アルミの塗装を試してみた 2021/1

アルミ製部品を黒く塗りたい。

しかしDIYでのアルミへの塗装は何だか剥がれやすそう。

そこで、剥がれにくい塗装をするにはどうすれば良いかを試してみました。

昨年末、ZX-14Rにグリップヒーターを取り付けました。

その際、ヒーターのスイッチステーはアルミ板を切り出して自作しました。

しかしアルミは銀色なので、黒いハンドル周りと色がマッチしません。

そこで黒く着色したいと考えました。

アルミの着色でよく行われるのが、着色アルマイト処理です。

塗料のように剥がれることはなく、仕上がりも綺麗です。

私も以前、部品数点を専門業者へ処理に出したことがあります。

しかし今回のように小さなステー1個だけを処理に出すのは、費用を考えると現実的ではありません。

そこで自分で塗ってみようと考えましたが、金属、しかもアルミへの塗装は

剥がれやすいイメージを私は持っています。

しかし剥がれにくさは、塗料や下地処理で違ってくるはずです。

そこで実際に試してみました。

用意したアルミ板。

これをサンプルとして塗ってみます。

アルミ板は金物店で購入した物で厚さは2mmです。

アルミといっても成分違いで色々なものがあり、それぞれに番号がふられています。

これは1000番台で、アルミ以外の金属成分はほとんど入っておらず、ほぼ純アルミです。

左脇にあるのは、同じ材料で先日自作したグリップヒーターのスイッチステーです。

今回の実験で結果が良好だった塗料で塗ります。

ところで2枚のアルミ板は同じ材料ですが、光沢が随分違います。

サンプルで塗る予定のアルミ板は600番の紙やすりで磨いた直後で光沢があります。

一方スイッチステーは磨いてから数日経ってくすんでいます。

アルミとはいえ、磨いたのちは徐々に酸化して変色するのでした。

今回試してみる3種類の塗料。

全て手元にあったものです。

1番目はアサヒペンの高耐久ラッカースプレー。

R1-Zのスティール製サイドスタンドはこれで塗装しました。

2番目もアサヒペンのカラーアルミスプレー。

手元にあったのですが、何に使ったか思い出せません。

アルミ用をうたうので期待大です。

3番目はホルツのシャシーブラック。

車の下回りの防錆用です。

ZX-14Rのセンタースタンドの塗装や、R1-Zにも使っています。

これら3種類の塗料に加え、塗料の密着性をあげる下地塗料「ミッチャクロン」も試してみます。

ミッチャクロン無し・有り × 塗料3種類 = 合計6パターンです。

何だが仕事みたいになってきたぞ。

下地塗料「ミッチャクロンマルチ」の塗装。

材料の上半分はマスキングしておき、下半分だけに塗りました。

ミッチャクロンの有無を比較するためです。

ミッチャクロンマルチの色は透明なので、厚く塗り過ぎないように注意。

上塗り。

まずは高耐久ラッカースプレーからです。

他の塗料で塗る部分はマスキングしてあります。

3種類の上塗りをして乾燥させたサンプル。

マスキング位置を勘違いしたので、それぞれのサイズが異なるのはご愛嬌。

それでは、ちょっといじめてみます。

針やマイナスドライバー、爪でひっかいて剥がれやすさをチェックします。

いじめた後のサンプル。

はがれやすさを表にまとめてみました。

ますます仕事みたいです。

あくまで私の主観なので、突っ込みはなしで。

表の各項目の位置と、上の写真の塗装位置は同じ、

★の数は剥がれにくさを表わします。

ベストと判断したのは、ミッチャクロン有りのカラーアルミスプレーです。

スイッチのステーはこの組み合わせで塗ります。

ミッチャクロンの効果は確かにありました。

全ての上塗り塗料との組み合わせで、剥がれにくくなりました。

シャシーブラックは、やはり保護・防錆用塗料でした。

完全乾燥後もやわらかさを感じます。

装飾用としては不向きでしょう。

それではスイッチステーを塗ります。

スイッチステーの塗装。

ミッチャクロンマルチで先に塗装してあります。

今回使用したカラーアルミスプレーはツヤ有りの黒です。

本当はツヤ無しが良いのですが、この小さなステーを塗るためだけに

買い直すのももったいないので、これを使いました。

その代わり、仕上げ塗りは遠くから吹きかける感じにして、ツヤがあまり出ないようにしてみました。

完成したステー。

出来るだけツヤを出さないように塗装してみたものの、そもそもはツヤ有りの塗料です。

ツヤ消しというより梨地っぽい仕上がりになりました。

写真では綺麗に見えますが、ホコリや気泡の影響で荒れている場所があります。

塗装は簡単ではないですね。

車体取り付け状態。

ステー周辺はツヤ消しの黒なので、ツヤ有りの黒で塗ったステーとは質感が違います。

しかしアルミそのままの銀色よりは、はるかに違和感がありません。

上出来でしょう。

取り付けについては下記ページもご覧下さい。

グリップヒーター取り付け 取り付け作業編 2020/12

ミッチャクロンとアルミ用塗料の組み合わせで、剥がれにくい塗装ができることが分かりました。

機会があればまた何か塗ってみます。