日記に書きましたが、試走中にエンジンがロックしてしまいました・・・。
状況はこうです。
秋にしては気温は高めで25℃以上ありました。
交差点を曲がり、軽い登り坂の直線。
アクセルを大きめに開けて加速、十分な速度が得られたところでアクセルを少し戻しました。
次の瞬間、ガラガラ異音発生。
マズイ、と思ったさらに次の瞬間後輪がロック。
クラッチを切って惰性で走り、路肩で停車。
キックを下ろそうとしてもエンジンがロックしていて下りず。
やってしまった・・・。
原因を考えながら、自宅まで約1キロを押して帰りました。
疲れました・・・。
1番(左側)の燃焼室。
エンジンを下ろし、シリンダーヘッドを外したところ、
排気側のバルブがロックして開いたままになっていました。
ロックしたバルブの抜き取り。
バルブは固着していて、抜き取ろうとしてもビクともしません。
仕方ないのでピンポンチで叩き出します。
抜き取ったバルブ。
ステムが焼き付いてかじってしまっています。
ピストンに接触したため、曲がりもあります。
バルブガイド。
内側が荒れているだけでなく、微小なクラックも入っています。
交換が必要です。
プラグ。
真っ白けです。
燃調が薄かったようです。
プラグの状態をしっかりチェックしていなかったのがいけなかった。
ピストン。
バルブと接触した痕跡がありますが、幸い機能的な影響はありませんでした。
ピストンリング溝の変形はなく、ピストンリングはスムースに回ります。
外径の拡大もありません。
コンロッド、コンロッドベアリングにも異常なし。
不幸中の幸いです。
現代のエンジンと違って、肉厚の設計のために助かったのかも。
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曲がってしまったバルブは交換します。
バルブガイドについては、再び内燃機関加工業者に
製作と入れ替えを依頼しました。
バルブのあたり確認。
ここからは再組立てです。
バルブガイドを入れ替えたので、あたりを確認しておきます。
問題ありません。
バルブとバルブガイドのクリアランス確認。
ダイアルゲージをバルブに当ててクリアランスを測定します。
バルブが焼き付いた原因はいくつか考えられます。
一つはバルブとバルブガイドのクリアランスが小さすぎたことが原因と推測しました。
バルブガイドの製作と入れ替えを依頼した際、クリアランスは指定せず
おまかせで依頼をしたためです。
そこで今回の再加工依頼にあたっては、全てのバルブについて
クリアランスを確認、調整してもらいました。
値は、他のステムシール付きの車種なども参考に指定しました。
以下に記録として書いておきますが、参考にされる場合はくれぐれも自己責任で。
焼きついても知りません。
指定値:吸気側0.04mm 排気側0.06mm
測定値:#1 吸気側 0.04mm 排気側0.06mm
#2 吸気側 0.05mm 排気側0.06mm
シリンダーベースガスケットの製作。
シリンダーを引き抜いた際に破れてしまったので製作です。
順序にルールはありませんが、最初にシリンダーの入る穴をコンパスカッターで切り抜きました。
完成。
曲線ばさみや穴あけパンチも使用しました。
液体ガスケットの塗布。
組み立てに際して、カムチェーントンネル周辺は液体ガスケットを併用しました。
平面がきちんと出ていて、深い傷などがなければ、
ペーパーガスケットだけでもオイル漏れはそうそう発生しません。
しかし、前回の組立以降、ここから少しオイルがにじみ気味だったので、
液体ガスケットを併用することにしました。
このあたりは構造上面圧が低いせいかも。
カムチェーンのセット。
エンジンを横倒しにして行うと作業しやすいです。
液体ガスケットの塗布その2。
ここもオイル漏れしやすいようなので液体ガスケットを併用。
ポイントカバーガスケットの接着。
脱着時の作業性向上のため、カバー側に接着してしまうことにしました。
ポイント調整で頻繁に脱着するわけですが、
ここのガスケットは細く変形しやすく、位置が決まらず組み付けにくいので。
復元完了。
エンジンを車体に戻し、キャブやエキパイなども復元して元通りです。
エンジンをかけてみたところ、異音もなく一安心。
ふう。
次に、セッティングを見直します。
マフラーはノーマルですが、バッフルが抜かれてしまっているので
ノーマルのセッティングよりも濃いめに設定しなくちゃいけませんね。