R1-Z(その56・・・シリンダーからのYPVSバルブ取外し)

シリンダーからYPVSのバルブを取外す方法を紹介してみます。

サービスマニュアルにも一応書かれてはいるのですが、

ほとんど参考にならない内容なので、分解時に困ってしまった方もいるかと思います。

TZR250(1KT)、TDR250なども作業方法は同じです。

クランクケースから取外したシリンダー。

これは左側です。

サービスマニュアルには「プーリ取付部をプライヤー等でつかんで傷をつけないこと。」

と書かれているだけで、具体的な外し方が載っていません。

作業開始。

まずは六角穴付きボルトに溜まった汚れを取り除き、レンチが確実に入るようにします。

このエンジンではシールから排気が吹き抜けていて、オイル汚れで真っ黒です。

バルブの左右固定ボルトを緩めます。

駆動プーリ取付け側(外側)はモンキースパナなどで押さえます。

ボルトは緩めるだけで、まだ抜きません。

バルブの抜き取り。

ボルトを10mmほど飛び出た状態まで緩めておいて、

ボルトの頭をプラハンで軽く叩いていきます。

抜けてきたバルブとガイド。

プラハンで叩いていると、反対側から抜けてきます。

Oリングが固着気味になっているので、事前にワコーズのラスペネなどの浸透潤滑剤を

吹いておくと良いでしょう(写真では使っていませんが)。

抜けたバルブとガイド。

左右分割のバルブの合わせ面に入る位置決めピンを紛失しないように。

反対側の抜き取り作業。

ガイド固定のプレートのボルトを外します。

プレートを外すと、ガイドの溝にマイナスドライバーなどを入れて、

こじって外したくなりますが、簡単には外れないはずです。

取外したプレートとボルト。

抜き取り。

反対側から適当な棒を入れて、叩いて抜き取ります。

傷をつけにくい樹脂製の棒やパイプを使用したほうが良いでしょう。

私は手元にあった塩ビパイプを使用しました。

抜き取った左側シリンダーのYPVSのバルブ。

カーボンが付着しているので、素手だと手が本当に真っ黒になってしまいます。

手袋を着用しての作業がおすすめです。

ここまでが左側シリンダーの作業です。

以降は右側シリンダーの作業です。

ガイド固定ボルトの取外し。

ボルトを外しただけでは、ガイドは簡単に抜けないはずです。

バルブの左右固定ボルトを緩めます。

塩ビパイプを排気ポートから入れておいてバルブの回り止めにします。

左側シリンダーと同じように反対側にモンキースパナなどをかけられれば良いのですが、

ガイドで蓋をされているのでこうするより方法がありません。

バルブの抜き取り。

左側シリンダーと同様に、バルブの左右固定ボルトを緩めておいてから、

プラハンで叩いて抜き取ります。

分解完了。

このエンジンのバルブやホルダーは摩耗が進んでいてガタが大きく、

バルブ部がシリンダーと干渉してしまっていました。

組立時は新品交換するべきです。

2015年12月現在のメーカー在庫を調べてみたところ、次の通りでした。

バルブ・・・左右とも購入可能、約1万円。

ホルダー・・・4種類中の1種類販売終了。1個約4,000円。

ホルダーが販売終了になったのは痛いです。

2013年頃にはまだ購入できたのですが、致し方ないですね。

1KT用はまだ在庫があるようですが、流用できるかは分かりません。