スロットルバルブの開度、開いている量を検出してECUに伝える役目を担っているのが、
スロットルポジションセンサーです。
名前からすると複雑な仕組みを想像してしまいますが、原理はシンプルで可変抵抗器です。
スロットルバルブのシャフトに連結されていて、シャフトが回転すると抵抗値が変化します。
スロットルポジションセンサーのコネクター。
左がメイン、右がサブです。
同じ形状の防水型3ピンコネクターです。
取り外したセンサー。
センサーの取り付け穴は長穴になっていて、取り付け角度が調整できます。
しかしカワサキの場合は調整を推奨していないので、調整は避けた方が良いでしょう。
固定にトルクスネジが使われているのは、安易に触ってくれるなとのメーカーからの意思表示です。
シャフトとセンサーの接続部。
センサー内部にはねじりバネが入っていて、ガタ無く接続される仕組みです。
センサーのカバー取り外し。
接着(溶着?)されているので、小型のノコギリで外周を切りました。
写真は切断後に断面を整えた後です。
構成部品。
意外だったのは、抵抗がフィルム上に構成されていたことです。
オーディオ機器などに使われる可変抵抗器では、抵抗は円盤状になっています。
それと同じ仕組みを想像していたので意外だったのです。
抵抗と電極の位置関係。
バルブシャフトに連動した電極が抵抗に接触しながら移動します。
フィルム状の抵抗はケース外周内側に組み込まれています。
電極先端。
熊手のような形状です。
これも私にとっては意外でした。
可変抵抗器に限らず、接触しながら移動する電気接点の形状は、ソリのような形が一般的です。
そうでないと、引っ掛かったり、相手側を削ったりしてしまうかもしれないからです。
この形状で大丈夫なのか?と思ってしまいます。
大丈夫だから製品となって世に出ているわけですが。
一般的な可変抵抗器の分解写真。
これはバイクとは全く関係のない物で、近くの電子部品店で購入しました。
左上は外観です。
抵抗は円盤状で、その上をソリのような先端形状の電極が移動します。
スロットルポジションセンサーもこのような仕組みを想像していたので意外だったのです。
私が想像するに、一般的な可変抵抗器と異なる仕組みになっているのは、信頼性確保が影響しているのではと思います。
一般的な可変抵抗器は、長期間使用していると接触不良になることが少なくありません。
良いことではないのですが、オーディオのボリュームなどへの使用なら致命的にはなりません。
しかし、バイクの場合は走行不能になる恐れもあるので、それは困ります。
ましてや、振動や温度変化にも耐えなければなりません。
センサーを設計した方に、設計の意図を尋ねてみたいものです。