的な真っ直ぐなシクネスゲージで測定できます。
測定結果は以下の通りでした。

2012年式ZX-14R バルブクリアランス測定結果(単位mm)
  標準値 #1左 #1右 #2左#2右 #3左 #3右 #4左 #4右
 排気側 0.22~0.27 0.24 0.26 0.23 0.24 0.24 0.26 0.24 0.23
 吸気側 0.15~0.20 0.17 0.18 0.18 0.16 0.17 0.16 0.18 0.17
37,000km走行、全気筒圧縮上死点で測定。

吸気側、排気側共に全箇所が標準値内に収まっていました。
標準値から大きく外れるような場所があれば、調整をしなければいけないかもと考えていたので一安心です。
一般的にはバルブとバルブシートの磨耗が進行することで、この値は徐々に小さく狭くなっていきます。
昔所有していたGPZ1100もそうでした。

狭くなっていって下限値を下回ればバルブが完全に閉まらなくなり、出力が低下する恐れがあります。
下限値まで残り0.01mmの場所もあるので、遅くとも50,000km位で再度測定をして
調整をしたほうが好調を保てそうです。


バルブクリアランス測定箇所。
カムとバルブリフター(タペット)の隙間です。
新車からずっと変化しないのなら測定、調整は不要です。
しかし距離を走るにつれ、バルブとバルブシートの接触面は磨耗します。
するとバルブが閉じたときの位置はカム側に寄っていき、カムとバルブリフターの隙間は狭くなります。
適度な隙間がないと、バルブが閉まりきらなくなってしまうので、測定、調整が必要になります。
隙間が標準値から外れている場合は、シムを交換して調整します。

エアサクションバルブの取り外し。
点検のために取り外します。
貼りついているので、マイナスドライバーなどで慎重にこじって外します。

バルブの状態。
全体にカーボンが付着しています。
しかし、薄い板状の部品、バルブリードでの密閉は保たれているので問題なしと判断しました。

ホースの亀裂。
亀裂はまだ短くリークは起こしていませんが、そろそろ交換しておいた方が良いでしょう。
10年目となる来年には、冷却水のホースなどと合わせて交換しますか。

次は取り外したスロットルボディの清掃をします。