日に日に寒くなるけれど、遠くまでもっと走りたい、まだ走れる。コロナも落ち着いてきているし。
以前から興味があった博物館、愛知県は名古屋市の「リニア・鉄道館」へ行くことにしました。JR東海が運営するリニアモーターカーや鉄道車両の博物館です。
せっかく名古屋まで行くのに博物館1館だけを訪れるのではもったいない。そこで「南極観測船ふじ」、「あいち航空ミュージアム」も訪れることにしました。「ふじ」は南極大陸までの人員、物資輸送にかつて使われていた船です。退役後の今は博物館として係留されています。あいち航空ミュージアムは県営名古屋空港に隣接する航空機の博物館です。
「リニア・鉄道館」、「南極観測船ふじ」、「あいち航空ミュージアム」、陸・海・空にまつわる博物館3つを訪れることになりました。
自宅出発時。
-1℃、寒い寒い。たくさん着込んで出発です。長野県内の気温は最高でも5℃前後、グリップヒーターを最高温度にして走り抜けました。
恵那峡SA。
往路の半分ほど走ったので休憩です。ここまで来るとだいぶ寒さもやわらぎます。長野と岐阜の県境の長大トンネル、恵那山トンネルを抜けた瞬間に気温が5℃近く上がりました。日本の屋根、長野県はやっぱり寒い。
リニア・鉄道館到着。
まずは「陸」にまつわる博物館です。自宅出発から3時間余りで到着。建物は新しく見えますが開館10周年とのこと。
蒸気機関車C62と新幹線試験電車300X。
入場してすぐに目に入るのがこれらの車両です。たたずむ黒、浮かび上がる白。
メインホール。
数々の車両が並びます。初代新幹線の右隣は昔の特急しなの。子供の頃に頻繁に眺めていた特急列車です。懐かしい。
新幹線のブレーキ。
台車が展示されていました。ブレーキはディスクブレーキで、バイクや車と違ってディスクは車輪に直付けです。キャリパーやパッドも巨大。作動は油圧?、それとも空圧?
初代新幹線の運転台。
私が注目したのはスイッチ。
スイッチ。
大振りなスイッチが並びます。今やあらゆる機器で主流になっているタッチパネルのスイッチよりも頼もしい。タッチパネルのスイッチのメリットは分かるのですが、操作の確実性や分かりやすさはやっぱりこういったスイッチでしょう。
機械好きをワクワクさせるのもこちらです。子供の頃、バスの運転席周りにずらりと並んだスイッチを興味深く眺めたっけ。宝石のような色と形の表示灯も好きでした。あれはドア開閉の表示灯だったっけ?伝わらなくてすみません。
初代新幹線の食堂車。
思い出しました。私が小学生だった頃、家族旅行で新幹線に乗ったときのことです。電車好きだった私は父と新幹線の車内を探検し、食堂車で一緒にトマトジュースを飲んだのです。懐かしくてちょっと泣けました。
超電導リニアシアター。
前方のスクリーンに時速500km走行時の映像が映し出されて速さを体験できる、という触れ込みです。ですが速さはあまり体感できず。映像だけでそれもトンネル内走行中のCGがほとんどなので無理も無いか。
「リニア・鉄道館」、名前の通りリニアのPR施設としてリニア関連の展示に力が入れられていました。しかし私が楽しめたのは「鉄道」の方でした。
リニア・鉄道館を後にして、次は「海」にまつわる博物館の南極観測船ふじへ向かいます。その前に昼食を食べましょう。
中華料理 二十番 港店。
本当は名古屋名物の味噌カツを食べたかった。しかし近場に店が見つかりません。けれどもうお腹が空いた。そこで通りがかりのこのお店に入りました。入るのに若干勇気がいる店構えですが空腹に後押しされました。
盛り合わせ定食。
味は普通も量は多め。満足でした。
この中華料理店の店名は「二十番」。地元松本には「餃子八番」という中華料理店があります。中華料理店の店名に番号が多いのはどうしてなんでしょう???
南極観測船ふじ。
昭和40年進水の古い船ですが綺麗に保たれています。素晴らしい。入館料300円を払って見学します。
調理室。
船内のあちこちには蝋人形が配置され、運用当時の様子が再現されています。これは食堂からのぞいた調理室です。
「咆える(南緯)40度、狂える50度、叫ぶ60度」、南極までの海についての船内説明より。南極に行くには大荒れの海域を通過しなければならないそうです。そんな中でもお腹は空きます。大揺れの船内での調理はさぞかし大変だったはず。
非常食料に添えられた説明書き。
万一の時はこの言葉に勇気付けられることでしょう、きっと。
運用当時が再現されたデスクの上。
フィルムの箱が懐かしい! 昔はティッシュペーパーの箱も大きかった。
一般乗組員用のベッド。
広い空間に2段と3段のベッドが設置されています。周りの柵は展示管理用に設けられたもののようです。この船が進水したのは昭和40年、さらには海上自衛隊所属の船です。一般乗組員の居住環境はなかなか厳しいものがありました。
現在運用中の観測船「しらせ(2代目)」ではきっと大きく改善されている、はず?
観測隊員の部屋。
観測船は南極まで観測隊員を乗せていきます。観測隊員は科学者などで自衛隊員ではなく、いうなれば船のお客さんです。なので乗組員である自衛隊員とは違って部屋が用意されていました。そうはいっても個室ではなく2人または4人部屋でしたが。
スクリューを駆動する推進電動機のタコメーター。
南極近くでは船を前後進させて氷を割りながら進んでいきます。そのためには頻繁にスクリューを逆転させなければなりません。そこでこの船では発電機の電力でモーターを回してスクリューを駆動していました。
南極観測船ふじ、船の仕組みに加えて乗船していた人々の様子なども知ることができて楽しめました。維持管理もきちんとされていて素晴らしい。私はこういった博物館や展示を好んで出掛けていますが、残念ながら維持管理が行き届いていない施設も少なくありません。
ナップス名古屋南店。
せっかく都会へ来たので、松本にはないバイク用品店に立ち寄ります。
バイク用品店に来るとワクワクしたものです、昔は。今はあまりそんな気持ちになりません。なぜなのか理由はいくつかありそうです。
1つ目は売っている物をほとんど知ってしまっているから。バイクに乗り始めてから四半世紀が経ち経験を積みました。
2つ目は通販の発達でほとんどの物を自宅にいながらにして買うことができるようになったから。通販なら車種ごとに設定されたマイナーなパーツなども買いやすい。価格も店頭販売より安かったりします。
購入したのは、破れ始めているR1-Z用のカバー、グリス、パンク修理用のスティックの3品でした。ブーツのフィッティングをしてサイズが合えば買おうかとも考えていたのですが、合いそうなサイズの在庫がなくそれは出来ず。残念。
この後は「陸」「海」に続いて「空」の博物館「あいち航空ミュージアム」へ、と思ったら時刻はもう4時半。航空ミュージアムの閉館は5時で入館は30分前までなのでもう間に合いません。残念ですが航空ミュージアム見学は次回にとっておくことにして帰路につきました。中部国際空港(セントレア)ではボーイング787の試作機が展示されているようなので、それと合わせて訪れるのも面白そうです。
ガイドパンフレット「名古屋周辺の産業博物館」。
リニア・鉄道館で配布されていた物です。名古屋周辺は地場産業である車や航空機のほか、珍しいところでは工作機械、陶磁器など多くの産業系の博物館があり、それらが案内されています。
このパンフレットには、まだ行っていない面白そうな博物館がいくつかありました。次はこれらに行ってみます。
ブラザーミュージアム
同社を代表する製品であるミシンを中心とした博物館。プリンターや工作機械なども。
トヨタ会館
トヨタ自動車の最新技術や新型車を展示。トヨタ関連の博物館ではトヨタ産業技術記念館、トヨタ博物館もあり(こちらは訪問済み)。
ミツカンミュージアム
酢づくりの歴史などを展示。にぎり寿司体験もできるとか。
バイクに乗っている方は機械などが好きな方も少なくないでしょう。名古屋周辺はそんな方の博物館巡りにお勧めです。