スナップリングの脱着

スナップリングについてのウンチクです。

スナップリングはミッションなどによく使われています。

サービスマニュアルを見ると、組立時は新品に交換すること、と書かれています。

ですが、もっとも重要なのは「脱着時に拡げすぎないこと」です。

ミッションに使用されているスナップリング。

必要以上に拡げすぎると、変形が戻らず、軸の締め付けが弱くなってしまいます。

すると、ズレたり外れやすくなってしまいます。

スプリングを手で引っ張って伸ばしても、ある程度なら元の長さに戻りますが、

伸ばしすぎると元の長さには戻らないのと同じです。

たとえ整備時に新品に交換したとしても、取り付け時に必要以上に拡げすぎてしまうと意味がありません。

脱着作業例。

リングは脱着に必要な最低限の大きさまで拡げます。

そしてプライヤーを握った手と反対側の手を添えて、

滑らすようにするとスムースに作業できます。

(写真ではカメラを持つ手が必要なので手は添えていませんが)

もう一つ大事な点は工具です。

脱着に使うプライヤーはしっかりした物を使いたいところです。

板金製で、先端部の交換によって穴用と軸用の両方のスナップリングに

使用できるように作られた工具が1000円未満で売られています。

しかし、スナップリングを拡げる力に負けて変形してしまい、非常に使いにくいです。

実は以前使っていた時期もあったのですが、あまりの使いにくさに捨てました。

現在使用しているスナップリングプライヤー。

私はKNIPEX製を主に使っていますが、一流工具メーカー製ならどのメーカーでも問題ないでしょう。