圧力センサー

2020/7/19作成

Ninja250Rのスロットルボディには、圧力センサー接続用のニップルがあります。

私がヤフオクで購入したスロットルボディには、圧力センサーは付いていませんでしたが、その中身は気になります。

そこでヤフオクで圧力センサー単体を落札して分解しました。

中身は予想と異なっていて、驚きがありました。

インジェクションのバイクには、多くのセンサーが使われています。

ECUはそれらのセンサーのデータを元に、インジェクターや点火プラグを制御しています。

圧力センサーはそれらのセンサーの1つで、エンジンの吸入負圧圧力を測定しています。

取り付けられている場所は、スロットルボディのエンジン側がほとんどですが、

エアクリーナーボックス側の圧力も測定しているモデルもあるようです。

入手した圧力センサー。

入手先は例によってヤフオクで、価格は257円でした。

三菱電機製で、型番は21176-0058です。

ZZ-R1400の物として出品されていましたが、カワサキの多くの車種で採用されています。

Ninja250Rのセンサーも同じ型番です。

裏側。

ホース接続ニップルがあります。

スロットルボディのニップルへ接続されます。

コネクター。

3ピンの防水コネクターです。

3ピンのうち、2ピンは5Vの電源供給に使われます。

残りの1ピンがセンサーの出力用で、圧力に比例した電圧が出力されます。

コネクター内側に小さな穴が開けられていますが、内部を大気開放するための穴でしょうか。

それでは分解してみます。

ケースは接着されているので、例によって外周を小型ノコギリで切ってしまいます。

ギコギコギコギコ、グリグリ、パカッ。

内部。

!!!

拡大。

上側の水色の正方形のチップが、圧力センサーの素子です。

下側にはICチップ2つが基板に直接実装されています。

COB(Chip On Board)実装と呼ぶらしい。

センサー素子、ICチップはボンディングワイヤー(極細の金線)で基板と接続されています。

驚きました。

黒い樹脂でモールドされたセンサーやICが入っていて、それらが基板に半田付けされているのを予想していたので。

センサー素子、ICとも、表面はブヨブヨしたゲル状の樹脂で覆われています。

ゲルは粘着質なので、ケース切断時の切粉が付着しています。

圧力センサーの素子。

正方形のチップの4隅に、ボンディングワイヤーが接続されています。

センサー素子さらに拡大。

ランダムな傷は、ゲルを取り除くときに出来たものです。

表面は4分割されていて、それぞれにワイヤーが接続されていました。

センサーについて詳しく調べるため、Webで三菱電機出願の特許公報を確認してみました。

何だか仕事みたいになってきた―。

シリコン板上にピエゾ抵抗(歪むと抵抗が変化)がブリッジ状に配置されているようです。

また、表面のゲル状の物はフッ素ゲルで、センサーをガスから守るためのようです。

取り出したセンサー素子。

接着を剥がして単体にしてみました。

下側はガラスでその上にシリコンの板が積層されています。

シリコンの板はダイアフラム状に薄くなっていて、圧力変化で変形します。

するとピエゾ抵抗の抵抗値が変化するので、それを元に圧力を演算出力します。

左は、大きさ比較のために並べたシャープペンシルの先端です。

老眼になってきている私には扱いづらい小ささ。

IC拡大。

こちらもゲルを取り除いてみました。

集積された回路パターンを見ることが出来ます。

凄い。

そうそう故障するものではなさそうですが、サービスマニュアルには点検方法が記載されています。

バキュームゲージとシリンジを接続して、負圧に応じた電圧が出力されるかを点検します。

構造を考えると、センサーの内部にケミカル類やコンプレッサーエアーを吹き込むのは

避けたほうが良さそうです。

そんなことは必要ないはずですし、しようとする人もいないとは思いますが。