R1-Z(その24・・・腰下組み立て②)

腰下組み立ての続きです。

キック関係の部品の組み込み。

この写真を見て、「部品入れ忘れてるよ!」って思ったあなたは鋭い!

メインシャフトのワッシャーを入れ忘れてしました。

キックのアイドルギアを入れてからだと入れられないんですよね。

クラッチ組み込み。

クラッチハウジングは部品取りエンジンから、クラッチ板は元エンジンの物を使用しています。

部品取りエンジンのクラッチ板は焼けてしまっていました。

やはり潤滑がきちんとされていなかったのが原因のようです。

大気開放チューブのニップル取り付け。

エンジン分解前はこのニップルの目的が分からなかったのですが、

エンジン内の大気開放用なんですね。

ミッションオイルを分配するチューブ。

オイルポンプの動作を確認したかったので、透明チューブにしてみました。

耐久性はあまり無さそうなので、しばらくしたら黒色の耐油チューブに交換します。

これもエンジン分解前は目的が分からなかった部品の1つです。

ミッションオイル供給ラインの解説。

R1-Zはミッションオイル圧送用のポンプを持っています。

ポンプから圧送されたオイルは、アッパークランクケースの供給口を通り、

エンジン後端にあるタンクに溜められます(四角部)。

このタンクの容量は目測ですが200ml位あります。ミッションオイルのドレンボルトは2本ありますが、

後側のドレンボルトはこのタンクのドレンです。

タンクに溜まったオイルはメインシャフトとアウトプットシャフトの端面からシャフト内を通り、

ギアやシフトフォーク、クラッチなどを潤滑します。

タンクのオイルの一部はエンジン外側のチューブを通り(前の写真のチューブ)、

赤丸部付近に滴下されてギアを潤滑します。

ドライブスプロケット組み込み。

磨耗していたので新品に交換です。純正品なのでゴムダンパー付きです。

シリンダーのスタッドボルト組み込み。

スタッドボルトは傷んでいたので新品に交換です。

スレッドコンバウンドを塗っておきます。ねじ込みにはコーケンの

スタッドボルトセッター(右下)を使います。

スタッドボルト組み付け。

スタッドボルトセッターでスタッドボルトをねじ込みます。

スタッドボルトはセッター内部のボールに突き当たっているので、

ねじ込み完了後に逆回転させると簡単にセッターから緩みます。

ダブルナットをセットする必要が無いので作業が断然早いです。

スタッドボルトをたくさんねじ込む時にはお勧めの工具です。

スタッドボルトの状態。

左がねじ込み前、右がねじ込み後です。スタッドボルトにセッター内部のボールが接触した

凹みができます。元々のスタッドボルトにも同じ凹みがあるので、ヤマハの工場でも同じような工具で

組み立てが行われているようです。

ここで作業は一旦中断です。

ボーリング加工に出しているシリンダーとピストンが戻ってくるのを待ちます。

エンジンが抜けたフレームのお掃除などをすることにします。