CL125 その44 整流器・バッテリー

とりあえず最低限の走行可能なレベルになったCL125ですが、

試運転した結果、色々な問題が見つかりました。

その1つが発電回路で、エンジン回転数を上げても十分な電圧に上昇しません。

そこで構成要素を1つずつチェックしていくことにします。

発電回路の構成とチェック項目は次のようなところです。

ジェネレーターのコイルに損傷はないか?

コイルからコネクターまでの配線に損傷はないか?

コネクターの接触は確実か?

コネクターから整流器までの配線に損傷はないか?

整流器の機能は正常か?

整流器からバッテリーまでの配線に損傷はないか?

バッテリーは正常か?

現状。

エンジン回転数を上げても5.8V以上には上がりません。

バッテリーの開放電圧以上がかからないと充電されないわけで、

これではバッテリーの電力を使うばかりです。

ところで、空吹かしで充電電圧をチェックしていたのですが、

マフラーからうっすら白煙が出てます・・・。オイル上がりか下がりのいずれかでしょう。

エンジンを分解しなければなりませんが、必要なガスケットやシール類が入手出来るかが心配です。

クラッチ操作がスムースでないこともあって左側のクランクケースカバーを外して点検しましたが、

ジェネレーターのコイルに問題はありませんでした。

そこで次に問題がありそうなのは、旧車の代名詞とも言えるセレン整流器です。

Webで調べたところ経年劣化で結構故障するようです。

また、サービスマニュアルにはエンジンが回っているときにバッテリーを外すと故障すると記載してあります。

これは素子の耐電圧が低いためで、定電圧化を担っているバッテリーが無いと、

印加される電圧が上がってしまうためです。

ということは、バッテリーの補水をサボって機能低下しても故障しそうです。

そこで、信頼性の高いシリコンダイオードに置き換えてしまいます。

準備したブリッジダイオードとヒートシンク。

ブリッジダイオードの定格は100V25Aなので余裕は十分あります。

ヒートシンクは厳密には損失を計算してサイズを選定しなければなりませんが、

いったん元々のセレン整流器と同程度のサイズの物を選定。

多分大丈夫だと思いますが、触れないほど熱くなるようならばもっと大きい物に変更することにします。

ヒートシンクの穴開け。

ケガいてからドリルで穴を開け、面取りカッターで面取りします。

面取りカッターはビビリやすいので低回転で使用します。

ブリッジダイオードへの半田付け。

熱収縮チューブで絶縁。

回路図によるとここでフレームアースされているので、

マイナスには丸端子を取付けてステーに共締めしてアースへ落とします。

ハーネスへのコネクターの取り付け。

端子を圧着して、コネクターに挿入します。

ハーネスとヒートシンクの固定。

ヒートシンクにはあらかじめ結束バンドを通すための穴を開けておきました。

ハーネスの途中を結束バンドで固定することによって、半田付け部にストレスがかからないようにします。

もっとも、そもそもハーネスが引っ張られるような取り回しは避けますが。

完成。

ハーネスは元々のセレン整流器と同じ長さにしてあります。

ステーの移植。

L字型のステーも移植しました。

あとは車体へ取付けてからエンジンを回して、充電電圧がきちんと出るかどうかで最終チェックしましょう。

バッテリーもくたびれているようなので交換することにしました。

購入したバッテリー。

信頼の古川電池製です。

バッテリー液の注入。

キャップを外し、希硫酸のバッテリー液を上限まで注入します。

中身は結構見えにくいので、上限に合わせるのがちょっと面倒です。

電圧チェック。

6.19Vでした。このまま使えなくもないですが、

取扱説明書によると製造から1年以上経過している場合は充電して下さい、

とのことなので充電することにしました。

現在は2015年ですが、2013年製造でした。

充電。

充電器が6Vバッテリーに対応していて良かった。

再度電圧チェック。

6.35Vと、少しですが上昇しました。

これで整流器とバッテリーは準備ができました。

左側のクランクケースカバーを復元すれば正しく充電されるはずです。