コネクターをいじってみる

ZX-14Rには防水コネクタがたくさん使用されています。

ポジション灯への接続に使用されていたコネクタが気になったので同型の物を購入していじってみました。

購入したコネクタ。

住友のTS型というタイプで防水になっています。こちらから購入しました。

構成部品。

防水コネクタなので配線側からの水の浸入を防ぐための「ワイヤーシール」が付属しています。

また、コネクターの中央部に白い樹脂部品が飛び出ています。

「リテーナー」といって端子の不完全挿入を防ぐための部品だそうです。

リテーナーの詳しい説明は後ほど。

圧着してみます。

ワイヤーシールを通しておいて被覆を剥きます。

非防水のコネクタと違う点がここから。

芯線を圧着後にワイヤーシールの位置をずらして、

丸く圧着します。

端子への配線接続が完了です。

コネクタ本体に端子を挿入してみます。

端子挿入前のコネクタの状態。

リテーナーはまだ押し込まないでおきます。

(仮に押し込まれていると端子の挿入は出来ません)

わざと端子を不完全な挿入にした状態(赤色配線)。

この状態だとリテーナーは押し込めず出っ張っています。

出っ張っているため、相手のコネクターと勘合出来ず端子の不完全挿入が検知される仕組みです。

端子が完全に挿入されているとリテーナーを完全に押し込むことができて、

相手コネクターとの勘合も可能になります。

正面から。

リテーナーという機構を初めて知ったのですが、コネクターも進化していることを感じました。

車両の生産で怖いのは端子が中途半端な挿入なのに電気的には導通してしまっていて、

出荷時の検査で発見出来ない状態でしょう。

そのまま製品が市場に出てしまうと振動などで端子が抜けてきて接触不良に発展することもあると思われます。

大電流が流れるコネクターでは接触不良で発熱して焼損するかもしれません。

エンジンが突然止まってしまう恐れもあるでしょう。

このようなリテーナー機構があると中途半端な接続状態は回避できるので品質が向上するわけですな。

・・・仕事っぽいことを書いてしまいました・・・職業病ですね。