さて、ようやく走れるレベルになってきたR1-Zですが、調子が今ひとつです。症状としては、
ボコつく、回転落ちが遅い→濃いかも?
高回転が続くとエンストする→燃料供給が滞っている?
キャブレターを中心に各部を今一度点検することにします。
ちなみに圧縮圧力を測ってみたところ、
#1(左)5.6kgf/cm、#2(右)5.1kgf/cmでした。
標準は7kgf/cm、使用限度5kgf/cmなのでだいぶ圧縮が低いです。
少なくとも腰上はそのうちオーバーホールしなければなりませんね。
実油面チェック。
高すぎです。オーバーフロー気味です。
サービスマニュアルによると、油面はフロート室との合わせ面から3~5mm下になければ
いけませんが、逆に3mmくらい上になってしまっています。
フロートバルブ(ニードルバルブ)。
キャブ清掃時に気にはなっていたのですが、わずかに段付き摩耗しています。
やはりこれ位でも段付き磨耗していると、オーバーフローの原因になるようです。
念のためフロートとセットで交換しますが、安くない部品なので困ってしまいます。
ニードル。
クリップ位置を確認したところ、上から4段目で標準値でした。
リードバルブのチェック。
両気筒共に密着していて問題なし。
クランク大端部のチェック(左側)
とりあえず焼けた痕跡などもなく問題無さそうです。
クランクケース底の混ガスの溜まりもわずかでした。
クランク大端部のチェック(右側)
こちらも問題無さそうです。
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キャブレターのニードルバルブ、バルブシート等を交換しますが、
メーカー純正ではなくキースター(岸田精密工業)製のキットを使用してみます。
安価な上に他のキャブ内の他の消耗品もセットになっています。
Webから注文しましたが、納期7~10日ということなので、部品交換の前に出来る作業を行っておきます。
ヤマハのスーパーキャブレタークリーナー(原液タイプ)。
既に同社のスプレーの泡タイプキャブレタークリーナーを使ってキャブの掃除をしているのですが、
今回はさらにこれに漬け置きしてみます。
漬け置き中。
ガソリンとスーパーキャブレタークリーナーを7:3で混合し、その中にキャブを漬けます。
半日ほど漬けてみましたが既に汚れがほとんど無かったようで
ほとんど液に汚れは出ませんでした。
このクリーナー、強力です。
キャブレターその物も侵すので、半日間も浸けるのは危険かもしれません。
状況を見ながら浸ける必要があります。
組み立て待ちのキャブレター。
キャブレタークリーナーをパーツクリーナーで洗い流した後、
中性洗剤で洗いつつ外側をボンスターやワイヤーブラシで磨いたので外観も綺麗になりました。
液ガスを塗布しての組み立て。
この写真の箇所、実は分解が推奨されておらず、トルクスネジで固定されています。
今回は分解して洗浄しましたが、新品のガスケットがヤマハから入手出来ない為、
ごく薄く液体ガスケットを塗って古いガスケットを継続して使用しました。
と、ここまでやったのですが、程度のもっと良さそうなキャブレターが安価で手に入ってしまったので
そちらを使うことにします。
うーむ、この元の車両、ボロ過ぎたかも。
代わりのキャブレター。
中身。
フロートチャンバーを開けてみると、写真のように
腐ったガソリンがたっぷり溜まっていました。
真鍮のジェット類も腐食されていますが、ボディ本体の腐食は目立ちません。
浸け置き洗浄後。
またもヤマハのキャブレタークリーナー原液タイプへ一昼夜漬け置き洗浄しました。
このヤマハのキャブレタークリーナー、全体を一気に洗浄する場合には便利ですが、
細かい流路の中の詰まりが必ずしも除去されるわけではありません。
実際、パワージェットの流路の詰まりは取れていませんでした。
スプレータイプのキャブレータークリーナーやエアーでの貫通・洗浄確認が不可欠です。