フロントブレーキのマスターシリンダーを、再度交換します。
ブレンボの19RCSから、17RCSへの交換です。
今まで使用してきたブレーキマスターシリンダー、ブレンボの19RCS。
ZX-14Rに乗り換える前のGPZ1100から移植して使用中です。
レバーをショートレバーに、ピボットピンをコーケンのチタンコートピボットピンに交換しています。
ちなみにマスターシリンダー以外は以下の構成です。
ホース:自作ステンメッシュホース
キャリパー:ノーマル
ブレーキパッド:ZCOO(非TypeC)
フルード:ブレンボLCF600Plus
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ある日、ブレンボの製品ページを見ていると、ピストン径17mmのブレーキマスターシリンダー、
「17RCS」がラインナップされているではありませんか。
以前は設定が無かったピストン径です(クラッチマスターには設定有り)。
今は2017年ですが、2013年11月に発表されていました。
いつの間に!
17RCSの存在を知ってしまうと交換してみたくなりました。
理由は2つあります。
1つ目は、もう気持ち、効きを強くしたいこと。
ピストン径を19mmから17mmへ変更すると、ピストン面積は約2割減となります。
計算上、レバーに入力する力が同じならば得られる液圧は約2割増しになります。
もう1つはコントロール性をもっと良くしたいこと。
19RCSとメッシュホースの現在の組み合わせだと、レバーストロークはかなり短めです。
ピストン径を小さくして、レバーストロークを長くした方がコントロールしやすそうです。
17RCSの外箱。
並行輸入品を扱うショップから通販で購入しました。
中身。
マスターシリンダーAssyと付属品。
「17RCS」の刻印。
外観上は刻印以外で19RCSと見分けることはできません。
分解点検。
少しでも良い状態で長く使うため、取付前に一度分解して、点検、グリスアップをします。
まずはピボットピンを抜いてレバーを取り外します。
ピンには給油してありましたが、レバーと本体の摺動部には油分がありませんでした。
ピストン端面。
さすがにここはグリスがしっかり入っていました。
レバーからの力がロッドを介して入力される場所です。
ピストン。
取り出したついで、ピストン径を測ってみます。
当たり前ですが、17mmです。
ピストンのグリスアップ。
基本的にピストンはブレーキフルードで潤滑されます。
しかし、セカンダリーカップより外側にフルードは無く、潤滑されません。
グリスで潤滑します。
ピストンの復元。
普段なら、はみ出たグリスは拭き取りますが、
ブーツで密閉されるのでそのままでも良いでしょう。
レバー、ピボットピンへのグリス塗布。
はみ出たグリス。
ホコリを呼ぶので拭き取っておきます。
組み立て完了。
単体での動作でも、動きが軽くなりました。
やはり潤滑は大事です。
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19RCS取り外し準備。
ここからは交換作業です。
17RCSの取付け時の位置の目安にするために、マーキングしておきます。
19RCS取り外し。
フルードが流れ出ないように、リザーバータンクのホースはクランプしています。
フルードがカウルに垂れないように養生もしています。
取り外した19RCS(左)とこれから取り付ける17RCS(右)の比較。
外観を比較してみましたが、やはり違いはありませんでした。
17RCS取付け後のエア抜き。
ブリーダーボルトの対辺寸法は13mm、
国産車ではあまり使われないサイズです。
ブレーキスイッチ、リザーバータンクはそのまま使用しました。
17RCS取り付け完了。
レシオの切り替え。
ゴムキャップを外してから、マイナスドライバーで切り替えます。
レバー位置を一番近くしておかないと、アクセスできないので注意。
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ここからはインプレです。
17RCSと19RCSの比較イメージグラフ。
あくまで私が感じたイメージを視覚化したものなので、細かい突っ込みは勘弁を。
17RCSはレバー入力と制動力の関係がリニアな印象です。
握りはじめからロック寸前まで、握った分だけ効くイメージ。
それに対し、19RCSは握りはじめがやや強く効く感じです。
絶対的な制動力は、目論見通りに強くなりました。
19RCSと比較して2~3割り増しの印象です。
強く効くだけでなく、パッドが摩擦するイメージが指先に伝わり、
コントロールしやすいです。
レバーのストロークは若干長くなったわけですが、こちらも目論見通り、
よりコントロールしやすくなりました。
レシオは18mmの方が好みです。20mmと比較するとストロークは長いですが、
コントロール性、(当たり前ですが)効きともに20mmよりも良いのが理由です。
結論、目論見どおりになって満足です。
しかし、誰にでもお勧めできるかというと、ちょっと違うように思います。
強力にブレーキが効くので、握りゴケが心配ならやめておいた方が良さそうです。
2018/2 追記
ブレンボRCSラジアルマスターシリンダーの模造品(偽物)が流通しています。
くれぐれもご注意を!