R1-Z(その23・・・腰下組み立て①)

シリンダーはボーリング加工に出していますが、

平行して腰下の組み立てを行います。

クランクケース。

全てのメネジにタップを通し、洗浄も済ませてあります。

合わせ面の点検。

合わせ面にカエリなどが無いかオイルストーンでチェックします。

仮組み。

使用するクランクケースは部品取りに購入したエンジンの物です。

前歴が分からず、歪んでいる可能性もあるので一旦仮組みしてみます。

仮組み完了。

クランクケース上下を締結しても各軸は軽く回ります。

歪みは無さそうです。

シフトシャフトのオイルシール組み込み。

クランクケース単体のうちに組んでしまった方が簡単です。

グリスの手助けで手の力だけで挿入できました。

シフトドラム組み込み。

シフト関係はミッションも含めて全て元エンジンの物を使いました。

シフトドラムを受けるクランクケース側のベアリングは特に異常が無いので交換しません。

シフトフォーク。

無傷、とはいえませんが磨耗は角だけでガタも少ないのでそのまま使います。

ちなみに全てメーカー販売終了です。

シフトドラムのストッパーの固定。

皿ネジにネジロック剤を塗布します。

シフトドラムの固定完了。

シフトフォークのシャフトも同時に固定されます。

シフトシャフト組み込み。

新品のシフトシャフトを組み込んで、偏芯軸で角度を調整します。

ロックナットを締めると偏芯軸も回ってしまうので何回か調整しながらベストの位置で固定します。

シフトシャフト新旧比較。

(左から)今回組み込んだ新品シャフト、元エンジンの物、部品取りエンジンの物、です。

新品シャフト以外はシフトリンクが付くセレーションが変形してしまっています。

シフトリンクの固定ボルトが緩んだままで乗っていて傷めてしまうようです。

どうもR1-Zのシフトリンクの固定ボルトは緩み易いようなので(この車両も入手した時は緩んでいた)、

ダブルナットかワイヤリングで緩み止めをしておこうと思います。

クランクケース合わせ面の脱脂。

液体ガスケットで確実にシールするためにケースの合わせ面をアセトンで完全に脱脂します。

クランクシャフトのフライホイール側。

オイルシール接触部が段付き磨耗してしまっていますがベアリングなどの程度は良いのでこのまま使います。

本当は交換がベストですが。

クランクシャフト、ミッションの組み込み。

クランクシャフト右側端部。

オイルシールとスペーサーを新品に交換です。

新品のオイルシールのフリクションが結構重いです。

クランクシャフト左側端部。

こちらもオイルシールを交換。

右側と同様にスペーサーが入っていればクランクシャフト自体が磨耗しないで済むんですが、

構造的に簡単には出来ないですね。

液体ガスケットの塗布。

スリーボンドの1215をアッパーケースに塗ります。

分解時に分かる通り、極々薄くで十分です。

この液体ガスケット、チューブに250gも入っています。

1回の使用量なんて微々たるものなのでエンジン100台分位はありそうですな。

クランクケース締結前の最終チェック。

クーラントラインのOリングの入れ忘れ、ベアリングの回り止めピンの位置、

オイルシールの位置などをチェックします。

締結。

サービスマニュアル指定のトルク、順番でボルトを締め付けます。

M6のボルトの内の3本にはクランプを共締めするのを忘れずに。

完成。

引き続きクラッチなどを組み込みます。