依頼していたシリンダーとシリンダーヘッドの加工が完了しました。
さて、これで腰上を組立てられる、と思っていたら問題発生です。
内燃機加工業者から返送されてきたシリンダーとシリンダーヘッド。
仕上がりを確認しましょう。
シリンダー。
0.5mmオーバーサイズピストンに合わせてボーリングしてもらいました。
内面。
クロスハッチが美しいです。
ピストンとシリンダーのクリアランス測定。
大径のマイクロメーターやシリンダーゲージは持ち合わせていないので、
シクネスゲージで測定します。
指定通りの0.03mm前後になっていました。
合格。
シリンダーヘッド。
次はシリンダーヘッドについて確認します。
ステムシール。
当初、入手できたCB125K5のステムシールを流用するつもりでした。
しかし、Ape50用のステムシールが流用できるとのことだったので、用意してもらいました。
将来的に交換が必要になった場合の入手のしやすさ、
おそらく向上しているであろう耐久性を考慮しました。
ヘッド面。
傷・歪み取りを目的に、0.5mmの面研を依頼しました。
一般的に、「面研」と呼ばれる作業は、フライス盤で切削して行われます。
しかし、依頼した業者では平面研削盤を使用して砥石で研磨しています。
砥石での加工の方が、少ない取り代で高精度に仕上げられるので理想的です。
バルブシート。
カット、摺り合わせを依頼しました。
製作、圧入してもらったバルブガイド。
元々、CL125のバルブガイドのステムシールは排気側にしかありません。
しかもそのステムシールは部品入手ができませんでした。
そこで、吸気側、排気側両方のバルブガイドを新たに製作してもらい、
ステムシールを装着出来るようにしました。
・・・しかし、問題発生。
違う、そうじゃないんだ。
製作・圧入されたバルブガイド。
前述のApe50用のステムシールが装着できる形状で製作してもらいました。
製作の参考に業者に送付していたCB125K5のバルブガイド。
今回製作・圧入してもらったバルブガイドは、兄弟車であるCB125K5の
それを参考に製作してもらいました。
吸気側2個、排気側2個が入手出来ればそのまま入れ替えだけで済んだのですが、
入手出来たのは吸気側の1個だけだったのです。
左はインナーバルブスプリング。
何が問題かの図解。
製作してもらったバルブガイドには、
インナーバルブスプリングの受けとなる段差がありません。
これでは右図のように、インナーバルブスプリングが偏芯して、
ステムシールやアウターバルブスプリングと干渉してしまいます。
本来は左図のようでなければいけません。
インナーバルブスプリングの実際のセット状態。
図解と同じようにセット位置が偏芯してしまいます。
このままでは組立てを行うわけにはいきません。
製作し直し依頼のメールを業者に発信しましたが、既に盆休みに入ってしまっていました。
盆休み中にエンジンの組立てを完了させたかったのですが残念。
心配なのは再度バルブガイドを入れ替えると、再度バルブシートカットが必要になってしまう点です。
バルブシートを削る作業なので、あまり何度も行えるわけではありません。
また、バルブシートの入れ替え時はヘッドを加熱します。
歪みが出てしまうと、実施済みの面研が無駄になってしまう可能性もあります。
これもまたさらに削る作業になってしまいます。
有名な加工業者なので、油断していましたが、
図面を描いて依頼すべきだったのかもしれません。
旋盤があれば、バルブガイドを製作して入れ替え・シートカットのみを依頼したんですけどね。
私、国家技能検定資格ではなく社内資格ですが、旋盤2級の資格を持っています。
また、機械保全の仕事を5年ほどしていたので、
その時は旋盤をブンブン回して部品を製作していたのです。
ガレージを建てたあかつきには旋盤を導入しますか!