1-17 本番機製作(後編)

 前編で製作した基板を収めるためのケースを作ります。

使用するケース。

 タカチ電機工業のMAXIシリーズというツールケースです。この製品、サイズ別に25種類もラインナップされています。

 使いやすさを考えると持ち運びのしやすさも重要です。サッと運んでパパッとセットして使いたい。そこでセンサーと反射板まとめて収納できる手頃なサイズの物を探していたところ、このシリーズにちょうど良いものがありました。

ケースを閉じて留めるラッチ。

 このケースではラッチを好みの色の物に交換することができます。購入時の赤色のラッチを付属の黒色に物に交換してみたのがこの写真です。

 オプションではマリンブルー、イエロー、オレンジ、ライトグレー、グレーが用意されているので、ホンダ、ヤマハ、スズキ、KTMのイメージカラーに合わせられます。ところがカワサキのイメージカラーであるグリーンがラインナップされていません。残念。タカチさん、グリーンの追加を是非お願い!

ケースの加工。

 表示部を大きくくりぬいて窓を開けます。加工にはオルファ製の「ホビーのこ」という小型のこぎりを使いました。こののこぎり、こういった加工には重宝します。プラスティックカッターと違って曲線も切りやすい、勢い余って切り過ぎてしまう恐れが低い、片側からでも加工できるためです。カウルなどを加工するのにも便利です。

 アクリル板の切り出し。

 表示部のカバーとしてケースに取り付けます。LEDの光だけが透過しやすいようにオレンジ色の透明アクリル板を選びました。

 アクリル板は透明度が高い、他の樹脂と比較して硬く傷つきにくい、安価で入手しやすいという長所があります。しかし一方で脆いという短所があります。加工中に油断をするとヒビ割れたり欠けたりするので慎重に作業しました。

ケースへの組み込み。

 だんだんカタチになってきました。表示部の周りに露出するボルトは目立たないように黒色の物を使いました。

クッション材の組み込み。

 センサーと反射板がケース内で暴れないようにクッション材を組み込みました。JEJアステージというメーカーの「ブロッククッション」という商品です。

 このクッション、切れ目が入っていて収納物に合わせて簡単にくりぬくことができます。またカッターでも切りやすくとても使いやすい製品でした。良い。

センサーなどの収納状態。

 うまく収まりました。これで運搬中に少々振動が加わっても安心です。

 ちなみに基板の裏面は保護のために2mm厚のABS板でカバーしています。

屋外での点灯テスト。

 電源のモバイルバッテリーはケース内に入れてあります。超高輝度LEDの使用で明るさは十分です。

 完成!と言いたい。しかし完成したとは言えません。なぜかというと、

・・・表示が見にくいから。

 この写真は0.0秒を表示中です。しかし一瞬8.8秒に見えてしまいます。

 点灯させている部分(セグメント)のLEDの明るさは十分です。しかしその光が周囲に拡散しすぎで、点灯させていない部分のLEDも照らしてしまってコントラストが低くなってしまうのです。

 ちょうど一緒にジムカーナに参加のご近所のバイク乗り2人と会う機会があったので見てもらったところ、やっぱり同じ感想とのことでした。ウーム。

茶色のスモーク板を重ねてみた状態。

 左の十秒の桁は2枚、真ん中の秒の桁には1枚を重ねています。こうすればコントラストが強くなって見易くはなります。しかし点灯中のLEDの光も弱められているので、さらに明るい真夏の炎天下などでは見にくくなりそうです。この日は薄曇りでした。

 まだまだ試行錯誤は続きます。