ナガ練タイマー 製作記 後編
2022/9
2022/9
前編に続く製作記録です。主にケース加工などについて。
ケース蓋裏側の緩衝材取り外し。
加工を前にまずは接着してあった緩衝材を剥がします。ところが残った接着剤と緩衝材が剥がれにくいのなんの。支障のない部分は無理に取り除かずそのまま残しておくことにします。
「カード入れ」の取り外し。
内容物の表示用でしょうか、蓋の外側にはカードを入れるポケットが取り付けられていました。要らないのでリベットをドリルで外して取り外します。
開口。
表示LED用の窓の開口。使用工具は迷いましたが、グラインダーに切断砥石の組み合わせです。ケースの材質はアルミなので切断時に無理な力が加われば歪んでしまいます。そこで無理な力が加わりにくく、能率も高い切断砥石としました。
単純にグラインダーを手で持って動かしても狙った位置で真っ直ぐには切断できません。そこでスティール製のアングル材をクランプしておき、それをガイドにしました。カッターナイフを定規に当てがって動かすのと同じです。
開口部の仕上げ。
ベルトサンダーで断面を整えます。
開口完了。
怪我をすることなく無事に作業完了。ホッ。グラインダーは使い方を誤れば大怪我をしかねません。くれぐれも慎重に使いたいものです。
基板の仮組み。
CADで段取りした通りに基板を組み込めました。ヨシヨシ。
表示部カバー用ポリカーボネート板の切断。
コソ練タイマーではアクリル製でしたが、今回は粘り強く割れにくいポリカーボネート製を選択。表示部がコソ練タイマーより大きく、どうしてもぶつけたりする可能性が高そうなためです。
ポリカーボネート板を扱うのは初めてでしたが、その粘り強さを実感。アクリルなら両面から少し溝を入れて折り曲げれば簡単に割ることができます。しかしポリカーボネートではそうはいきませんでした。完全に切り分ける直前位の深さまで溝を入れてから折り曲げてようやく割れます。評判通り割れにくい。
強く割れにくいのは申し分ないのですが少々問題も。アクリルほど硬くはないので表面に簡単に傷がついてしまいます。汚れたりした場合のお手入れは優しくしないといけません。
カバーパネル取り付け。
両面テープでの貼り付けですが強度は十分。両面テープって優秀で便利。
側面のスイッチ、コネクター。
ケースに穴開けして取り付けました。ナットは緩みそうなので緩み止め剤を少々塗布。
コネクタへのセンサーケーブルの取り付け。
端子にケーブルをハンダ付けし、被覆を結束バンドで固定。
このコネクターは「DINコネクター」という物です。扱いやすいサイズで価格も安い、そして何よりロック機構がないので選びました。ロック機構があれば不意に抜けにくくはなります。しかし万一、人やバイクがケーブルを引っ掛けてしまった場合はさっさと抜けてくれた方が安全です。ケーブルが無理に引っ張られて切れるのも防げます。
ブザー。
スタートセンサー通過時は「ピッ」、ゴールセンサー通過時は「ピピッ」と鳴らします。
メーカーは村田製作所。安価な海外メーカー製を選ぶこともできましたが同社製を選びました。海外メーカー製部品は、つくりに「オヤッ?」と疑問を感じることがたまにあるので、できれば日本メーカー製を選びたい。
ブザーの取り付け。
軽く小さいので両面テープ固定です。
基板の組み込み準備中。
マイコン他。
需要ないと思いますが、記録も兼ねて主要部品紹介。
マイコン Microchip PIC16F1933
発振器 EPSON SG-8002DC 8MHZ 5V
LEDドライバ 東芝セミコンダクター TBD62783A
〃 MP4104
3端子レギュレター 〃 TA48M05F
LED用定電流IC ON SEMICONDUCTOR NSV45090JDT4G
LED OptoSupply OS5YKAZ2C1P
ブザー駆動トランジスタ UTC 2SC1815L-GR-T92-K
DC-DCコンバーター Strawberry Linux TI TPS55340 MODULE
スタート・ゴールセンサー オムロン E3Z-R61
ブザー 村田製作所 PKB24SPCH3601
基板の端には今回の構成では使用しない将来拡張用の端子を設けました。スタートシグナルとか追加できたらステキ。
電源供給用ケーブル。
左のモバイルバッテリー使用時のUSBトリガーケーブルに加え、バイクや車の12Vバッテリーからの電源供給ができるように専用ケーブルを製作しました。右側の物がそれでワニグチクリップでバッテリー端子に接続します。
ショートが恐ろしいので専用ケーブルにはヒューズを入れました。あれは今から30年以上前、ラジコンカーのバッテリーを誤ってショートさせてしまったときのことです。配線が一瞬で燃えました。バッテリーの内部抵抗は低くショートさせると大電流が流れるので要注意です。
ちなみにワニグチグリップでのバッテリー接続は誤ってプラスマイナスを逆に接続してしまう恐れがあります。そこでもしそうなっても測定器が壊れないように基板側に保護用ダイオードを組み込んであります。
会場持ち込み。
一旦使える状態になったのでテストのためジムカーナ会場へ持ってきました。
測定テスト。
この日コソ練に来ていたメンバーに協力してもらいました。動作に問題はなく大きく明るい表示が好評でした。
もうほぼ完成ですが、仕上げのために今日のところは持ち帰ります。
スイッチへのラベル貼り付け。
テプラ所有の事務局の方が作ってくれました。カッコ良い! 市販品?のような仕上がりです。感謝。
正面へのカッティングシートステッカー貼り付け。
こちらはご近所のジムカーナ仲間に作ってもらいました。ありがとうございました! ここなら測定タイムと一緒にビデオに写りこみます。YouTubeやTwitterでビデオを目にしたライダーへのPRになって参加者が増えると良いなあ。
「ナガ練タイマー」完成!
まだ手直ししたい部分もありますが、最低限使えるレベルにはなったので一旦完成としました。11月まではこのまま使ってもらい、12月~3月のシーズンオフに手直しと機能追加をしましょう。
雨中使用。
コソ練参加ついでに持って行って使ってみました。ところがこの日はあいにくの雨。センサーに水滴がつくと誤動作してしまうことがありました。センサー自体は防滴なので故障しませんが、誤動作はいけません。
フードをつけなきゃと思っていたところ、パイロンをくりぬいた雨除けを事務局の方が作ってくれることになりました。助かります。
完成記念撮影。