基板の製作が完了したので、ケース加工、組み込みを行います。
部品レイアウトの検討。
仮に穴開け位置を間違えても、新たな場所に開けなおせば部品は取り付けられます。
しかしそれではみっともないので、部品レイアウトは慎重に検討します。
リアパネル。
検討用として、手持ちのプラ板でパネルのコピーを作り、端子やスイッチ類を仮に取り付けてみました。
数字は穴径のメモです。
ケースには秋月電子通商製のDAコンバーターキットも内蔵させます。
キットには、ユニバーサル基板で製作したCRフィルタを追加しています。
今回使用のタカチ製金属ケース、HEN110520S。
ケースについて少し紹介してみたいと思います。
上下カバーはアルミ押し出し材で、凹凸で噛み合います。
そこに正面と背面のパネルがネジ止めされる構造です。
上下カバーの構成部品。
高さが3種類あり、これらの組み合わせで高さ違いのケースが構成されます。
今回購入した高さ約55mmのケースでは左右両側のカバーの組み合わせです。
中央は前回製作のPart2のカバーで、これと同じ物を組み合わせることで約44mmの高さになります。
勘合の都合上、加工時は前後を間違えないように注意が必要です。
正面パネルの加工。
老婆心ながらケースの加工上の注意を書いてみます。
・レイアウト決めは慎重にする
・傷防止のため、加工箇所以外は養生テープ等でカバーして保護する
・上下カバーの向きに注意する
・大きな穴は下穴を空けてから徐々に拡大する。
・バリ取り作業は工具を手で持って少しずつ行う
(アルミは軟らかいので、電動工具で行うと削りすぎになってしまうことがあります)
ケース加工完了。
使用工具は写真の物(電動ドリルドライバ、ドリル、ステップドリル、面取りカッター)に加え、
センタポンチ、ヤスリなども使いました。
配線中。
前後パネルに部品を取り付け後、配線していきます。
使用したのは、協和ハーモネットから販売されているAWG24の耐熱電子ワイヤーセットです。
7色のワイヤーが2mずつ入っていて便利です。
耐熱をうたうだけあって、半田付けの熱が加わっても被覆が傷みにくいメリットもあります。
完成。
最終段トランジスターの真上には、放熱用の穴を開けました。
空気が流れるように、底面にも開口を設けてあります。
背面。
Part2と同様に、左右対称の部品配置にしてみました。
2個のトグルスイッチは、USBとピンプラグの入力切替と、バスブーストスイッチです。
ピンプラグからの入力も出来るようにしましたが、私はもっぱらパソコンでの
音楽再生ばかりなので、使う機会がないかも。
内部(クリックで拡大)。
メイン基板とDAコンバーター基板は、高さをずらして4mmほど重なる位置関係としました。
将来的に、正面パネルに大型のボリュームを取り付けられるようにスペースを
確保することが目的です。
背面パネル内側。
トグルスイッチはミヤマのMS-245です。
金メッキ接点で微小信号に適し、超小型なのでスペースが狭くても取り付けられます。
正面パネル内側。
ボリュームは、秋月電子通商で購入したアルプスのスイッチ付きRK097です。
専用基板と合わせて使用しました。
スイッチにはスパークキラーを並列に接続しています。
幸いギャングエラーは感じられませんでした。
初段トランジスター。
2液混合のエポキシ接着剤で接着しました。
小容量のコンデンサーは、小型の物に変更もしています。
Part2と並べてみました。
電源表示LEDは、Part2と同様にボリュームツマミ裏に設置しました。
Part2では青色LEDでしたが、今回は電球色LEDにしてみました。
優しい発色で落ち着いた雰囲気に仕上がり、良い感じです。
肝心の音質について。
Part2と比較した場合、Part5の方が豊かで、より明瞭、厚くなった感じがします。
また私の場合は、10cmの小型バスレフ型スピーカーとの組み合わせ使用なので、
どうしても低音が不足気味に感じていたのですが、Part5ではバスブースト機能の使用で補えるようになりました。
一方で、Part5と比べてシンプルな回路であるPart2の音質の良さも再認識しました。
私の耳では大きな差は感じられません。
部品頒布対応頂いたぺるけ氏には、本当に感謝です。
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続いて19V版も作りました。