R1-Z(その66・・・色褪せたハンドルスイッチ部品を染める)2021/2

樹脂用染料を使い、色褪せたハンドルスイッチ部品の染色にチャレンジしました。

結果は、違和感なく色が付いて成功でした。

旧車乗りの方、染料は高くないですし、試してみてはいかがでしょう?

私のR1-Zは1990年式、製造から30年以上経っています。

私の手元に来たのは2013年ですが、それまではカバー無しの屋外保管期間が長かったようです。

そのため、ハンドルスイッチの樹脂製部品はすっかり色が褪せています。

左ハンドルスイッチ。

ホーンスイッチは元々赤色だったのです。

色褪せがひどいと、どうしてもみすぼらしく見えます。

そこで以前、塗装での色づけにチャレンジしました。

R1-Z(その33・・・ハンドルスイッチ部品の退色を修復する)

しかしそこはやはり塗装、剥がれます。

塗装の質感は、元々の樹脂表面の質感とは異なるので違和感もあります。

結局、塗装した部品はお蔵入りになりました。

それから数年はそのままでしたが、今年の正月過ぎの転倒の修理をきっかけに、

色褪せたスイッチが再び目にとまりました。

「塗装ではなくて、染めて色を付けられないかなあ。」

何となくWebで検索すると、良さそうな物がありました。

樹脂用染料SDNというもので、樹脂製部品を染められるらしい。

模型や玩具の他、バイクのウインカーレンズの染色をしている方もいました。

これを使えば、色褪せたハンドルスイッチの部品も復元できるかもしれない、早速購入です。

樹脂用染料SDN、赤色、814円也。

アマゾンで購入しました。

製造・販売元は大阪化成品株式会社。

赤色以外の製品もあります。

内容量は70g、水で5%に薄めて使います。

ボトル裏側。

素材別に温度と時間が細かく書かれています。

時間は染まり具合を確認しながら作業すれば、あまり気にしなくて良いように思うのですがどうでしょう。

それでは作業開始です。

ハンドルスイッチの取り外し。

ライトのレンズを取り外し、コネクターを外します。

簡単、簡単、左右で10分もかかりません。

フルカウルのZX-14Rと比べると拍子抜けする位簡単です。

取り外したハンドルスイッチ。

分解してスイッチの赤い樹脂部品を取り外します。

左側、ホーンスイッチ。

直射日光にさらされていた部分は激しく色褪せしています。

右側、キルスイッチ。

軸の両端がカシメられていて分解できません。

仕方ないので、

リューターでカシメ部を削って分解。

ハンドルスイッチには小さなボールやスプリングが使われています。

紛失すると復元できなくなってしまうので要注意。

染める部品。

ホーンスイッチ、パッシングスイッチ、キルスイッチ。

ここまで白くなるもんだと、感心しきり。

研磨。

白く色褪せた部分は、もろく粉っぽくなっているので削り取ってしまいます。

手元にあった田宮模型のフィニッシングペーパー(サンドペーパー)を使いました。

使った番手は600番と1000番です。

下ごしらえ完了。

テストサンプルとしてスイッチ部品以外も同時に染めてみます。

左側は先日カウル修理に使った厚さ4mmのABS樹脂板です。

右側は田宮模型製の厚さ2mmのプラ板です。

材質はプラモデルと同じスチロール樹脂とのこと。

染色液の調合。

指定通り水で20倍に薄めました。

容器の小型ボウルは以前に100均で買ったものです。

加温準備。

キャンプ用のガスコンロを使って、自室で作業します。

温めると変な臭いが拡がるらしいので、キッチンは避けました。

染色時の温度は、樹脂の種類別に指定されています。

スイッチの樹脂の種類は不明ですが、(勝手に)ABSだと想定しました。

ABSとはアクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの略らしいので、アクリル系?

そこで温度はアクリル系の指定温度70±10℃にしてみることにしました。

染色液の入ったボウルを直接火にかければ、あっという間に沸騰してしまいそうです。

火力をごく弱くできれば70℃に保てるかもしれませんが、ガスコンロでは火が消えてしまいます。

そこで、染色液の入ったボウルを湯煎するようにしたところ、これがうまくいきました。

温度変化が緩やかになり、うまく加減できました。

処理温度到達。

70℃を越えました。

部品を入れましょう。

・・・刺激臭ではないですが、変な臭いです。

窓を開けて作業続行。

染色中。

ワクワク!

約4分経過。

一旦引き上げて染まり具合を確認。

もう少し濃いほうが良さそうです。

再度投入しましょう。

合計約10分経過。

すっかり赤くなりました。

スイッチ部品以上にしっかり染まったのはABS板で、濃い赤になりました。

逆にあまり染まらなかったのは田宮のスチロール製プラ板です。

条件が合わないのかな???

断面観察。

ABS板を切断し、角は削ってみました。

染まっているのはあくまで表面で、内部へ染み込んで色がついているわけではないことが分かります。

ここからはハンドルスイッチの組立てです。

分解したウインカースイッチの接点部。

せっかくなのでお掃除しておきます。

数年前にお掃除したので状態は悪くありません。

軽く磨いてシリコングリスを少し塗って復元。

キルスイッチの軸。

カシメてあった部分を削って分解したので、そのままでは復元できません。

板金を面取りカッターで削り、軸をポンチで叩いてカシメ直しました。

組み立てた左ハンドルスイッチ。

ホーンスイッチは、白く文字入れしました。

文字の溝に塗料を入れた後、パーツクリーナーを染み込ませたペーパーウエスで拭き取りました。

ウインカースイッチノブも文字入れしましたが、こちらは乾燥後にサンドペーパーで表面を削りました。

劣化で表面に出来た細かなひび割れを取り除くのを兼ねました。

車体への取り付け完了。

左側。

右側。

・・・赤くしすぎたかも!?

枯れた周辺とマッチしないような気もします。

気持ち控えめの染め具合で良かったかもしれません。

それとここまで復元すると、スイッチボックスの文字が消えているのが気になります。

ヤフオクでシールが売られていますが、文字は本来はシールではないのでオリジナルとは異なってしまいます。

インスタントレタリングなら違和感なく仕上がるかもしれませんが、

クリアでも吹かないと簡単に削れてしまいそうです。

部品の染色、うまくいきました。

・・・たくさん余った染料はどうしよう?