R1-Z(その27・・・リアサス周り清掃点検)

エンジンを組んで乗せる前にリアサス周りの清掃点検をやってしまいたいと思います。

フレームにエンジンが無い方が作業がしやすいです。

またリアサス周りの作業はフレームをジャッキアップしておかなければならないので

エンジンが無い軽い状態の方が簡単で安全です。

フェンダーなどの取り外し。

フェンダー、Rブレーキなどを取り外します。

ちょっと面倒だったのが、リアキャリパーのホースを外す必要があったことです。

スイングアームとスタビライザーの間を通してキャリパーを抜くことができませんでした。

ハーネスの損傷。

メインハーネスも一旦外してしまいますが、クランプ箇所でハーネステープが

破れてしまっている箇所を見つけました。テープを巻きなおして修理するとともに、

クランプ箇所を一工夫して傷めないようにします。

外した部品。

分解途中の写真は撮り忘れてしまいましたが、ボルトの固着などもなく

すんなりと分解できました。リアショックユニットは真っ黒けです。

リアショックユニット拡大。

オイルのせいでありえないくらいぐらいデロデロに汚れてしまっています。

リアショックユニット自体からオイル漏れした可能性が高いですが、この車両は2ストオイルタンクのレベルセンサーからも

オイル漏れしているので2ストオイルの可能性もあります。一旦洗ってみます。

リアショックユニット洗浄。

あまりにも汚れがひどいので定番のパーツクリーナーではなくて

灯油で洗いました。パーツクリーナーでは何本必要になるか分かりませんね。

洗浄が終わったリアショックユニット。

きれいになりました。オイルが付着していたせいで錆びや腐食は

逆に少なかったです。今回は一旦このまま再利用します。

もしオイル漏れしているようであればオーバーホールに出します。

取り外したスイングアーム。

チェーンライン周辺がオイルで汚れているので掃除します。

スタビライザーがあるせいでチェーンは切断しないと分離できません。

チェーンはこのまま使うのでちょっと邪魔ですがこのまま掃除します。

スライダーは磨耗、変形しているので交換します。

リレーアーム(とヤマハでは呼ぶ)の洗浄。

内部のカラーを抜かずにそのまま洗浄します。

カラーを抜いてから洗浄すると内部のベアリングなどに汚れが入ってしまうので

分解せずにそのままの状態で洗浄しました。

カラーの状態。

傷は無く良い状態でした。ベアリングもスムーズに回ります。

シールもきちんと効いているのでグリスアップだけで再使用します。

ボルト、ナットの固着も無かったことを考えると過去に少なくとも1回はメンテナンスされているのかも。

グリスアップ。

リアサス周りは強い力がかかるので極圧に強いモリブデングリスを塗布します。

高速回転する部分にグリスを入れすぎると発熱などのトラブルの原因になるそうですが、

ここはそういうことは考えなくて良いのでたっぷり目にグリスアップします。

作業中の車体の状態。

写真のように前輪、サイドスタンド、パンタジャッキの3点で持ち上げています。

前輪は回らないようにブレーキレバーを廃チューブで縛ってあります。

エンジンが無い車体はすごく軽いのでサイドスタンドが曲がってしまう心配はありません。

ちなみに床の染みは2ストオイルをぶちまけた痕です(汗)。

チェーンスライダー。

磨耗していたので交換します。

組み立て。

元通りに組み立てますが、スイングアームを取り付けるときは

チェーンをエンジン側へ通しておくのを忘れずに。実は忘れました。

リンクの固定ボルトはタイヤを取り付けてジャッキを外した後で何回かストロークさせてから

本締めしました。効果のほどはわかりませんが、その方がねじれなく取り付けられるかなと。