CL125 その52 ステアリングステム・フロントフォーク点検

直進していても、ハンドルを気持ち右にあてています。

フレームが曲がっているのか、フォークやステムが曲がっているのか?

取付け直しだけで直ると良いのですが・・・。

また、ステムの動きも悪く、自然に曲がらないので分解点検してみます。

フォークは錆び錆び、ステムベアリングはグリスがなくカラカラ、

と推測しますがどうでしょうか???

分解開始。

一旦走行可能な状態に戻っていましたが、再び分解です。

構造が単純なので簡単ですが。

ステム。

スムースに回りません。摩擦を感じます。

ステムの抜き取り。

ボールがばらけるのでトレーで受けておいて分解します。

アッパーレースの状態。

グリスなんて入ってないと想像していたのですが入っていました。

ただし相当古く熟成?しています。

清掃後。

ボールを磁石で回収し、古いグリスを拭き取りました。

予想通り打痕になってしまっています。

ですがもっとボコボコの錆び錆びを想像していたのでちょっと意外。

ロワーレース。

これは清掃中の写真です。

なんだか黒い異物が付着しています。どうやら塗料の破片のようです。

この車両、中途半端にレストアされた履歴があり、フレーム全体も塗装されています。

想像するに、塗装の時のマスキングが不十分で、レースに塗料が付着したのではないかと思われます。

これではステムがスムースに回らずハンドリングがおかしくなるわけです。

アンダーブラケット(三つ叉)からのハンドルロックキーシリンダー取り外し。

ヤフオクで購入した物と交換しますが、キーが無いので簡単には取り外しが出来ません。

ここのキーはメインキーと異なってしまっていて、付属もしていなかったそうなのです。

しかし、

取り外し成功。

はっきり言って単純な構造なのでキー無しでも取り外しが出来てしまいました。

構造を理解している器用な人なら壊さずに取り外し出来るでしょう。

アンダーブラケットのステムシャフト下側。

オイルシールとワッシャーが入っていますが、ワッシャーが変形していました。

修正しておきますが一体何でこんなところが変形したんでしょうか?

アンダーブラケット比較。

左がヤフオクで購入した物、右が元々ついていた物。どちらを使おうか悩みます。

本来であれば測定を行ったうえで曲がりが無い、あるいは小さい方を使うべきなのですが、

簡単には測定できません。手持ちの他車種のサービスマニュアルを何冊か参照してみましたが、

この測定を解説しているものはありませんでした。

仕方ないのでベアリングレースの程度が良い方を選択。

上側のレースも程度の良い物を選択。

トップブリッジのハンドルクランプのボルト穴修正。

引っ掛かりがあったので、タップを通しておきます。

相手は柔らかいアルミ製ですが、切削油を付けた方が良いでしょう。

ネジ山がむしれたりするトラブルを避けられます。

ハンドルロックキーシリンダー取付け。

薄くグリスを塗ってアンダーブラケットに挿入します。

カバーの取付け。

錆の酷かったビスは新品に交換。

下準備完了。

フロントフォーク。

次はフロントフォークの点検です。

ブーツは純正品ではないようです。

インナーチューブ。

酷い錆です。

拡大。

よくもまあこんなに錆びたもんです。

摺動部の錆はここと比較すると軽いですが、オイルシールを傷付けるのに十分です。

インナーチューブがこの状態ではオイルシールを交換してもすぐにオイル漏れが再発してしまいます。

オイルシール部。

錆びで埋まっています。

この中にスナップリングがあるのですが完全に埋まっています。

フォークの曲がり測定。

簡易的にスケールをあてて測定してみたところ、やはり少し曲がっていました。

おそらく0.5mm前後曲がっています。

本来はインナーチューブ単体に分解してダイアルゲージで測定するのですが、

大きな曲がりであればこの方法でチェックできます。

曲がりの修正も含め、再メッキ・研磨を専門業者に依頼すれば修理可能かもしれませんが、

納期の問題もあるので今回は目をつぶります。

不本意ですけど・・・。