その他

ここでは、項目として分けなかったその他細かい部分について書きます。

バイパススクリュー。

メインスロットルバルブを迂回(バイパス)する空気の量は、このスクリューで調整されます。

締め込むと空気の量が絞られます。

構成は、スプリング、ワッシャー、Oリングとの組み合わせで、キャブレターのパイロットスクリューと同じです。

バイパススクリューとパイロットスクリューの役割の違いは、調整するのが空気か混合気かの違いです。

バイパススクリューは空気の量だけを調整します。

対してパイロットスクリューは、混合気の量を調整します。

形状を比較すると、先端部の直径がかなり異なります。

Ninja250Rのこのバイパススクリューの先端直径は2mmでした。

一方、一般的なキャブレターのパイロットスクリューの先端直径は0.5~1mm程度でかなり尖っています。

私が解せないのは、ここのOリング単品での部品設定がされていないことです。

Ninja250Rでは、Oリングだけを購入することができません。

スクリュー、スプリング、ワッシャーのセットになってしまいます。

これは私のZX-14Rでも同じで、Oリング単品での部品設定がされていません。

分解整備時は基本的にこのOリングだけを交換すれば良いのに、なぜ単品での部品設定がないのか不思議でなりません。

カワサキでは全車種一律にOリング単品での部品設定がないのかと言うと、そうではないのがまた不思議です。

車種によって、例えばNinjaH2などではOリング単品で部品設定されています。

Oリング単品では100円もしませんが、セットだと1000~2000円程度です。

しかもそれが気筒数必要なので、4気筒だと結構な金額になってしまい、納得もできないのでした。

アイドリング回転数調整スクリュー。

この仕組みはキャブレターと同じです。

アイドリング時のスロットルバルブ開度を調整します。

ZX-14Rにはこれがありません。

代わりにアイドリング回転速度コントロールバルブアクチュエーターというバルブが装備されています。

スロットルバルブを迂回する空気量を自動調整するバルブです。

アイドリング回転数を自動的に一定に保ってくれるので調整しなくて済む反面、機構は複雑です。

ただでさえ狭いモノコックフレームとエンジン上部の隙間に位置しているので、プラグ交換時に邪魔なのでした。

スロットルボディ上部のニップル。

車載負圧センサーを接続するニップルは片側にだけあります。

それぞれにあるのは同調調整時にバキュームゲージを接続するニップルです。

詳しく見るとバキュームゲージを接続するニップルは、奥で穴径が小さく絞られています。

バキュームゲージ接続ニップルの断面。

切断し、断面が分かりやすいように赤く塗りました。

絞られている部分の穴径は0.5mmでした。

ここで絞られている理由が分かりません。

通常、このニップルはゴムキャップで塞がれています。

そのためここで穴径を絞っても、エンジン特性に影響を与えるとは考えにくいです。

では、同調調整時のためかと考えました。

同調調整時はバキュームゲージを接続します。

アナログ式のゲージを接続すると、その指針はエンジンの吸気脈動に合わせて激しく振動します。

絞ることで、それを緩和するためかと。

しかし、アナログ式のゲージには振動を防ぐための絞りが付属しているので、ここで絞る必要はありません。

ZX-14Rでは京浜ではなくミクニ製のスロットルボディが採用されていますが、絞られているのは同様でした。

他の疑問点も合わせて、設計者に尋ねてみたいです。

ニップルに貼りついた負圧センサーホースの残骸。

分解時、負圧センサーのホースを引き抜こうとしたのですが・・・、抜けません。

ホースをカッターで切りながら少しずつ外していった途中の写真がこれです。

ニップルとホースが一体になっていました。

ゴムの焼付け、という加工方法がありますが、そんな感じでした。

ホースがここまでひどくくっついていたのは初めてです。

ひょっとして、接着されていたのかも???

デリバリーパイプ。

本来は非分解ですが、これも分解してみました。

2部品になっていて、Oリングでシールされています。

このパイプ、材質は樹脂です。

パイプには、燃料ポンプで加圧された約0.3kPa(約3気圧)のガソリンの圧力が加わります。

破損や変形はガソリン漏れにつながり、車両火災の原因になるかもしれません。

その重要な部品を金属ではなく樹脂で作っているところに技術を感じます。

サブスロットルバルブコントロールアクチュエーター配線の結束バンド。

なぜこの写真を載せたか。

結束バンドの切断部が飛び出ていて危ないからです。

何度がこのHPのネタに書いていますが、結束バンドの切断部の飛び出しは意外に危ないのです。

整備中、うっかり手の甲などがこすれると、皮膚に切り傷をつくってしまいます。

切断部が危ないなら、切らないでそのままにしておけば良いんじゃない?、緩んだ時に締めなおせるし。

・・・それも危ないのです。

長く端部が飛び出ていると、目に接触しそうになります。

そんなことあるものか、とタカをくくっていた過去の私は、機械整備の職場でヒヤッとしたのでした。

結束バンドはしっかり締めて、切断部が飛び出ないように切りましょう。

この「その他」のページ、書き始めたら随分長く細かく、そしてクドい記事になってしまいました。

最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。