ヘッドカバーガスケットを交換するためにヘッドカバーを外しました。
カバーを外したついで、バルブクリアランスを測定しました。
スロットルボディも外したので清掃をしました。
諸々の作業を経て、ようやく復元作業のスタートです。
新品のガスケット。
カバー外周用1個、プラグホール用4個、固定ボルト用6個、クランクシャフトセンサーカバー用1個。
部品代金の総額は7,000円ほど、ZX-14R以外のバイクと比べても高いということはないでしょう。
ただし、交換作業をバイク店に依頼した場合の工賃は、ZX-14Rの場合は手間がかかるので高そうです。
液体ガスケットの塗布。
ヘッドの左右両側、半月状の切り欠き周辺に塗ります。
これは左側です。
この半月状の切り欠き、カムシャフトの軸受け穴を加工する時にできるもので、
ほとんどのDOHC直4エンジンの両側にあります。
しかし調べてみたところ例外もありました。
2017年式以降のヤマハ YZF-R1では、この切り欠きが片側にしかありません。
興味のある方(少ないと思いますが)はパーツリストで見てみてください。
同じく右側。
液体ガスケットを塗る前は、アセトンで脱脂をしています。
外周のガスケットのセット。
ヘッド外周と確実に噛み合わせます。
プラグホールのガスケットのセット。
ダウェルピンが入っていることも確認。
ヘッドカバーのセット。
ガスケット、ダウェルピン4本がセットされているのをよーく確認して、祈りながらカバーをかぶせます。
「当分はオイルが漏れませんように。」
せっかくの機会なので、掃除したヘッドカバーにはワックスをかけておきました。
カバーのボルト固定。
ここのガスケットも新品に交換して、ボルトを規定トルクで締めます。
構造上、強く締めてもオイルの漏れ対策にはならないので、規定トルクは守りましょう。
コンビネーションレンチでのボルト固定。
トルクレンチが入らない部分のボルトは、コンビネーションレンチで締めます。
狭い狭い。
クランクシャフトセンサーカバーの復元。
クランクケースの合わせ面2箇所と、センサーリード線グロメットの部分には液体ガスケットを塗ります。
エンジン前側。
漏れたオイル、汚れはお掃除しました。
エキパイのフランジ固定ナットは増し締めしておきました。
少し緩んでいたナットが2、3個ありました。
今まで装着されていた古いガスケットの断面。
捨てる前に切って観察してみました。
上側、ヘッドカバーが接する部分はへこんでいます。
下側、ヘッド外周が接する部分の半円状の突起は、つぶれて高さが低くなっているようでした。
全体的には硬くなっていて弾力もなくなっていました。
エアーサクションバルブの固定。
やっぱり狭い狭い!
スロットルボディ取り付け空間。
あまり見られる機会がないので、写真を撮っておきました。
スロットルボディの1番のスロットルバルブにオイルが付着していたのは、
エンジンからのブローバイガスが排出されるブリーザーパイプ(矢印)が近いため、
と推測しましたがどうでしょう?
この写真を眺めていて思ったのですが、接続を外した燃料ホースには、
異物が入らないようにカバーをしておくのがベストでしょう。
インジェクターにフィルターは入っていますが、大きな異物はガソリンの供給不良を引き起こしそうです。
スロットルボディを、取り外し時とは逆手順で組み込んでいきます。
スロットルボディのカプラー。
エンジンに取り付けられているステーに固定します。
スロットルボディのダクトのグロメットの復元。
この部品に限らず、ゴム製部品の組み込む時はわずかに油分を与えると、
滑ってくれるので無理なく正しい位置に組み込めます。
ここではシリコンオイルスプレーをサッと吹いています。
この後のダクトの組み付けは手こずりました。
ダクトから飛び出ている直径3mmほどの突起をクランプの穴に合わせるのですが、これがやりにくい。
特に手が入りにくい中央寄り2番、3番が大変でした。
ダクトから飛び出ている突起。
これは以前の別の整備時に撮影した写真です。
突起は真裏にもあります。
中央寄りの2番と3番では、これをクランプの穴に合わせる作業がとてもやりにくのです。
もろもろ復元中。
松本城近くにて。
自宅近辺で試走です。
異常はなく、ヘッドカバーからのオイル漏れ修理は完了です。
今回はスロットルボディの清掃も行ったのですが、その効果は全く分かりませんでした。
私が鈍感なだけ???
今まで行ったZX-14Rの整備の中では、手間も時間もかかる作業でした。
ヘッドカバーからのオイル漏れは新車購入から8年目で起きたので、また8年位はもってくれるかな!?
でも、走行距離50,000km位でバルブクリアランスの測定とおそらく調整もしたいので、
2、3年後にはまた同じ作業をすることになりそうです。