トランジスタ式
ミニワッターPart5製作(後編)

基板の製作が完了したので、ケース加工、組み込みを行います。

部品レイアウトの検討。

仮に穴開け位置を間違えても、新たな場所に開けなおせば部品は取り付けられます。

しかしそれではみっともないので、部品レイアウトは慎重に検討します。

リアパネル。

検討用として、手持ちのプラ板でパネルのコピーを作り、端子やスイッチ類を仮に取り付けてみました。

数字は穴径のメモです。

ケースには秋月電子通商製のDAコンバーターキットも内蔵させます。

キットには、ユニバーサル基板で製作したCRフィルタを追加しています。

今回使用のタカチ製金属ケース、HEN110520S。

ケースについて少し紹介してみたいと思います。

上下カバーはアルミ押し出し材で、凹凸で噛み合います。

そこに正面と背面のパネルがネジ止めされる構造です。

上下カバーの構成部品。

高さが3種類あり、これらの組み合わせで高さ違いのケースが構成されます。

今回購入した高さ約55mmのケースでは左右両側のカバーの組み合わせです。

中央は前回製作のPart2のカバーで、これと同じ物を組み合わせることで約44mmの高さになります。

勘合の都合上、加工時は前後を間違えないように注意が必要です。

正面パネルの加工。

老婆心ながらケースの加工上の注意を書いてみます。

・レイアウト決めは慎重にする

・傷防止のため、加工箇所以外は養生テープ等でカバーして保護する

・上下カバーの向きに注意する

・大きな穴は下穴を空けてから徐々に拡大する。

・バリ取り作業は工具を手で持って少しずつ行う

(アルミは軟らかいので、電動工具で行うと削りすぎになってしまうことがあります)

ケース加工完了。

使用工具は写真の物(電動ドリルドライバ、ドリル、ステップドリル、面取りカッター)に加え、

センタポンチ、ヤスリなども使いました。

配線中。

前後パネルに部品を取り付け後、配線していきます。

使用したのは、協和ハーモネットから販売されているAWG24の耐熱電子ワイヤーセットです。

7色のワイヤーが2mずつ入っていて便利です。

耐熱をうたうだけあって、半田付けの熱が加わっても被覆が傷みにくいメリットもあります。

完成。

最終段トランジスターの真上には、放熱用の穴を開けました。

空気が流れるように、底面にも開口を設けてあります。

背面。

Part2と同様に、左右対称の部品配置にしてみました。

2個のトグルスイッチは、USBとピンプラグの入力切替と、バスブーストスイッチです。

ピンプラグからの入力も出来るようにしましたが、私はもっぱらパソコンでの

音楽再生ばかりなので、使う機会がないかも。

内部(クリックで拡大)。

メイン基板とDAコンバーター基板は、高さをずらして4mmほど重なる位置関係としました。

将来的に、正面パネルに大型のボリュームを取り付けられるようにスペースを

確保することが目的です。

背面パネル内側。

トグルスイッチはミヤマのMS-245です。

金メッキ接点で微小信号に適し、超小型なのでスペースが狭くても取り付けられます。

正面パネル内側。

ボリュームは、秋月電子通商で購入したアルプスのスイッチ付きRK097です。

専用基板と合わせて使用しました。

スイッチにはスパークキラーを並列に接続しています。

幸いギャングエラーは感じられませんでした。

初段トランジスター。

2液混合のエポキシ接着剤で接着しました。

小容量のコンデンサーは、小型の物に変更もしています。

Part2と並べてみました。

電源表示LEDは、Part2と同様にボリュームツマミ裏に設置しました。

Part2では青色LEDでしたが、今回は電球色LEDにしてみました。

優しい発色で落ち着いた雰囲気に仕上がり、良い感じです。

肝心の音質について。

Part2と比較した場合、Part5の方が豊かで、より明瞭、厚くなった感じがします。

また私の場合は、10cmの小型バスレフ型スピーカーとの組み合わせ使用なので、

どうしても低音が不足気味に感じていたのですが、Part5ではバスブースト機能の使用で補えるようになりました。

一方で、Part5と比べてシンプルな回路であるPart2の音質の良さも再認識しました。

私の耳では大きな差は感じられません。

部品頒布対応頂いたぺるけ氏には、本当に感謝です。

続いて19V版も作りました。

トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版 製作(前編)2021/1