(編集中)
二輪車、四輪車を問わず、タイヤをホイールに組み込んだ後には、バランスをとる作業が一般的に行われます。
タイヤ、ホイールは回転するわけで、重さに偏りがあれば振動の原因になるためです。
私のZX-14Rのリアホイールに貼り付けられたバランスウエイト。
私の経験的には、10~30g位の貼り付けでバランスが取れることが多いように思います。
私は、バイクのタイヤ交換を自分で行っていますが、バランス取り作業は必ず行っています。
サービスマニュアルでも指示されています
(走行速度の低い原付や、オフロード車ではあまり行われないようですが)。
しかし、このバランス取り作業は、本当に必要なのでしょうか?
また、必要だとすればどの程度まで取れば良いのでしょうか?
走行速度によって異なるでしょうし、重さの偏りの程度によっても
振動の有無、強弱は変化しそうです。
ネット上で検索してみても、明確な情報は見つけられませんでした。
「飛ばさなきゃ不要」とか「サーキット走ってるけどバランス取りしてない」など色々です。
「必要」としていても、その根拠の理屈が明らかにおかしいものも多々あります。
そこで、実際に調べてみることにします。
バランスをとった状態ととれていない状態で実際に試走してみて比較します。
結論
結果
調査・実験方法
バイクメーカー各社のサービスマニュアルの記載
実際に試走して調べてみますが、下調べとして、数車種のサービスマニュアルではどのように
記載されているか調べてみました。
カワサキ ZX-14Rの場合
タイヤ交換後のバランス取りの指示あり。
10g以下のアンバランスであれば問題ない、と記載。
スズキ ハヤブサの場合
ZX-14Rの比較対象になるスズキのハヤブサのサービスマニュアルを参照してみました。
タイヤ交換後のバランス取りの指示あり。ただし具体的に何グラム以下にせよ、等の記載は見つからず。
ホンダCBR1000RRの場合
実走実験
現在は前後ともにバランスがとれている状態なので、
あえてウエイトを追加してアンバランス状態にして走ってチェックします。
ウエイトは前後同時に同じ重さを取り付けることにします。
速度は街乗りから高速道路まで、
重さは20、40、60gの各水準で試してみることにします。
うーむ、なんだか仕事みたいだぞ・・・。
0
x40km/hでも問題なし。
前後50gずつ。
x20km/h位から振動が気になりはじめ、x60km/h以上では振動が大きく、
それ以上加速するのが怖く感じる。
街乗りでは全く問題なし。
前後25gずつ。
x50km/h位から振動が気になりはじめ、x80km/h以上では振動が大きく、
それ以上加速するのが怖く感じる。
当然ながら、街乗りでは全く問題なし。
予測
街乗りでは100g位のアンバランスでも問題なさそう。
高速道路での走行では、50g位から、振動が出そう。
その時の振動は15ヘルツ位か?
時速100kmの走行では、タイヤの回転数は毎秒約15回転なので。
実験結果。
実験準備
実験の方法は、バランス取り済みのホイール・タイヤセットに、
ウエイトを取り付け、意図的にバランスを崩して試走してみることにしました。
準備として、バランスを今一度確認するとともに、ホイールベアリングなどにも問題がないことを確認しました。
数ヶ月前にタイヤ交換をし、その際にバランス取りも行ったので、バランスは取れているはずですが、
実験前の確認のために点検します。
リアホイール。
あらためてバランサーに乗せてみましたが、バランスはとれています。
特定の場所が下に向くことはありません。
逆に、最小重量の5gのウエイトを追加してみると、その場所が下になるように回転します。
ホイールベアリングの点検。
こちらも異常ありません。
スムースに回り、ガタやゴロツキもありません。
リアホイールについては、ドリブンスプロケットのベアリングも点検し、
異常がないことを確認しました。
ドリブンスプロケットを追加した状態での測定。
追加前と比較して変化はありませんでした。
スプロケット込みでもバランスはとれています。
点検完了後の取り付け。
ガタ取り後、ナットを規定トルクで締め付けます。
チェーンにも固着などは無く異常はありません。
テンションも適正。
フロントホイールの取り外し。
リアに引き続きフロントも点検します。
前に記事にしたことがありますが、ブレーキキャリパーは巾着袋に入れて吊り下げておくのがおすすめです。
傷が防止でき、ホースに余計な力が加わるのを防げます。
フロントホイールセットのバランスチェック。
こちらもリアと同様、バランスはとれています。
ベアリングも異常なし。
フォーク内側のお掃除。
直接関係の無い話ですが、フロントホイールを外す機会には入念にお掃除したい場所です。
インナーチューブの内側は汚れが付着しやすく、放置しておくと錆びが発生しやすくなります。
錆が発生すれば、オイルシールを傷めてオイル漏れの原因になります。
私の場合は、入念にお掃除した後、少しだけ油分を与えておくようにしています。
実験車両その2、R1-Z。