エンジンの分解整備を行う際、古いガスケットを取り除く作業が必要です。
古いガスケットはカッチカチに硬くなっていて簡単に剥がれないので、
スクレーパーで地道に取り除くしかありません。
特にシリンダーとクランクケース間のガスケットは大変です。
今までKTCの短いスティール製スクレーパーを使用していましたが、
少し長い物を買い足したので、先端の研ぎ方も含めて紹介してみます。
ところで、ガスケットを軟らかくしてはがしやすくする、「ガスケットリムーバー」なるケミカルもありますが、
古く石のように固まったガスケットにはあまり効果がありません。
塗装も溶かしてしまうので、エンジン外側が塗装されている場合は使いにくいのが実態です。
KTC製の硬鋼刃スクレーパー。
これは今まで使用していた短いタイプです。
買い足した長いスクレーパー(写真下)。
刃の材質は今まで使用していたものと同じスティール製を選択しました。
KTCのスクレーパーは、サイズや材質の違いでラインナップが豊富です。
材質はSUS、超硬合金、セラミックなどもあります。
スクレーパーは刃物のようなものなので、摩耗してきたら研ぐ必要があります。
また、自分好みの先端形状に研いで変更する必要もあるのでスティール製を選択しています。
その点、超硬合金やセラミック製だと、基本的に研ぐことができません。
摩耗はあまりしないのでしょうが、研げないので使い捨てになってしまうのは残念です。
新品のスクレーパー先端。
四角いです。
横から。
実は先端は鋭い刃にはなっていません。
このままでは使いにくいので研ぎます。
先端の研ぎ出し。
オイルストーンで研ぎます。
研ぎ出し完了(先端形状が分かりにくいの赤い線を書き加えています)。
あくまで私のやり方ですが、先端に大きなRがつくようにします。
これによって、狙った場所にだけ刃が当てられます。
また、角は面取り気味に落とします。
こうすることで、不意に角が当たって面に傷を付けにくくできます。
紹介してみましたが、あくまで私の研ぎ方ですので、参考までに。
色々試行錯誤してみるのが良いかと思います。