フロントブレーキパッド交換

現在の私のZX-14Rのフロントブレーキは、

ブレンボRCSラジアルマスターシリンダー、自作メッシュホース、

ノーマルブレーキキャリパー、ノーマルブレーキパッド、フルードはブレンボLCF600プラス、という構成です。

ブレーキレバーのフィーリングは適度な剛性感があり、コントロール性も良く満足しているのですが、

慣れてきたせいかもう少し効きを強くしたいと思うようになりました。

そこで、キャリパーを掃除しつつパッドを交換します。

パッドピンを緩めます。

キャリパー単体だと緩めにくいので、あらかじめパッドピンを緩めておきます。

キャリパーの取り外し。

取付けボルトを緩めてキャリパーを外します。

ラジアルマウントのキャリパーは脱着前後の直径方向の位置ズレが少なく、

一時的なレバータッチの悪化がほとんど無いのが良いです。

アキシアルマウントのキャリパーだと、ボルト穴のガタでキャリパーが直径方向にずれやすく、

パッドとディスクの当たりが変わってレバータッチが一時的に悪化することがあります。

キャリパー内側。

パッドを1組外した状態です。1万キロ走行の汚れです。

取り外したパッド、パッドスプリング、パッドピン。

パッドを再利用する場合は、組みつけられていた位置を

パッドにケガいておいて元の位置に戻せば当たりが変わるのを防げます。

キャリパー洗浄

ピストンを押し戻す前にまずはよく洗います。

汚れたままのピストンの押し戻しはシールを傷めてしまうので厳禁です。

ブレーキホースに負担をかけないようにキャリパーはヒモで吊っておきます。

まあ、キャリパーがぶら下がった位でへこたれるようなブレーキホースはそもそも論外ですけどね。

写真に写っているシンプルグリーンという洗剤、あまり落ちなかった・・・。

ピストンの揉み出し・潤滑

洗浄が終わったらピストンを出し入れしながらCCIのメタルラバーで潤滑します。

CCIのメタルラバーですが、スプレー式なので微妙な量のコントロールがしにくく、

強く吹きすぎて不要な部分に飛び散ってしまうことがあります。

そこで今回は小型のオイラーに移してから使用してみました。

ピストンはアルミ製で、表面にコーティングがされています。おそらくは潤滑アルマイト加工?

ブレンボの構成に似ています。どうりでノーマルキャリパーにしては良く効くしタッチも良い訳です。

交換するパッド。

ZCOOのセラミックシンタードです。

GPZ1100にはメタリカを使っていましたが、効きがよく長寿命だったので気に入っていました。

ZCOOもメタリカと同じセラミック系のパッドで良く効き長寿命とのことです。

少し前にバイク用品店でたまたま安く売っていたのを購入してストックしていました。

パッド拡大。

一般的にはパッドのベースプレートはプレスで打ち抜かれていますが、ZCOOはメタリカと同様に

レーザーカットです。レーザーはプレスと比較してダレやカエリが出にくく、歪みが出にくい加工方法です。

また、プレス型が不要なので多品種生産にも向いています。

多くの車種に対応しなければならないブレーキパッドの製造には最適ではないでしょうか、

・・・と、生産技術者みたいなことを書いてみた・・・職業病だな・・・。

純正パッドとの比較。

左が純正、右がZCOOです。

重ねてみても外形寸法の差はほとんど有りませんでした。

摩材の位置比較。

パッドピン基準で摩材の位置の違いもほとんどありませんでした(0.5mm程度)。

一部の社外品ブレーキパッドでは摩材の位置が結構ずれていて、

ディスクからはみ出てしまったりする物もあるようですが、このパッドについては問題ありません。

バックプレートの厚さは両方とも4.0mmでした。

ブレーキパッド組み込み準備。

パッドのベースプレート面にカエリなどがないか一応オイルストーンでチェックします。

私の場合、パッドの面取りはしていません。

今までブレーキ鳴きで悩まされたことがあまりないことと、

面取りによって異物が巻き込まれやすくなるのが嫌なためです。

新車でも面取りはしていないようですし、鳴きが発生したらその時に考えることにします。

フルード交換・エア抜き。

ついでにフルードを交換してエア抜きもします。

ん、フルード交換だけならエア抜きは基本的に不要のはずですが???

・・・実はピストンを揉み出ししているときに勢い余ってピストンが外れてしまったのです。

仕方ないので結果的にフルード交換、エア抜きとなりました・・・。

ちなみに私はフルード交換・エア抜き時に注射器を使っています。

ブレーキラインがドライでなかなかフルードが落ちてこないときには

注射器を引くことでフルードを通すことができます。

また、ブリーダーからチューブを外すときも注射器を引きながら

外すとフルードがこぼれません。

排出量を把握できる利点もあるのでお薦めです。

作業完了。

パッド単体で比較確認した通り、パッドの当たり位置は純正とほぼ同じです。

さて、ZCOOのブレーキパッドのインプレですが・・・

ザラザラした、いかにもミューが高いようなフィーリングで良く効きます。

純正より2、3割増しで効く感じです。

交換直後の当たりが出ていない状態で既にノーマルより効いているので、

当たりが出てくればさらに効きそうです。