ピストンをコンロッドに組み付け、シリンダーも組みます。
クランクケースのシリンダー座面のチェック。
毎度毎度の作業ですが、カエリやバリがないかオイルストーンで
チェックします。
コンロッドへのピストンの組込み。
サークリップをクランクケース内に落とすと一大事です。
開口部はウエスなどで塞いでおいてから作業します。
ピストンの向きは、▲矢印を排気側に向けます。
サークリップの組込み部拡大。
サークリップの開口部は、ピン穴の切欠きとずらしておきます。
万が一外れたらエンジンブローするかも。
ノックピン組込み。
錆び・固着防止を目的に、スレッドコンパウンドを薄く塗布。
シリンダーベースガスケット組込み。
スタッドボルト。
腐蝕の酷かった1本は新品交換。
長さ違いで2種類あるので要注意。
スタッドボルトのセット。
スタッドボルトセッターでねじ込みます。
シリンダーの洗浄。
ボーリング加工時の切り粉が付着している可能性もあるので、洗浄しておきます。
加工後に洗浄されたようで、ほとんど切り粉は出ませんでした。
スリーブ下部のOリング組込み。
ここに限った話しではないですが、Oリングを軸状の部品に組込む時は、
オイルを少し塗ることでねじれを防ぎます。
シリンダー内面へのエンジンオイルの塗布。
ピストンの挿入を楽にすること、初期潤滑をすることを目的に、
内面に薄くエンジンオイルを塗っておきます。
シリンダー組込み前の最終確認。
チェック項目は以下。
しっかり確認しましょう。
ノックピンは入れたか?
シリンダーベースガスケットは入れたか?
ピストンの向きは良いか?(▲矢印が排気側)
ピストンピン固定のサークリップは入れたか?、合口位置は良いか?
ピストンリングの合口はそれぞれずれているか?
オイルリングのエキスパンダーリングの合口が重なっていないか?
ところで、ピストンリングの合口位置について。
それぞれをずらすようにサービスマニュアルに指示があります。
どのメーカーのどの車種でも同様です。
しかし、エンジンが稼働すると、リングそれぞれがバラバラに回転してずれていくので、
あまり意味はない。と、エンジンの研究室に所属していた友人から聞いたことがあります。
2ストと違ってリング位置を規制するピンがあるわけではないので、私もそう思います。
シリンダーの組込み。
ピストンリングを圧縮しつつ、慎重にシリンダーを下ろしていきます。
シリンダー組込み完了。
ピストンリングコンプレッサー無しでも、ゆっくり慎重に作業すれば組み込めますが、
有った方が楽です。
ヘッド組込み待ちになったエンジン。
早くヘッドが戻ってこないかなぁ。