O2センサー交換
2023/6

 8の字。2本のパイロンを8の字を描くように走るジムカーナの基礎練習です。パイロンを回り、ガッと加速、すぐに減速してまたパイロンを回る。タイムを測るなら5往復、測らない場合は延々と8の字を描き続けます。

 この練習ばかりしているとどうなるか。気持ち悪くなってきてしまうのです、私。オエー、、、。

 2本のパイロンを回る方向はそれぞれ逆方向。なので目を回すわけではありません。自車であるZX-14Rの排気ガスのニオイにやられるのです。夏は暑さの影響もありますが。

 相変わらず燃調が濃いようで、排気ガスがクサイクサイ。過去4回の車検でも毎回排ガス検査でCO濃度超過で引っかかっています。燃調が濃くガソリン過多の結果です。8の字は毎回同じラインを走るので自車の排気ガスの中を走るようになってしまい、そのニオイで気持ち悪くなってくるのです。

 このままでは楽しく走れません。3か月後にはまた車検も、排ガス検査のCOの値は車検の回を追うごとに悪化している気配。次の車検はパスできないかも。

 そこで以前にも点検したことがあるO2センサーの動作をあらためて疑ってみることにしたのです。

 エキパイ集合部に取り付けられているO2センサー。空燃比に応じた電圧が出力され、ECUが判断、適切な混合比となるように制御されるはず、本来ならば。

 以前にも出力電圧を測定してみましたが、今回は走行中も含めて色々な条件下での出力電圧を確認してみます。

 測定用ハーネスの接続。センサー出力電圧とヒーター供給電圧を測定するための物で自作品です。

 O2センサーの手前に割り込ませます。

 オシロスコープでのセンサー出力波形観察。センサー出力を元にフィードバック制御がされていれば、混合気が濃い→薄くする、薄い→濃くするの動作を繰り返しているはずです。

 サービスマニュアルによると燃調が高濃度時のセンサー出力は0.8V以上、低濃度時は0.24V以下。この電圧間の周期的な波形が観察されるはず。

 ・・・波形は観察されません。始動直後は4.75V(狙い値5.0V?)で、暖気が進むにつれて下がっていきますが、暖気完了後の出力電圧は約0.9Vの一定電圧でした。高濃度状態です。少なくともアイドリング状態ではセンサーは制御に使われていない?

 エアクリを外せば薄くなって電圧が下がるかも、と思って外してみました。ところが逆に1.0V前後へ上昇。どうなっているのだ???

 電圧計の接続。走行中のセンサー電圧も観察してみたい。しかしさすがにオシロスコープを積んで読み取りながら走るわけにはいかない。

 そこで電圧計を接続してみることに。これなら走行中でも出力電圧を確認できます。以下は電圧を確認しながら走り回ってみた結果。

  エンブレ時・・・0.1V以下。薄いのを検出できている?

  60km/h位での巡行時・・・0.2Vと0.9Vで周期的に変動。制御が効いている?

  高速道路巡行時(100km/h位)・・・4~6速では0.2Vと0.9Vで周期的に変動。制御が効いている?
   ただし3速まで落とすと0.9Vで変動なし。ギアポジションも影響する模様。

  エンジン温間時の始動後のアイドリング・・・0.2Vと0.9Vで周期的に変動も1分後位には0.9Vで変化しなくなる、制御していない?

 条件によっては制御が効いているようですが、一貫性がありません。

 ・・・O2センサーを交換してみることにしました。センサー自体が壊れているような挙動とは考えにくいのですが、不確定要素を1つ潰せること、新車から11年も使っているのでいずれ故障するかもしれず、ここで交換しておいても良いだろうとの判断です。

 新品のO2センサー。部品番号は21176-0090、カワサキのいくつかの車種で採用されています。

 お値段は税込み12,430円也。安くありません。Webで検索してもこのセンサーの不具合例はほとんど見つかりません。安くもなくおそらく故障していないセンサーを交換するのは不本意ですがやむをえません。と思い込むことにします。

 センサー先端部。排気ガスの導入口があります。ネジ部には焼き付き防止剤(アンチシーズ)が塗られていました。

 ヒーター抵抗値測定。新品なので異常なはずはないのですが、参考までに測ってみました。

 測定値は標準値6.7~10.5オームに対して8.5オーム。標準値真ん中、正常でした。さすがは新品、メイドインジャパン。

 O2センサーは高温にならないと動作しません。そのため始動直後は動作せず、混合気の濃い薄いが判断できません。そこでエンジン始動直後にセンサーを加熱するヒーターが内蔵されています。 

 センサー新旧比較。今までのセンサーはすすけていますが、排気ガスの導入口が塞がったりはしていません。

 さて、肝心の交換の効果について。まーったく、なーんにも変わりませんでした。排気ガスのニオイも、出力電圧も。やはりセンサーに異常はなかったようです。

 次いってみよう! ヤケクソ気味。