電圧を変更できる電源を自作しました。
自作した理由は2つあります。
1つは最近、バイクの色々な電装部品の仕組みを調べたことです。
部品を実際に動作させるには、12Vや5Vを供給する必要があります。
今までは手持ちの適当なACアダプタなどを使っていました。
しかしそれでは電流不足だったり、ON/OFFがしにくかったりと何かと不便でした。
もう1つの理由は、子供の頃から作りたいと思っていたからです。
私、子供の頃から何かを作ったり直したりするのが大好きでした。
電気部品で作る「電子工作」も手がけていました。
その頃、電圧を変えられるしっかりした電源を作ってみたいなあ、と思っていたのです。
当時作ったのは5V固定のシンプルな電源に留まっていたのですが、
今回自作したような電源を作りたい、と思っていたのでした。
自作した電源。
出力電圧は1.25Vから18Vまで連続可変、出力電流は最大で1.5A程度です。
5Vと12Vは使う機会が多いので、ロータリースイッチでワンタッチで設定できるようにしました。
中央のLED表示器には電圧と電流が表示されます。
出力ターミナルは2組設けました。
市販の電源ではパネルに色々な表示が描かれていますが、これにはありません。
テプラなんかで印刷して貼ると逆に安っぽくなりそうなので、そのままです。
まあ、使うのは自分だけなのでなくても差し支えはありません。
文字入れしたほうが自作っぽくなくなってカッコ良いのですが。
ここからは簡単に製作記を書きます。
用意したケース。
このケース、タカチ電気工業というメーカーの物なのですが、
樹脂製の枠(コーナーガード)が付いていて、その色を選べます。
カワサキ乗りらしく、ライムグリーンを選んでみました。
赤、青、黄、オレンジなどもあるので、乗っているバイクメーカーのイメージカラーに合わせる?ことができます。
構造。
アルミ押し出し材の組み合わせです。
正面パネルの部品レイアウト検討。
部品の配置位置で失敗したくなかったので、同サイズのプラ板を加工して仮組みしました。
スイッチなんかは実際に配置して操作してみないと、使いやすい位置になりません。
パネルの穴あけ加工。
電動ドリルやハンドニブラー、組みヤスリなどを使用。
組立て。
ケースに機構部品を組み込み後、配線を半田付けしていきます。
抵抗やコンデンサーなどの小部品はラグ板上に実装しています。
配線完了。
カバーを閉めれば完成です。
後ろ側のヒートシンク、入手できた小型の物を暫定で取り付けています。
このままだと条件によっては放熱しきれず部品を壊してしまうので、そのうち大型の物に取り替えます。
使用例。
インジェクターの開弁電圧を調べてみました。
これはしばらく前に調べたNinja250Rの物です。
徐々に電圧を上げていくと、3.1Vで開き、その時の電流は0.22Aでした。
ガソリンの圧力がかかった状態だと、もっと高い電圧でないと開かないかも。
ちなみに12Vをかけた時の電流は0.8Aでした。
消費電力は約10Wになります。
10Wというと小さいように思えるかもしれません。
しかし小型の半田ごてには、この位の消費電力、発熱の物があります。
そのままにしておくとコイルが焼き切れてしまうかもしれません。
普通はそんなことはしませんし、必要もないはずですが。
今回自作したような電源、わざわざ自分で作らなくても、最近は安価な中国製の製品が購入可能です。
しかし、自分の欲しい仕様で作ることができたので良いのです。
長年の夢も叶いました。