1-13 試作機完成

 ブレッドボードを使ったテストで回路とプログラムに目処がつきました。次は実際に使えそうな物を作ってみます。

LEDの配置検討。

 万能基板上にLEDを並べて検討します。桁数は合計3桁、最小単位は1/10秒としました。

 大会に使うなら1/100秒または1/1000秒単位の測定が必要でしょう。しかし練習での測定を考えると1/10秒単位で十分なこと、桁数を増やすと消費電力が増えてサイズも大きくなることからこの構成にしました。

 文字の高さはLEDの外同士で91mmです。乗用車のナンバープレートの文字高さが80mmなので、それより少し大きいサイズです。これくらい大きければ見やすくビデオにも写し込みやすいはず。

ジャンパー線の製作。

 ジャンパー線は基板上で部品同士を接続するために使います。直径0.3mmのはんだメッキ線を切り出し、ホチキスの針のようにコの字に曲げます。これを基板上に差し込んでいきます。

 この方法、以前作ったオーディオアンプで行った方法です。メッキ線を差し込んだ穴には部品のリード線も差し込むことができます。メッキ線だけなら4本を1つの穴に入れることもできるので分岐も簡単です。

メッキ線の配置状態。

 できるだけビニール線は使わずに済むように配置を考えました。

使用したLED。

 100個で150円という激安品で発光色はオレンジ色です。何といっても安かったことと色で選びました。

 調べたところ人間の目が最も明るく感じる色は波長555nmの黄緑色とのこと。オレンジ色はこれに近い色なので目立つはず。ただしそれほど高輝度ではないので屋外で見にくくないか少々心配ですが、この安さなら試してみる価値はあるでしょう。

裏面の状態。

 配置するLEDは合計106個。2晩ほどかけてはんだ付けしました。老眼の入った目にはシンドイ、シンドイ。

点灯テスト。

 「目がっ~、目がっ~!」 LEDを真正面で直視すると眩しい! LEDの極性を間違えることもなく無事に全て点灯。はんだ付忘れは何箇所かありましたが。

ICソケットの配置。

 LEDと同様にジャンパー線を配置しておいてから挿入してはんだ付けします。

一旦完成。

 夜な夜な作業をすること数日間、動作する状態までこぎつけました。熱を上げて金曜の夜は日が変わって午前3時まで作業してしまうことも。あやうく徹夜をするところでした。「徹夜はするな、睡眠不足はいい仕事の敵だ」

 ここでスペックとその狙いを簡単に紹介。

 電源・・・スマホ用のモバイルバッテリーを使います。普及していて充電や持ち運び簡単なためです。USB Aコネクタで接続します。ちなみにここで使っているモバイルバッテリーはダイソーで購入した公称容量10,000mAhの物です。さすがに100円ではなく1,000円でしたが、電気店で販売されている物は3,000円前後はするので1/3程度の価格です。作りは安っぽく公称容量があるのか怪しい気もしますがとりあえず十分です。そのうち実容量を実測してみます。

 センサー・・・オムロン製です。反射板と組み合わせて使う回帰反射形といものです。

 センサーと反射板の三脚・・・ハクバ製のeポッド3というものです。写真はもっとも低い状態ですが、脚を伸ばすと最大高さは253mmになります。そこにアルミ製Lアングル材を加工したステーを介してセンサーを取り付けています。これでセンサーの最大高さは約280mmになるので、17インチのフロントタイヤの中心高さとほぼ同じになります。

LED駆動回路。

 3個のICの中央はマイコンです。PICマイコンというもので型番は16F1827です。電子工作で比較的良く使われ、Webや書籍での情報が多く使いやすいので選定しました。

 両側のICはLEDを駆動するためのトランジスタアレイというものです。マイコンだけではLEDを駆動するのに必要な電流が得られないために必要です。

 左の正方形の基板はDC-DCコンバーター。センサーの電源電圧12~24Vに対し、電源のモバイルバッテリーの電圧は5Vなのでそのままではセンサーを動作させることができません。そこでこのコンバーターで電圧を上げてセンサーに供給しています。また5個ずつ直列にしたLEDの電源としても使っています。


 それでは屋外でちゃんと見えるか試してみましょう。その模様は次回記事にて。