このバイクをウチで預かった時から気になっていたのですが、
サイドスタンドをかけたときの車体の傾きが大きすぎるような気がしていました。
分解・点検・整備しましょう。
サイドスタンド。
スタンドのベースのボルトが緩んでいます。
潤滑もされておらず錆びも出ていて酷いもんです。
まずはフレームから外しましょう。
ちなみに後ろのパンタジャッキは車体を支えるために使用中です。
センタースタンドを立てて全後輪共に外しているためです。
外したスタンド。
ピボットボルトが緩んで抜けてきてしまっています。
そのせいでスタンド側のコの字部分の抑えが効かなくなって開いてしまっています。
これではサイドスタンド使用時の傾きが大きくなりすぎます。
ついでにスプリングの向き、これで良いのかな???
分解。
コの字部分が開いて歪んでいたせいで、ピボットボルトは簡単に抜けませんでした。
それにしても酷い錆びです。
この車両、ここに限らずグリスが必要な場所に全くグリスがありません。
このバイクを以前レストアした人はグリスって物を知らなかったのではと思ってしまいます。
また、ボルトの塗装から判断すると、レストアで塗装された時には既にボルトは緩んでいたようです。
分解もしないで丸ごと塗ったようだし、色々おかしいです。まったく!!
錆落とし。
開いて歪んだコの字部分を修正し、錆を落として塗装の準備をします。
先日購入したディスクグラインダーを実戦投入です。
今までのワイヤーブラシでの錆落としと比べると超高能率です。
もうちょっと静かだと最高ですけど仕方ないですね。
ところでくれぐれも、きちんと保護具はしましょう。革手袋とゴーグルは必須です。
ディスクグラインダーの回転数は9000rpmで、砥石(今回は錆落とし用の繊維ですが)直径は100mm。
計算すると周速は47m/s、時速に換算すると約170km/hです。
体はパーツ交換出来ないので気を付けましょうね!!
塗装。
物干し場に針金で吊って塗装です。
マフラーステーの部品も同時に塗装しています。
塗料は密着性が良く速乾性のシャシーブラックを使っています。
タッピング。
塗料が乾きました。タップを通してメネジに付着した塗料を取り除きます。
仮組み。
修正したのでガタはほとんど無くなりました。
組立て。
十分にグリスを塗布しておきます。
ただしはみ出たグリスは役に立たない上にホコリを呼ぶので拭き取っておきます。
軸のボルトは新品に交換したかったのですが、販売中止でした。
ナットの緩み止め処理。
ナットは新品に交換しましたが、外周2箇所をピンポンチでカシメておきます。
緩み止めが目的です。
ここは緩みやすい箇所のようで、緩み止め機能のあるナットを使用している車種が多いです。
取付け用ボルトも新品に交換です。
ガタなく、滑らかに可動するようになりました。
あまりメンテナンスされていない車両はスタンドの動きも渋いことが多いように思います。