試行錯誤の傍ら、備忘録も兼ねての作成中未完成の記事です。読んでもらっても構いませんがあくまで未完成ですのでご注意を。
私のZX-14Rは燃調(混合気調整)が濃い側に狂っているのではないか。しかもそれは年々悪化しているのではないか。
先月の車検では排ガス検査で2回不合格になり、3回目でようやく合格になりました。2回目の排ガス検査でのCO濃度は約8%、基準値3%の実に2倍以上でした。
最近参加したジムカーナ練習会でも気になったのは排ガスのニオイ。8の字旋回で同じ場所を行き来していると自車から出る排気ガスがクサイのです。
排気ガスが臭うことは購入直後からもたまに気になっていました。ZX-14R購入前に乗っていたGPZ1100と比べて排気ガスがクサイのです。
CO濃度が高く、排気ガスも臭うのは燃調が濃い症状です。空気に対してガソリンの量が多すぎる状態です。
今のところ普通に乗っていて燃費の悪さなども感じていません。警告灯などの点灯もありません。ですがやはり気になるので点検をしてみることにしました。
まずは二次エア導入装置が機能しているかを点検しました。排ガス規制対応としてZX-14Rをはじめ多くのバイクには二次エア導入装置が装備されています。排気ガスに空気を混ぜてエキパイ内で再燃焼させる仕組みです。カワサキでは「KLEEN」と呼ばれています。
これが正常に機能していなければ、排ガスは再燃焼しないのでCOの値は高くなり、ニオイも強くなります。
エアサクションバルブの動作確認のために作ったインジケーター。
二次エアの導入はエアサクションバルブで制御されています。そのバルブのON/OFFを確認するために作りました。大した物ではなく、エアサクションバルブのコイル配線に割り込ませてコイル通電でLEDが光るようにしただけです。LED点灯ならコイル通電でバルブ閉、LED消灯ならコイル非通電でバルブ開です。
メーター上にテープで仮付けしたLED。
これで走行中でも動作が確認できます。
走行中の様子。
結果を書くとアイドリング状態では二次エア導入装置は正常に働いていました。
写真は走行中にアクセルを開けている時です。コイルが通電されてバルブが閉じ二次エア導入がされていない状態なのでLEDが点灯しています。逆にアイドリング中は水温などに関わらず常にLEDは消灯していました。コイル非通電つまりバルブ開なので二次エアが導入されていることが確認できました。
サービスマニュアル指示の方法でも二次エア導入装置が正常なことを確認しました。アイドリング中にエアサクションバルブの吸気ホースを外して点検する方法です。やってみたところエンジン回転に合わせて空気を吸い込む脈動が感じられ正常でした。
エアサクションバルブの動作は正常と判断しました。
次はO2センサーを点検です。基本的にサービスマニュアル指示の方法で行いました。
O2センサー。
エキパイ集合部に取り付けられています。排ガス中の酸素濃度を測定していて、このセンサーの情報を元にインジェクターからの燃料噴射量が調整されます。
もしもセンサーが故障すると適切な量の燃料噴射がされなくなります。
O2センサーのカプラー。
4ピンコネクタで内2ピンはセンサー内蔵のヒーター、もう2ピンはセンサーの素子そのものと接続されています。
O2センサーは高温にならないと動作しません。そのため加熱するためのヒーターが内蔵されています。
ヒーター抵抗。
8.5オーム(テスター短絡時に0.3オームだったのでその分マイナス)。標準値6.7~10.5オーム@20℃のほぼ中央でした。
ヒーター電圧。
12.3V。バッテリー電圧と同じ電圧がかかっているので問題ありません。少し前に作成した電装部品点検測定用アダプタが役立ちました。センサーと車体ハーネスの間に割り込ませてテスターを接続しています。
混合気高濃度時(リッチ時)出力電圧。
1.0V。標準値0.8V以上なので問題ありません。エアサクションバルブのエア取り入れパイプ先端を塞いで二次エアが導入されないようにして測定しています。
サービスマニュアルではエアサクションバルブをヘッドカバーから外し、ヘッドカバーのパイプ先端をプラグで塞いで測定するように指示されています。しかしその方法は実施困難なので、バルブのエア取り入れパイプ(エアクリーナーボックス=フレームに刺さっている)先端を塞いで測定しました。スズキハヤブサのサービスマニュアルで指示されている方法です。
混合気低濃度時(リーン時)出力電圧。
エアサクションバルブのエア取り入れパイプ先端を開放して、つまり二次エアを導入して測定。
0.9V。標準値0.24V以下なのでおかしいです。高濃度時とほとんど変化がありません。
キーON、エンジン始動前の電圧。
サービスマニュアルに測定指示はありませんが参考に測定。
O2センサーの出力電圧が正常でなかったため、サービスマニュアルの指示に従ってセンサー~ECU間のハーネス導通確認をしました。
結果は導通有りで正常。念のためにハーネスを軽く引っ張ってみたりもしてみましたが異常なし。
O2センサー。
表面状態を確認したかったので外してみました。黒くすすけてはいますが、エキパイ内部にさらされているのでこの程度なら外観上は正常だと考えましたがどうなのでしょう。
ちなみに品番21176-0090、2012~2020年式まで共通、NTK製です。
サービスマニュアルの記載に従うならば、これらの点検測定結果からはO2センサーの故障ということになります。しかし腑に落ちません。なぜならば燃調が薄いときに本来0.2V以下であるはずの電圧が0.9Vと高く測定されたためです。電圧が高ければECUは燃調が濃いと判断して薄い側に制御されているはずです。???
セカンダリーバルブ(サブスロットルバルブ)の取り外しの影響?
プラグの状態から判断すると濃くはない?
参考Webサイト
日本特殊陶業株式会社 ジルコニア酸素センサ https://www.ngkntk.co.jp/product/sensors_plugs/zirconia_oxygen.html