ダウエルピン(ノックピン)の抜き方

ダウエルピンの抜き方を紹介してみます。

ダウエルピンは、クランクケースやクラッチカバーなどの合わせ面に位置決めのために使用されています。

位置決めに使用されているので当然ですが、ピンと穴のクリアランスは小さく、

錆びが原因で固着していることも珍しくありません。

そこでここでは私の抜き方を紹介してみます。

固着して抜けなくなったダウエルピン。

これはR1-Zのクランクケース合わせ面に使用されているピンです。

ピンはスティール製なので、錆びると簡単に抜けません。

抜き取り方法の1つとして、プライヤーなどで掴んで回しながら外す、という方法があります。

そのままプライヤーで掴むとピンが潰れて逃げてしまうので、

あらかじめ内径にあった棒(ドリルなど)を差し込んでから掴みます。

ただしこの方法、下手をすると合わせ面を傷つけてしまいます。

そこで私は別の方法で取り外しています。

下準備。

固着したボルトを緩めるのと同様に、まずはラスペネなどの浸透潤滑剤を吹きます。

抜き取りに使うタップ。

ピンの内径に喰い込むサイズのタップを用意します。

タップには先端の角度違いで、先、中、上がありますが、先タップが食い込みやすくて良いと思います。

今回はM8サイズの先タップを使用しました。

タップをピン内側に喰いこませます。

ネジを切るのと同じように、タップを押し付けながら回して喰い込ませていきます。

ある程度タップが喰い込んでピンが回り始めたら、さらに回しながら引っ張り上げるようにします。

抜き取り完了。

無事に抜けました。

ピンを引っ張り上げる時に、タップがタップホルダーから外れないの?と思われる方もいるでしょう。

しかし、回しながら引っ張り上げると、意外に外れにくいのです。

ガッチガチに固着している場合は、外れてしまう場合もありますが。