クランクケースを組立てます。
メネジの清掃。
組立て前の下準備として、全てのメネジにタップを通して清掃します。
ムシレを防ぐために切削油をつけて作業します。
タップの駆動。
能率アップのため、電動ドリルでタップを駆動して作業しました。
メネジに対してタップを垂直に保持するために、
タップとドリルの間にユニバーサルジョイントを挿入しています。
オイルシールの挿入。
これはシフトドラムの端部が貫通する部分です。
ニュートラルスイッチがケースの外側にあるので、シフトドラムの端部が露出しているのです。
シフトドラムの開口部の面取り。
シフトドラムは中空になっていて開口部があります。
開口部のエッジは面取りされていなかったので、リューターで面取りしておきます。
今さらシフトフォークの引っ掛かりの原因にはならないと思いますが、
気持ち悪いので面取りしておきます。
シフトドラム・フォークの組込み。
アッパーケースに中身を組込んでいきます。
シフトフォークにシフトドラムを通し、ピンを入れて大型のベータピンで留めます。
塗っているのはレッドラインのアッセンブリールブです。
シフトドラム端部。
オイルシールのリップがめくれたりしていないことを確認します。
シフトドラムストッパーピンの組込み。
ミッション組込み準備。
ベアリングリテーナー、メタルの位置決めピンを組込みます。
ミッションの動作確認。
ミッションを載せ、実際にシフト動作をさせて問題がないか確認します。
キックシャフトの組込み。
ケース合わせ面へのノックピン組込み。
元々のノックピンは酷く錆びていて再利用出来なかったので、新品に交換します。
フィリピン製でした。
クランクシャフト搭載。
これで全ての中身が載りました。
仮組み。
一旦ロワーケースを載せて、上下ケースがピタリと合わさることを確認します。
合わせ面のカエリ確認。
仮組み確認後、一旦ミッションやクランクを取り除き、本組みの準備をします。
合わせ面にカエリがないか、砥石を当てて確認します。
脱脂。
液体ガスケットでシールするため、合わせ面をアセトンで脱脂します。
液体ガスケットの塗布。
合わせ面にスリーボンドの1215を薄く塗ります。
オイルシールの組込み。
これはカウンターシャフトの端部です。
クラッチのプッシュロッドが貫通します。
アウトプットシャフトへのオイルシールの組込み。
シャフトのスプロケ固定プレートが入る溝の角が尖っていました。
そのままオイルシールを挿入すると、オイルシールのリップを傷めてしまいそうだったので、
ビニール袋を被せてから挿入しています。
倒立フォークにオイルシールを組込む時にもよく使う方法です。
ケース結合前の最終確認。
忘れ物がないか、しっかり確認します。
ロワーケースへのオイルセパレーター組込み。
ロワーケース搭載。
締結ボルトへのスレッドコンパウンド塗布。
塗布は筆付きのボトルが便利です。
ボルトのセット。
トラブル発生。
ボルトは錆の酷い物もあったので、全て新品に交換したのですが、
そのうちの4本の長さが間違っていました。
本来の長さより5mm長いものが納入されていました。
左が元々の物、右が新品です。
仕方がないので、元々のボルトを使用。
アッパーケース側からのボルトの挿入。
ほとんどのボルトはロワーケース側から挿入されますが、
2本だけはアッパーケース側から挿入します。
締め付け。
トルクレンチを使って内側から外側へ、
少しずつ締め付けます。
上下クランクケースの組立て完了。
次はシフターやクラッチを組み付けていきます。