ヘッドカバーオイル漏れ修理 組立て 2021/2

ヘッドカバーガスケットを交換するためにヘッドカバーを外しました。

カバーを外したついで、バルブクリアランスを測定しました。

スロットルボディも外したので清掃をしました。

諸々の作業を経て、ようやく復元作業のスタートです。

新品のガスケット。

カバー外周用1個、プラグホール用4個、固定ボルト用6個、クランクシャフトセンサーカバー用1個。

部品代金の総額は7,000円ほど、ZX-14R以外のバイクと比べても高いということはないでしょう。

ただし、交換作業をバイク店に依頼した場合の工賃は、ZX-14Rの場合は手間がかかるので高そうです。

液体ガスケットの塗布。

ヘッドの左右両側、半月状の切り欠き周辺に塗ります。

これは左側です。

この半月状の切り欠き、カムシャフトの軸受け穴を加工する時にできるもので、

ほとんどのDOHC直4エンジンの両側にあります。

しかし調べてみたところ例外もありました。

2017年式以降のヤマハ YZF-R1では、この切り欠きが片側にしかありません。

興味のある方(少ないと思いますが)はパーツリストで見てみてください。

同じく右側。

液体ガスケットを塗る前は、アセトンで脱脂をしています。

外周のガスケットのセット。

ヘッド外周と確実に噛み合わせます。

プラグホールのガスケットのセット。

ダウェルピンが入っていることも確認。

ヘッドカバーのセット。

ガスケット、ダウェルピン4本がセットされているのをよーく確認して、祈りながらカバーをかぶせます。

「当分はオイルが漏れませんように。」

せっかくの機会なので、掃除したヘッドカバーにはワックスをかけておきました。

カバーのボルト固定。

ここのガスケットも新品に交換して、ボルトを規定トルクで締めます。

構造上、強く締めてもオイルの漏れ対策にはならないので、規定トルクは守りましょう。

コンビネーションレンチでのボルト固定。

トルクレンチが入らない部分のボルトは、コンビネーションレンチで締めます。

狭い狭い。

クランクシャフトセンサーカバーの復元。

クランクケースの合わせ面2箇所と、センサーリード線グロメットの部分には液体ガスケットを塗ります。

エンジン前側。

漏れたオイル、汚れはお掃除しました。

エキパイのフランジ固定ナットは増し締めしておきました。

少し緩んでいたナットが2、3個ありました。

今まで装着されていた古いガスケットの断面。

捨てる前に切って観察してみました。

上側、ヘッドカバーが接する部分はへこんでいます。

下側、ヘッド外周が接する部分の半円状の突起は、つぶれて高さが低くなっているようでした。

全体的には硬くなっていて弾力もなくなっていました。

エアーサクションバルブの固定。

やっぱり狭い狭い!

スロットルボディ取り付け空間。

あまり見られる機会がないので、写真を撮っておきました。

スロットルボディの1番のスロットルバルブにオイルが付着していたのは、

エンジンからのブローバイガスが排出されるブリーザーパイプ(矢印)が近いため、

と推測しましたがどうでしょう?

この写真を眺めていて思ったのですが、接続を外した燃料ホースには、

異物が入らないようにカバーをしておくのがベストでしょう。

インジェクターにフィルターは入っていますが、大きな異物はガソリンの供給不良を引き起こしそうです。

スロットルボディを、取り外し時とは逆手順で組み込んでいきます。

スロットルボディのカプラー。

エンジンに取り付けられているステーに固定します。

スロットルボディのダクトのグロメットの復元。

この部品に限らず、ゴム製部品の組み込む時はわずかに油分を与えると、

滑ってくれるので無理なく正しい位置に組み込めます。

ここではシリコンオイルスプレーをサッと吹いています。

この後のダクトの組み付けは手こずりました。

ダクトから飛び出ている直径3mmほどの突起をクランプの穴に合わせるのですが、これがやりにくい。

特に手が入りにくい中央寄り2番、3番が大変でした。

ダクトから飛び出ている突起。

これは以前の別の整備時に撮影した写真です。

突起は真裏にもあります。

中央寄りの2番と3番では、これをクランプの穴に合わせる作業がとてもやりにくのです。

もろもろ復元中。

松本城近くにて。

自宅近辺で試走です。

異常はなく、ヘッドカバーからのオイル漏れ修理は完了です。

今回はスロットルボディの清掃も行ったのですが、その効果は全く分かりませんでした。

私が鈍感なだけ???

今まで行ったZX-14Rの整備の中では、手間も時間もかかる作業でした。

ヘッドカバーからのオイル漏れは新車購入から8年目で起きたので、また8年位はもってくれるかな!?

でも、走行距離50,000km位でバルブクリアランスの測定とおそらく調整もしたいので、

2、3年後にはまた同じ作業をすることになりそうです。