ヘッドカバーオイル漏れ修理 スロットルボディ清掃 2021/2

ヘッドカバーを外そうとしたものの、スロットルボディがどうしても干渉してしまって無理でした。

そこでやむなくスロットルボディも外しました。

外した滅多にない機会、あちこち観察しつつ清掃しておきます。

スロットルボディの構造については以前Ninja250Rの物で調べています。

仕組みなどに興味があれば参照してみて下さい。

徹底解剖 スロットルボディ

車体から取り外したスロットルボディ。

これはエアクリーナボックス側です。

ホース4本でつながった右上の物は、アイドリング回転速度コントロールバルブアクチュエータです。

スロットルバルブを迂回して供給する空気の量を加減して、アイドリング回転数を制御します。

拡大。

ネジ穴の開いた軸には、セカンダリーバルブが取り付けられていました。

かなり前に除去したので、軸だけが残っています。

奥に見える金色の板はメインスロットルバルブです。

エンジン側から。

拡大。

1番のスロットルバルブシャフト周辺にだけオイルが付着していました。

理由はこの近くにブリーザーパイプが位置しているせいでしょうか。

ブリーザーパイプを通ってくるブローバイガスにはエンジンオイルが含まれます。

インジェクター先端。

4穴でした。

SE?

バキュームゲージ接続ニップル。

ゴムキャップを外した状態です。

同調調整時はここにバキュームゲージのホースを接続します。

しかし、スロットルボディが車体に取り付けられた状態では手が入らず、ホース接続は無理です。

なので、サービスマニュアルの指示では一旦スロットルボディを取り外し、

ホース接続後に再び取り付けて測定調整する、となっています。

しかし作業としては簡単ではありません。

メモ ニップル先端径5.0mm、太い部分6.0mm、飛び出し長さ13mm

カプラーのフック。

このカプラーはエンジンのステーにこのフックで固定されています。

スロットルボディを車体から外すときは、このフックを外しカプラーをステーから取り外す必要があります。

フックを長いマイナスドライバーで押して外すのですが、作業しにくいです。

ハーネス固定の結束バンド。

手がこすれると、イタッ!、となってしまいます。

切断部が2mmほど飛び出ていたので、ツライチにニッパーで切っておきました。

何度かこのホームページに書いていますが、結束バンドの切断部が飛び出ていると危険です。

角は尖っていて、手や腕をこすると傷付けてしまいます。

結束後はツライチに切っておくのが賢明です。

ここからは清掃の様子です。

1番と2番のバイパススクリュー。

エンジンへ供給される空気の一部は、スロットルバルブを迂回しています。

その流路で流れる空気の量を調整するのがバイパススクリューです。

汚れが溜まっているので、外して清掃します。

分解時にはこのスクリューの戻し量を記録しておき、組立て時に同じ戻し量になるようにします。

締めこんでいって止まるまでの回転数・角度が戻し量になるので記録しておきます。

各番の戻し量は次の通りでした。

1番 6/8回転、2番 7/8回転、3番 6/8回転、4番 7/8回転。

ほとんど全て同じ、揃いすぎです。

工場生産時は全て規定量戻すだけで、測定しての微調整はされないのかもしれません。

調整しにくい4番のスクリューや(後述)、バキュームゲージの接続のしにくさから考えてもそうなのかも。

スクリュー奥のワッシャーとOリングの取り外し。

スクリューとスプリングを抜き取っても、ほとんどの場合はワッシャーとOリングが奥に残ります。

ピックアップツールで引っ掛けて取り出します。

この部品構成はキャブのパイロットスクリューと同じです。

バイパススクリュー、スプリング、ワッシャー、Oリング。

スクリュー先端は湿ったカーボンで汚れているので掃除します。

メモ バイパススクリュー後端 直径4.7mm、マイナス溝幅1.2mm、ネジ直径6mm

バイパス流路の洗浄。

キャブレタークリーナーを吹き込みます。

インジェクターの先端には、汚れ混じりのクリーナーを付着させたくありません。

そこで内側にペーパウエスを押し込んでおき、クリーナーを受けています。

インジェクター先端から噴射されるのは加圧されたガソリンなので、

それほど神経質になる必要はないのかもしれませんが念の為。

問題の4番のバイバススクリュー。

このスクリューの真正面には太いハーネスががっちり固定されていて、スクリューを回せません。

そこで、

ハーネス固定ステーの取り外し。

ステーを外し、ステーごとハーネスをずらします。

ハーネスをずらしてドライバーで回せるようになった4番のバイパススクリュー。

このステーの取り外し作業、サービスマニュアルで指示されている手順です。

しかしそもそもバイパススクリューを回すのに支障がない位置にハーネスを

固定することはできなかったの?、と思ってしまいます。

針金を使ったプーリの固定。

スロットルバルブを開けたままにしておいて、ボディ内側を清掃するために固定しました。

スロットルバルブとボディの間に何かを挟み、バルブを開けたままにすることもできます。

しかし万一バルブを変形させてしまえば不調の原因になるので、このようにしました。

手元にあった銅製の針金を使いましたが、ヒモなどを使っても良いでしょう。

ボディ内側とスロットルバルブの清掃。

キャブレタークリーナを染み込ませたペーパーウエスで拭き取ります。

インジェクター先端のノズル穴へは触れないように注意しながら作業しました。

一段奥まった位置にあるので簡単には触れられないのですが。

バイパススクリューの復元。

スクリュー先端もキャブレタークリーナーで清掃しました。

Oリングは再利用していますが、癖が付いているので裏表は分解前と同じにしています。

止まるまでねじ込んだ後、分解前と同じ角度だけ戻しておきます。

スロットルボディの清掃の効果は、

・・・分かりませんでした。

レスポンスが良くなったり、低回転で扱いやすくなったりすることを期待していたのですが、

少なくとも私には変化が分かりませんでした。