R1-Z(その19・・・部品取りエンジン分解続き・・・エエエエエッ!!)

引き続き部品取りエンジンを分解していきます。

程度の良い部品があれば、元のエンジンの部品と合わせてニコイチにしよう、

・・・と思っていたらありえないことになってました。

スタッドボルト取り外し。

部品取りエンジンのクランクケースの方が腐食が少なく程度が良いので使うことにします。

サークリップの打痕も無いし・・・。

ただ、スタッドボルトは鋭いプライヤーの様な物で掴んだと思われる傷があるので交換することにします。

どうやら少なくとも腰上はオーバーホール歴有りのエンジンです。

ところがシリンダー固定のスタッドボルト1本がなかなか外れません。

ようやく外れました。ホッ。

最初はダブルナットだけで挑戦していましたが、ナットが空転してしまい緩みませんでした。

次はワコーズのラスペネをたっぷり吹きかけて一晩放置してみたもののやっぱり空転してしまいます。

最終的にはトーチで加熱した上でハンマーで衝撃を与えてようやく外れてくれました。

スタッドボルトの取り外しはボルトが折れる可能性があるのであまりやりたくない作業です。いつもヒヤヒヤします。

ダウェルピンも錆で固着していましたが、エキストラクターで外せました。

部品取りエンジンのシフトフォーク。

な、何でこんな酷いことに!?焼けて酷く段付き磨耗しています。

磨耗のガタのせいで「1KT」の刻印までギアに接触していました。

まあ、シフトフォークは元エンジンの物の程度が良くそのまま使えるので関係ないのですが。

ミッションオイル交換をよっぽどサボっていたのか、オイルが入っていなかったのか、それとも少なかったのか?

・・・この後で衝撃の原因が判明します。

右クランクケースカバー比較。

傷が小さい部品取りエンジンのカバー(右)を使うことにします。

がっ、信じられないことが!!

元エンジンの右クランクケースカバー内部。

ミッションオイルポンプの取り付け部付近です。

右下の大きい円の位置にストレーナーが付きます。

ストレーナーを通過したオイルはカバー内の横穴を通り(緑矢印)、

赤矢印の穴から出てオイルポンプへ吸われる仕組みです。

部品取りエンジンの同じ位置。

なんと、横穴が開いていない!!

つまり、オイルポンプがオイルを吸えず、ミッションへのオイル圧送がされていなかったのです。

そりゃー、シフトフォークも焼きつくわっ!!

ストレーナー側には穴は開いているので、どうやら加工時にドリルがオイルポンプ接続の

穴まで送られなかったようです。加工機の設定がおかしかったのかな?

ヤマハさん、これ不良品なので良品と交換して下さいw

加工後の検査(あったかどうか分かりませんが)もすり抜けてしまったのでしょう。

ミッションオイルが送られなくてもすぐにミッションなどが焼きつくわけではないので、

車体の出荷検査でも気づかれず市場に流出したわけですな。

いや~、装着前に気づいてよかった~。

サンエスK1で洗浄後、すすぐ時に片側から水を入れても出てこなかったので気づきました。

ほんと、キャブに限らず流路が貫通しているかの確認は大事ですね。

まあ、滅多にこんなことは無いんでしょうけど。

・・・思い出しました。以前乗っていたカワサキのZXR250で、

フレームの溶接し忘れ箇所があったこと。

自分はバイク運が良いんだか悪いんだか・・・。

ということで、右クランクケースカバーは元のエンジンの物を使うことにします。

ひょっとすると、あなたのR1-Zも同じようなことになっているかも(ボソッ)。