プラグの交換をします。
単気筒のオフ車なので簡単ですが、失敗すると大変なことになるので油断しないで作業します。
取り外したプラグ。
問題点が2つあります。
1つは先端がカーボンですすけて真っ黒なことです。
これは長期放置で汚れたキャブレーター、劣化したガソリンで走ってしまったことが原因かもしれません。
新品プラグ交換後に焼けをチェックすることにします。
もう1つの問題はガスケットがつぶれていなかったこと。
締め付けトルクが弱く、つぶれていませんでした。
ネジ山の状態から判断すると、幸い密閉は保たれていました。
新品プラグの取り付け。
まずは指先の力だけを使ってプラグをねじ込みます。
この車両のようにプラグを直接掴んで作業できれば手だけで、
奥まっていればプラグソケットを掴んでねじ込みます。
ねじ山が正しくかみ合っていれば、ガスケットが着座するまでスムースに入っていくはずです。
ちなみにプラグギャップは確認済みです。
間違っても力の入る長いハンドルなどを使って最初からねじ込んではいけません。
ねじ山がかみ合っていないことに気が付きにくく、斜めにねじ込んでしまう恐れがあります。
締め付け。
手で締まるところまで締めたら、ハンドルを使って本締めします。
トルクレンチを使わない場合は、手で締めて止まった位置から半回転、180度締め付けます。
これでガスケットが潰れて密閉されます。
新旧プラグの比較。
左は元々装着されていたプラグ、右は今回一度取り付けてから外してみたプラグです。
今回取り付けたプラグはガスケットが潰れています。
なお、一度取り付けたプラグをトルクレンチを使わずに再度取り付ける場合は、
手だけで締めて止まった位置から30度回転させて締めつけます。
すでにガスケットがつぶれているので、180度も回すと締めすぎになってしまいます。
締め付け方についてはNGKのホームページに詳しく載っていますので
作業される方は参照するとよいと思います。
また、プラグの外箱にも書いてあったりします↓
プラグの外箱の取り付け方説明イラスト。
①プラグギャップを確認
②手で止まるところまで締める
③ハンドルを使って締め付ける
③のイラストでは締め付け角度について2種類示されています。
ガスケットがなくテーパーになっているプラグでは1/16回転、
ガスケット付きのプラグでは1/2回転(180度)です。
国産バイクのプラグではほとんどがガスケット付きです。
ちなみに右は航空機には使用禁止を示すイラストです。
プラグキャップの取り付け。
プラグキャップをしっかりと差し込めば作業終了です。
以前にも記事にしたことがありますが、
プラグ交換は失敗すると大変なことになります。
プラグ穴のねじ山を痛めてしまうと最悪、
車種によってはエンジンを下ろし、シリンダーヘッドを取り外さなないと修理が出来ません。
昔、仲間とキャンプツーリングに行った時、友人のバイクがエンストばかりしていました。
おかしいと思ってチェックすると、プラグが斜めにねじ込まれてしまっていて、
奥まで入っていませんでした。
オーナー自身で作業したそうなのですが、
ねじ山が正しくかみあっていないのを無理にねじ込んでしまったようです。
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カムチェーンテンショナーの調整。
調整とは言っても簡単です。
まずはエンジンをかけてアイドリング状態にします。
次にシリンダー後方のテンショナーボルトを一旦緩めてから、再び締め付けるだけです。
メカノイズに変化があるかもと想像していましたが、変化はほとんどありませんでした。
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圧縮上死点合わせ。
タペットクリアランスの点検調整を行います。
ジェネレーターカバーのプラグを外してTレンチを入れ、
クランクを圧縮上死点に回します。
タペットカバーも外します。
タペットクリアランスの測定。
シクネスゲージを挿入して測定します。
標準値0.05±0.02mmに対し、吸気側、排気側共に0.06mm程度だったので
調整は必要ありませんでした。
タペットカバーのOリング交換。
弾力性の無くなっていたOリングは交換します。