やらかしていた事実はどうしようもないので、
分解を継続します。
クランクケース分割。
ボルトを順に緩めます。
それにしてもエンジン裏側はキッタナイです。
分割完了。
さて、中身のコンディションはどうでしょう???
「空き部屋」に溜まっていた気色悪い液体。
中途半端に密閉されているので水や汚れが溜まるようです。
マグネット取り付けテーパー部。
なぜかテーパー部に液体ガスケットが塗られていました。
こんなところに液体ガスケットを塗る必要は無いんですが。
どうりで簡単にマグネットが外れたわけです。
ここも以前にデタラメな整備をされたようです。
アウトプットシャフトオイルシール。
チェーンルブのせいで汚れていますが、ここからのオイル漏れはありませんでした。
ロワークランクケース。
サークリップが挟まった痕跡以外は異常無し。
スラッジも意外に少なかったです。
クランクシャフト右端。
予想通り、オイルシールは破損していました。
ミッションオイルを吸っていたようです。
クランクシャフト左端。
少し錆びたオイルで濡れていましたが、こちら側のオイルシールは無事でした。
シフトシャフト。
Web上でよく見かける例ですが、やはりオイルシール部が段付き磨耗していました。
また、先端のスプライン部も変形しています。
シフトリンクの締め付けボルトが緩んだままで乗っていたのが原因です。
(車両を入手した時にはボルトが緩んでいました)
クランクシャフト点検。
コンロッド小端部の振れが標準値を外れていましたが、その他は基準値内でした。
迷いましたが再使用することにします。
2014年1月の今現在、メーカー在庫のあるクランクシャフトAssyを購入して
交換してしまったほうが良いのかもしれませんが。
<測定結果メモ>
振れ フライホイール側 0.03mm、プライマリードライブギア側0.005mm
ウェブ幅 #1(L)56.00mm、#2(R)56.00mm、#1~2 168.00mm、左右ウェブ隙間 56.00mm、
コンロッド大端部スラストガタ #1(L)0.47mm、#2(R)0.46mm
コンロッド小端部フレ #1(L)0.95mm、#2(R)0.85mm
ちなみにセンターベアリングを支点に測定する場合は定盤は不要です。
写真のようにセンターベアリングを載せたVブロックにダイアルゲージを取り付ければ測定ができます。
下のVブロックはコンロッドが台に当たらないようにかさ上げするために入れています。
クランクシャフトの図。
クリックすると大きなサイズの図が表示されますので、測定される方は印刷して測定値を書き込むのにご活用下さい。
本当はPDFでアップしておけば良いのですがうまく出来ないのでJpegイメージです。
印刷時はレイアウトを調整して下さい。