リアのブレーキパッドが寿命を迎えたので交換します。
新車購入から9年、42,000km走行で初めての交換なので十分長持ちしました。
長持ちは良いことです。
しかし、もっとリアブレーキを使った方がうまく走れそうです。
上手な人ほど積極的にリアブレーキを使って安定した走りをしているイメージです。
精進しましょう。
用意したカワサキ純正のリアブレーキパッド。
凝った構造のせいか(後述)、税込み8,184円と社外品と比べて高めです。
しかし今まで効きに不満はなかったこと、安心感があることから純正品を購入しました。
名の知れたメーカーなら社外品でも問題はないでしょう。
しかし純正部品にはやはり安心感があります。
店頭での陳列を考慮しているのか純正部品にしては立派な袋入りです。
総厚さは9.4mm、磨材厚さは4.8mmでした。
パッド裏面への内側外側表示。
キャリパー整備時はパッドを取り外します。
その際、内側と外側のパッドが入れ換わってしまうとディスクとのあたりが一時的に悪くなってしまいます。
そこで区別できるように内側に「IN」、外側に「OUT」と表示しておきました。
マーカーで書くと消えやすいので、砥石を付けたリューターで刻印しています。
場所はピストンと接触しない中央です。
パッドピンを緩めます。
パッドピンはキャリパー単体になると緩めにくくなります。
そこでキャリパーを車体から外す前に緩めておきます。
取り外したパッド、パッドピン、スプリング。
交換目安となるパッドの溝は、外側のパッドでは消えかかっています。
(無駄なく)よく使いました。
パッドピンについては、錆が多ければ交換する予定でした。
しかし錆びはあまりなく、凹凸もほとんど感じられないのでそのまま使います。
ピストンの状態。
これはキャリパー全体で丸洗いした後です。
ピストンの点錆びも2年前の前回車検時から進行していないように見えます。
パッドピンも同じですが、シリコングリスを薄く塗っているのが防錆によく効いているような気がします。
雨の日は出掛けないのが大きそうですが。
ピストンへのシリコングリスの塗布。
綿棒で薄く塗ります。
シリコングリスの使用はサービスマニュアルでも指示されています。
パッドの新旧比較。
使用済み品の磨材の厚さは最薄部で0.8mmでした。
新品は4.8mmだったので、42,000kmの使用で4mm磨耗したことになります。
つまり私の場合は10,000km走ると約1mm磨耗する計算です。
組み込んだ新品パッド。
さすがに新品はきれいで、使うのがもったいなくなります。
キャリパーを取り付けた後は、ブレーキフルードの交換も行いました。
交換前のブレーキフルード。
2年間の使用で茶色く熟成?しました。
交換完了。
きれいなフルードに置き換わりました。
使ったフルードはホンダのDOT4です。
たいていのホームセンターで販売されていて価格も手頃なので、私はよく使います。
リザーバータンクのダイアフラムの点検。
一旦伸ばして穴開きなどがないか念のために確認しておきます。
問題ありません。
整備完了。
仮に今後同じペースで走り続けると、次回交換は2030年の84,000km走行時です。
2030年・・・、50代も半ばになるのか、私。
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純正ブレーキパッドは社外品にはない凝った部品構成です。
使用済み品を分解してみました。
部品構成。
写真は分解後にそれぞれを洗浄した後です。
分解といっても簡単で、裏面のステンレス板を外すだけです。
ブレーキパッド本体に断熱材のような板(厚さ1.1mm)とそれを覆うステンレス板(厚さ0.4mm)の組み合わせです。
パッドで発生する熱がキャリパーピストンへ伝わるのを防ぎ、鳴きも防止するための構成だと推測。
断熱材と思われる板。
繊維のような物が含まれています。
耐熱性、硬さに優れたセラミックファイバーの板のようですがどうでしょう?
分解したところ、パッド裏面には製造メーカーである日信工業の「NISSIN」の刻印がありました。
日信工業は長野県東部に本社を構えるブレーキ関連部品製造メーカー、でした。
でした、というのは2021年1月から日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワらと経営統合して、
日立Astemo株式会社になっているから。
私はNISSIN(ニッシン)ブランドとしての製品に馴染みがあり、
長野県の企業でもあったことから、経営統合は少し寂しいのでした。
今後、NISSINブランドはどうなるのでしょう。
今まではキャリパーとかにも大きく刻印されていたりしていましたが、「日立Astemo」になるのか、
それともブランドは残るのか。