といっても「かけ蕎麦」のことではなくて「賭け」なのだ。
数日前、ご近所のジムカーナ仲間で新年会をした。会場は自宅近く、南松本駅前の料理屋である。お通し、前菜のサラダから始まり、締めは寿司だった。思い返せば久しぶりのコース料理だなあ。
コロナ前は会社の飲み会でしばしばコース料理を食べて呑んでいたっけ。異動者の歓送迎会、退職者の激励会、忘年会など年に3、4回。コロナ渦になってからはそんな機会がめっきりなくなったから、順番に運ばれてくる料理に懐かしさを覚えたのだ。
新年会の中盤を過ぎたあたりだろうか、お蕎麦は当たり外れが大きい、とんでもなくヒドイ店もある、という話題になった。
最近はペースが落ちたけれど、数年前までは蕎麦を食べにバイクで頻繁に出掛けていた。日によっては蕎麦屋をハシゴすることもあったっけ。なので味音痴かも知れないけれど蕎麦についてはちょっと語りたい。
賭けとはどういうことか。これはライバルである「うどん」と比べるとわかりやすい。うどんも蕎麦もお互いをライバルとは思っていないかもしれないんだけど。ラーメンこそが真のライバルだと思っているかもしれない。
まずは値段。うどんは安い。安い素うどんなら店で食べても300~400円だろう。一方で蕎麦は最低でも600~700円位か。高い店なら1000円、1200円なんてとこも。うどんが世界中で大量生産される小麦粉が原料であるのと比べ、蕎麦粉の生産地や量は限られるから無理もないか。
蕎麦屋には「ウチは築100年の古民家を改修しまして!」なんていう凝った店舗がある。慈善事業じゃないから当然その改修費用も回収しなきゃならない。メニューが高くなるのも仕方ない。
そして味。おいしくないうどん、というものにはあまり出会ったことない。どの店でも最低でも60点、平均80点位は付けられるイメージ。
では蕎麦はというと、まれに50点以下のヒドイ味のそばを出す店に遭遇してしまうのである。コリャヒドイ、いつ打ったのよ、これならスーパーで300円の生蕎麦買ってきて自分で茹でて食べるわ!と言いたくなる店があるのだ。あの山の麓のあの店と、あの街道沿いのあの店ですよ。反省するよーに。
他県の方、長野県ならどこでも蕎麦が美味しいと思ったら大間違いですぜ。長野県民の一人としてお伝えしておきます。味にがっかりしても、運が悪かった、事故に遭ったと思ってめげずに他の店でチャレンジして下さい。
そして最後に量。出てきたうどんの量が少ない、ということはあまりない。ところが蕎麦はというと、えっ、これだけ?、ホントですか?、わんこそばですか?、後からもう1枚持ってきてくれるんだよね?(実際には持ってきてくれない)、ということがあるのだ。
これらが組み合わさった、高いしおいしくない、高いし少ない、という大外れな店に当たってしまうことがままあるので「賭け」なのだ。入ったことのないそば屋に入る時は「賭けに勝てますよーに、大外れを引きませんよーに」と期待と不安が入り混じった気持ちで戸を開ける。ガラガラ。
こんなくだらない?話をしながら2023年の新年会は無事終了したのであった。今年は賭けに勝てますように。
新年会の翌々日、木崎湖近くの蕎麦店にて。十割そば大盛1000円、きのこ汁300円。
賭けの結果は、勝ち。ごちそうさまでした、ホッ。
★★★★☆