CL125 その34 燃料タンク

いやー、このCL125、本当に楽しませてくれます。

驚きの連続です。

燃料タンク。

外見は凹みも無くまあまあ綺麗ですが色々問題があります。

振るとシャラシャラと錆が動く音がします。錆を取りましょう。

また、オーナーによると走っているとキャップからガソリンがにじんでくるとのことでした。

チェックするとキャップのパッキンは劣化してヒビだらけでした。

新品部品が入手出来たのでのちほど交換します。

ガソリンコックのストレーナー。

錆が少し出てきましたが、ガソリンの供給が滞るほどではないようです。

先日、ヤマハのキャブレタークリーナーを使ってキャブの浸け置き洗浄を行いました。

クリーナーは原液をガソリンで薄めて使うので、このタンクからガソリンを抜き取ったのですが、

コックを開いてもチョロチョロとしか出てきませんでした。

ストレーナーが詰っているのかと思っていたのですが、原因は実は後述する別の場所にありました。

ガソリンの抜き取り。

コックを外してガソリンを排出します。

錆がたくさん出てきました。

コックの点検。

タンクの洗浄・錆取りが終わるまでは古いパッキン類にもう少し頑張ってもらいますが、

ガソリンがチョロチョロとしか出ない理由を点検しておきます。

右の穴がリザーブの取り入れ口ですが錆びで詰まり気味でした。

摘出された異物。

メインの取り入れ口パイプに棒を入れてつついてみると、

何だか柔らかい感覚がありました。中に何か詰っているようです。

先端をフック状にした針金で引っかけて取り出してみると、

ビニール紐のような物が出てきました!(写真左下)。

これではガソリンの出方が悪いわけです。

メインはビニール紐で、リザーブは錆で詰っていたわけです。

現在のマシンだと、パイプを含めてコックの取り入れ口全体を覆うようなストレーナーがあるので

コックの中に大きな異物は入っていきませんが、この車両では

コックの出口部にストレーナーがあるので、コックまでは異物が混入してしまいます。

たまには取り外して清掃点検を行った方が良さそうです。

錆取り準備開始。

タンクの錆取りには定番の「花咲かGタンククリーナー」を使います。

タンク上部の錆びも除去するためにはタンクを逆さまにして放置する必要がありますが、

そのためにはキャップ部を密閉しなければなりません。

当初は写真のようなゴム栓で密閉しようと考えていたのですが、

CLのタンクにはキャップの爪を入れる切り欠きがあるので使えません。そこで、

購入してきた厚さ3mmのゴムシート。

これで密閉します。

密閉のリハーサル。

ゴムシートを乗せてから木片で押さえ、荷造り用のバンドで縛って密閉させます。

タンクの角には念のために養生テープを貼っておきます。

タンクのキャップをそのまま使えば良いんじゃないの?と思った方、

残念ですが使えません。タンクのキャップには空気抜きのための小さな穴が開いているのです。

(以下作業中)

準備品。

錆取りにはファクトリーミルウォーキーの「花咲かG」を使います。

15年以上前、当時所有していたZXR250のタンクの錆取りに使って以来の使用です。

花咲かGを投入する前にタンク内を脱脂する必要がありますが、

今回はマジックリンを使ってみます。中性洗剤よりも強力なので。

作業開始。

お湯が使えるお風呂場で作業です。

まずは脱脂洗浄です。マジックリンとお湯を入れてタンクを振って洗浄してすすぎます。

数回繰り返してガソリン臭いがほとんど消えれば完了です。

花咲かGの希釈。

今回は10倍にお湯で希釈します。

燃料コックの取付け。

花咲かGでタンクを満たして放置するために、一旦燃料コックを取付けます。

注入。

液が触れないと錆が除去出来ないので、目一杯入れます。

密閉。

注入完了したのでリハーサルしておいた方法で密閉します。

姿勢変更その1。

どうしても内部に空気は残ってしまうので、まんべんなく錆を落とすために

処理途中で時々タンクの姿勢を変更します。

姿勢変更その2。

洗浄。

約24時間放置後、花咲かGを抜いて水ですすぎ、取れた錆を排出します。

放置時間は錆の状況を確認しながら調整しましょう。

仕上げ作業。

水で錆を排出したら仕上げ作業です。

最初に希釈した花咲かGは少し保存しておきます。

それをここで入れて再び密閉後、タンクを回して内壁を濡らします。

この作業で防錆皮膜が作られます。

乾燥。

水分を完全に乾燥させます。

ちょうど冬でファンヒータがあるので利用しました。

ドライヤーや布団乾燥機を使う人もいるようですが、

乾燥すればどんな方法でも良いでしょう。

内部をライトで照らして確認すると、錆が完全に除去出来て・・・いませんでした。

よーく確認すると、底の鋼板を溶接している部分にしつこい錆びが残っていました・・・。

24時間放置では取り切れなかったようです。

錆は特に左側の下の部分に残っています。サイドスタンドを使用すると当然左側に傾くわけで、

左側に溜まった水が錆の原因になったのかもしれません。

錆が残っているとそこから再び拡がりやすいため、再処理をして完全に除去することにします。

しかし、錆を取れば取るほど鋼板は薄くなるので、穴が開いてしまうかもしれません。

昔、ZXR250で錆取りをした後、乗っている最中に左足に冷たさを感じました。

タンクに穴が開いていてガソリンが漏れていたのでした。

この時は急いで家に帰り、2液混合のエポキシ接着剤で穴を塞ぎました

(その後数年乗っていてもガソリンは漏れなかったのでエポキシ接着剤は優秀です)。

こちらへ続く