ヤマハは車両販売終了後の部品供給継続を頑張ってくれているのですが、
さすがにR1-Zの部品も欠品が多くなってきています。
車両販売終了が1998年で、既に16年が経過しているため仕方ありません。
そこで、R1-Zは長く乗りたいと思っているのでスペアの中古エンジンを購入してしまうことにしました。
ただし、中古エンジン購入ははっきり言って博打です。
今回はヤフオクで、「R1-Z 実動エンジン、絶好調、走行少」走行12,000キロ、という物を落札してみましたが、
中身はどうでしょうか?鉄クズの恐れもあります。
届いたエンジン。
落札額37,000円 + 消費税2,960円 + 送料8,150円(高い!)。
以前別の業者からエンジンを購入した時の送料は1,750円だったんですけどね。
どちらも神奈川から長野までです。
開梱。
木枠かと思ったら段ボールを何枚も重ねた上に
載せてありました。
エンジン左側面。
じっくり観察してみます。
分かっていたことですが、ジェネレーターカバー、スプロケットカバー、
スプロケットは付属していません。別売りです。
R1-Zのエンジン購入で気を付けなければならない点として、
アッパークランクケースの欠けがあります(矢印部)。
このエンジンでは欠けていませんが、R1-Zのエンジンではよく見受けられます。
理由の1つは大口径のTM30キャブを装着時に、
キャブのフロートチャンバーの干渉回避のために削り取る必要があるためです。
しかし、削り取ったというより大きく欠けているタマも結構見かけます。
チェーンが切れて当たって欠ける、なんて話しもあるようですが、
そんなにチェーン切れって頻発してるんでしょうかね???
真相は分かりません。
YPVS駆動部。
本来付いているはずの外周の樹脂プーリが抜けて無くなってます。
YPVSのガタチェック。
1KT系エンジンはYPVSのジョイント部が摩耗してガタが出易いのが泣き所ですが、
このエンジンは大丈夫でした。
ガタが発生すると右側気筒のYPVSの動作角度が小さくなってしまいます。
エンジン右側。
2ストオイルポンプも別売りなので付いていません。
プラグ。
装着されていたのはイリジウムプラグでした。
2ストにイリジウムプラグはかぶりやすくなるので不向きらしい、
という説もありますが、実際はどうなんでしょうかね?
まあ、ノーマルプラグをマメに交換すれば十分だと思っているので
必要性を感じませんが。
排気ポートから見たピストン側面。
縦傷はありますが、焼き付いたり激しい摩耗はありませんでした。
クランキングもスムースです。
吸気ポートから見たコンロッド大端部。
錆び、焼けはありません。ベアリングのニードルにも光沢があります。
シクネスゲージで測定したところ、サイドクリアランスも標準値内でした。
部品がどの程度使えるかは分解して測定や観察をしないと最終的には
判断できませんが、現在のところ程度は悪く無さそうです。
外れクジではなさそうです。
次のステップは分解して部品単体で点検や測定をして、
部品が使えるかどうかを確認後に仮組みして保管することにします。
中古エンジンを購入する上で、クランクが使えるかは大きなポイントです。
浸水して錆びたクランクだろうと、オイル切れで焼き付いたクランクでも
始動だけなら出来てしまうことが多々あるので、「実働エンジン」という扱いで
販売されていることがありますが、とても使える代物ではありません。
中古エンジンを探す場合は、クランク大端部とピストン側面の状態を
参考に探すのが良いかと思います。
あくまで参考にしかなりませんけど。