スロットルバルブ

エアクリーナーボックスからの空気は、スロットルバルブでその量を調整されます。

Ninja250Rのスロットルボディにはメインとサブ、2つのスロットルバルブがあります。

メインのスロットルバルブはワイヤーを介してアクセルで開閉されます。

キャブレターと同じです。

一方、サブのスロットルバルブはモーターで駆動され、その制御はECUで行われます。

サブスロットルバルブの取り外し。

バルブはシャフトにM3のビス1本で固定されています。

もしもビスが緩んで脱落すると、エンジンの燃焼室に入り込み致命的なダメージを与えてしまいます。

そんなことが起きないように、ビスの先端はカシメられています。

取り外したサブスロットルバルブ。

左側はエアクリーナボックス側が表、右側はエンジン側が表です。

茶色に汚れているのは、エアクリーナーからの空気にブローバイガスが含まれているためです。

ブローバイガスはエンジンのピストン外周から吹き抜けるガスです。

公害物質を含むので、大気開放せずにエアクリーナーボックスへ戻されます。

寸法測定。

汚れはキャブクリーナーで洗浄したので、材料のアルミ本来の色になりました。

寸法を測定した理由は、中央下側の丸い刻印の理由を知りたかったからです。

この部分、丸く刻印がされているだけで、別部品がはめ込まれているわけではありません。

私の推測になってしまいますが、組立て時の向きを示すための目印のようです。

ノギスで寸法を測って確認しましたが、刻印されている側、下半分のほうが径が大きめになっています。

上半分との寸法差は0.7mm前後でした。

刻印がないと簡単に上下の判別ができないので、誤って上下逆に組み立ててしまう恐れがあるかと。

丸い刻印が下側、バルブを正しい向きで組み付けた状態。

バルブを上下逆に組み付けようとした状態。

上側がスロットルボディと干渉してしまっています。

バルブシャフト。

スティール製で表面処理がされています。

表面処理は、PTFEや二硫化モリブデンのコーティングのようです。

スロットルボディとの摩擦を減らし、汚れの付着を防ぐ効果があります。

シャフトの支持部。

密閉性確保のためか、シールが組み込まれています。

シャフトの支持は、スロットルボディの穴での直接支持です。

次はメインスロットルバルブを見ていきます。

メインスロットルバルブの取り外し。

サブスロットルバルブはビス1本での固定でしたが、こちらは2本での固定です。

やはりビス先端は緩み止めのためにカシメられています。

プーリの取り外し。

プーリの左側に飛び出ているネジは、冷間時のアイドルアップ動作の回転数調整用です。

調整できなくはないですが、メーカーは触ってほしくないようです。

それを示す黄色のペイントがされています。

シャフト。

写真はボディから引き抜いた後、バルブを仮組みした状態です。

サブスロットルバルブのシャフトと同様、表面処理が施されています。

材質は黄銅製でした。

メインスロットルバルブ詳細。

全閉付近でのスロットルボディとの密閉性が肝のようで、外周は機械(旋削)加工されています。

中心の穴は、その加工時に固定用として使われていると推測。

スロットルボディ本体、メインスロットルバルブ取り付け部付近。

こちらも内壁は機械加工されています。

同じく機械加工されたメインスロットルバルブと組み合わせることで、密閉性を確保しているようです。

シャフト支持部

両端は接触シール形ベアリングで支持されています。

分解することで、整備の際に気をつけなければならない点が分かってきました。

別項目でまとめてみます。