R1-Z(その54・・・エンジン分解・・・前編)

しばらく前に、勢い?で購入してしまった中古エンジンを分解します。

現在、車体に載っているエンジンも好調ですが、

長く乗りたいと思っているので予備エンジンをストックしておくことにしたのでした。

交換が必要な部品は購入しておこうと思うので、分解してチェックすることにします。

分解開始。

腰上から分解することにします。

シリンダーヘッドの固定ナット近くには、締め付け時の順番が刻印されています。

今回は分解なので逆順(大きい番号順)で徐々に緩めていきます。

シリンダーヘッド取外し完了。

カーボンの堆積は少なめで状態は悪くありません。

シリンダー・ピストン側。

ピストンへのカーボン堆積も常識的なレベルで問題ありません。

YPVSジョイント部のガタのチェック。

左右のシリンダー間のジョイントを動かしてみて、ガタなく、かつスムースに動けば正常です。

このエンジンは大丈夫でした。

ただしシールから排気が吹き抜けているようでオイルで汚れています。

車体にエンジンが載ったままの状態でも、ガタのチェックは出来るので、

中古車を購入する場合はここをチェックすることをオススメします。

ガタがあると2番(右側)シリンダーのYPVSが十分に作動しません。

直すにはシリンダーを外し、ジョイントやYPVS関係の部品を交換する必要があるので、

すぐに数万円かかってしまいます。

YPVSジョイントの取外し。

ここは前輪の延長線上にあって、汚れが溜まりやすい場所です。

六角穴付きボルトの穴内の汚れを取り除き、レンチをしっかり挿してから緩めます。

ナメてしまうと一大事です。

取外したYPVSのジョイント。

チェックではガタは無かったわけですが、結構摩耗しています。

シリンダー固定ナット取外し。

YPVSのジョイントを外したら、シリンダーを外します。

シリンダー固定ナットを緩めますが、くれぐれもナットをナメないように

レンチをしっかりとかけます。

YPVSのジョイントと同様、左右シリンダー間は汚れが堆積しています。

レンチの掛かりが浅く、ナットの角をナメてしまったら、本当に一大事です。

シリンダーの取外し。

クランクケースに張り付いているので、周囲をプラハンで慎重に叩いて取外します。

1番(左側)シリンダーの取外し完了。

2番(右側)シリンダーの取外しも完了。

ピストンの取外し。

サークリップを外します。

今回は全バラなので、ケースへクリップが落ち込まないようにする養生はしませんでした。

ピストンピンの抜き取り。

自作ピストンピンプーラーをセットして、ピストンピンを抜き取ります。

ピストンの取外し完了。

前述しましたが、左右のシリンダー間には砂などの汚れが堆積しています。

なのでシリンダーを取外すとエンジン内に汚れが落ちてしまいます。

腰上だけの分解整備時は注意が必要です。

分解前にこの部分を狙って高圧洗車でもしておけば、多少は堆積した汚れを取り除けるでしょうか???

フライホイールの取外し。

ここからは腰下(クランクケース分割)に向けた作業です。

特殊工具でフライホイールを固定し、固定ナットを緩めます。

フライホイールの取外し。

プーラーをねじこんで、長めのレンチをかけます。

プーラーのネジ部にはカジリ防止のためにモリブデングリスを塗っておいた方が良いでしょう。

フライホイールの取外し完了。

ググっと力を込めていくと、バキッっとフライホイールが外れます。

テーパー勘合の結合力は強力です。

ジェネレーターコイル・ピックアップの取外し。

プラスネジで固定されていますが、スプリングワッシャー、さらに緩み止め剤塗布と、

これでもかと緩まないように締め付けられているので、インパクトドライバーで緩めます。

ここに限らず、エンジン内部で使われているプラスネジは、簡単に緩まないように対策がしてあります。

分解時はインパクトドライバーを使うことを強く勧めます。

取外し完了。

ネジ溝をナメることなく、無事に取外しできました。

コイルの状態も目視では問題無さそうです。

余談になりますが、こうやってホームページの記事を書いている中で、

ネジの呼び方を迷ってしまいます。

ネジ?ねじ?ビス?スクリュー?ボルト?